126 / 150
第126話
しおりを挟む
「お疲れ様でした。公爵ファース様との今後の話をつけることが出来ましたので、我々がする事はもう殆ど無いでしょう」
「これで、貴族のおっさん共の長い話から解放されるのか、貴族様向けの態度は肩がこって仕方が無いぜ」
ファース公爵主催の晩餐会が終わり、ゴーレンさんの実家で優人達はゴーレンさんからの報告を聞いていた。
「既に私達は王城勤めを辞めた身として、これ以上の干渉は貴族達から逆に干渉を受けることになるでしょう。私も年老いた身ですから、今更、策謀渦巻く貴族様相手にやり合うのは、ダンジョンの攻略以上に体を酷使しそうですしね」
「ドワーフの里には、治癒効果の高い温泉が湧いているからな貴族相手に擦り減らした神経を温泉に浸かって、癒してからレベル9と10のダンジョンに挑もうぜ」
そうして、話し合いは終わり全員で修行空間の寝室で寝ることにした。ゴーレンさんの実家の寝室も十分平均よりも高いが、修行空間の寝室には負けるので誰もゴーレンさんの実家の寝室では眠りたがらなかった。
「じゃあ、最後の挨拶に行ってくるか」
翌朝、ゴーレンさんとアスカさんとサロパスタの3人がファース様の王都での邸宅を訪れて挨拶をしてくるらしい、世間一般で言われている王都を救った英雄がファース様の邸宅に訪れることで、ファース様の工作が上手くいくようになるらしい。
「行ってらっしゃい」
その他のメンバーは3人が戻ってくるまで自由時間になるので、さあどうしようかと話し合っていると
「なら、王都を観光しない?王都に来てから貴族様の相手ばかりで観光する気分でもタイミングでも無かったから、今なら住民も戻ってきて商売が結構再開しているようだしね。案内するよ」
ナセルさんがそう言うので、残りのメンバー全員で観光することに決まった。
「あそこにあるのが、建国王が引き抜いたと言われる王剣ビルトスよ。あの剣を引き抜くことが出来ればその者がこの国の王となることが出来ると言われていてね、王都に来たらみんなが一回は引き抜こうとするの。まあ誰にも抜けないけどね」
ナセルさんがそう言うので、みんなも一回引き抜いてみようとした。
「じゃあ、引き抜くわよ」
どう言う順番で剣を引き抜くかじゃんけんで決めて、1番目にリーン、2番目にフィーレンさん、3番目にレイア、4番目に優人、最後にスノウと言う順番になった。ホワイトとナセルさんとデロックさんは過去にやった事があるそうなので、今回は挑戦するのを見送った。
「ふぐぐぐぐ、ダメだわ。まあ私は精霊王の卵だから人間の王にはならなくても精霊王になるから良いの」
リーンは、そう言って剣を引き抜くのを辞めた。
「次は私か」
そう言ってフィーレンさんも試したが剣は抜けず、レイアも同様に抜くことは出来なかった。
「じゃあ、真打の登場だな。勇者の実力を見せてやる」
優人は、そう告げてから王剣の前に進み出た。
「刮目せよ!」
そう言って、王剣を握る手に力を込めると、ゴゴゴと鈍い音を立てるが抜けることは無かった。
「ユート君でもダメだったか」
ナセルさんの呟きが胸に少し刺さった。
「最後は私」
そうして、スノウが王剣の柄を両手で握り、えいっと言う掛け声とともに力を入れると王剣ビルトスは何の抵抗もなく引き抜けた。
王剣を雨風から守るために天井と3方向に壁が設置されて、優人達以外の一般人から中の様子を見れないようになっているが、レイアがスノウの側まで近寄り、スノウの手の甲両手を添えてそのまま元々刺さっていた場所に、突き刺した。
「みんなは何も見ていない、さあ次の観光地に行ってみよう」
誰にも見られていないことを、これ幸いと全員が今見たことを黙殺した。
「これで、貴族のおっさん共の長い話から解放されるのか、貴族様向けの態度は肩がこって仕方が無いぜ」
ファース公爵主催の晩餐会が終わり、ゴーレンさんの実家で優人達はゴーレンさんからの報告を聞いていた。
「既に私達は王城勤めを辞めた身として、これ以上の干渉は貴族達から逆に干渉を受けることになるでしょう。私も年老いた身ですから、今更、策謀渦巻く貴族様相手にやり合うのは、ダンジョンの攻略以上に体を酷使しそうですしね」
「ドワーフの里には、治癒効果の高い温泉が湧いているからな貴族相手に擦り減らした神経を温泉に浸かって、癒してからレベル9と10のダンジョンに挑もうぜ」
そうして、話し合いは終わり全員で修行空間の寝室で寝ることにした。ゴーレンさんの実家の寝室も十分平均よりも高いが、修行空間の寝室には負けるので誰もゴーレンさんの実家の寝室では眠りたがらなかった。
「じゃあ、最後の挨拶に行ってくるか」
翌朝、ゴーレンさんとアスカさんとサロパスタの3人がファース様の王都での邸宅を訪れて挨拶をしてくるらしい、世間一般で言われている王都を救った英雄がファース様の邸宅に訪れることで、ファース様の工作が上手くいくようになるらしい。
「行ってらっしゃい」
その他のメンバーは3人が戻ってくるまで自由時間になるので、さあどうしようかと話し合っていると
「なら、王都を観光しない?王都に来てから貴族様の相手ばかりで観光する気分でもタイミングでも無かったから、今なら住民も戻ってきて商売が結構再開しているようだしね。案内するよ」
ナセルさんがそう言うので、残りのメンバー全員で観光することに決まった。
「あそこにあるのが、建国王が引き抜いたと言われる王剣ビルトスよ。あの剣を引き抜くことが出来ればその者がこの国の王となることが出来ると言われていてね、王都に来たらみんなが一回は引き抜こうとするの。まあ誰にも抜けないけどね」
ナセルさんがそう言うので、みんなも一回引き抜いてみようとした。
「じゃあ、引き抜くわよ」
どう言う順番で剣を引き抜くかじゃんけんで決めて、1番目にリーン、2番目にフィーレンさん、3番目にレイア、4番目に優人、最後にスノウと言う順番になった。ホワイトとナセルさんとデロックさんは過去にやった事があるそうなので、今回は挑戦するのを見送った。
「ふぐぐぐぐ、ダメだわ。まあ私は精霊王の卵だから人間の王にはならなくても精霊王になるから良いの」
リーンは、そう言って剣を引き抜くのを辞めた。
「次は私か」
そう言ってフィーレンさんも試したが剣は抜けず、レイアも同様に抜くことは出来なかった。
「じゃあ、真打の登場だな。勇者の実力を見せてやる」
優人は、そう告げてから王剣の前に進み出た。
「刮目せよ!」
そう言って、王剣を握る手に力を込めると、ゴゴゴと鈍い音を立てるが抜けることは無かった。
「ユート君でもダメだったか」
ナセルさんの呟きが胸に少し刺さった。
「最後は私」
そうして、スノウが王剣の柄を両手で握り、えいっと言う掛け声とともに力を入れると王剣ビルトスは何の抵抗もなく引き抜けた。
王剣を雨風から守るために天井と3方向に壁が設置されて、優人達以外の一般人から中の様子を見れないようになっているが、レイアがスノウの側まで近寄り、スノウの手の甲両手を添えてそのまま元々刺さっていた場所に、突き刺した。
「みんなは何も見ていない、さあ次の観光地に行ってみよう」
誰にも見られていないことを、これ幸いと全員が今見たことを黙殺した。
0
お気に入りに追加
466
あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたぼっちはフェードアウトして農村に住み着く〜農耕神の手は救世主だった件〜
ルーシャオ
ファンタジー
林間学校の最中突然異世界に召喚された中学生の少年少女三十二人。沼間カツキもその一人だが、自分に与えられた祝福がまるで非戦闘職だと分かるとすみやかにフェードアウトした。『農耕神の手』でどうやって魔王を倒せと言うのか、クラスメイトの士気を挫く前に兵士の手引きで抜け出し、農村に匿われることに。
ところが、異世界について知っていくうちに、カツキは『農耕神の手』の力で目に見えない危機を発見して、対処せざるを得ないことに。一方でクラスメイトたちは意気揚々と魔王討伐に向かっていた。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる