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第124話

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 「もうそろそろ、王都に大貴族が集まり終わるんだっけ」

 修行空間のラウンジで、スノウとマッタリとしている優人がそう言うと

 「会談が終わればレベル9と10のダンジョンなんだよね」

 「そうだな、ドワーフの里にも寄ってからだけど」

 「お父さんは、レベル9と10のダンジョンを攻略したら元の世界に帰っちゃうんでしょう。もう会えないのかな」

 スノウが少し沈んだ声で尋ねてくる。

 「分からない、ただ願い石の力を使って元の世界に帰るんだから、こっちに行き来出来るかは、そんなチートかアビリティを貰えれば大丈夫かもだけど、そうだな次に神様に会ったらそこのところを聞いてみるよ」

 「うん」


 それから暫くスノウが、優人の座っているソファの隣に座り体を優人に預けてきたので優人も拒むでもなく、身長の関係から左腕でスノウの体重を支えていた。

 「お腹すいてきた」

 「そうだな、じゃあ行くか」

 修行用の軽装から着替えて、式服に着替えると修行空間から出てゴーレンさんの実家に出た。

 「今日も、食事をするだけで良いの」

 「ああ、王国に所属する。まして貴族の私兵にはなるつもりはないからな、会場の隅で豪華な料理を食っていよう」

 魔人ヴェロニカを退けてから1ヶ月、1週間で王都の住民は戻ってきており、3週間もすれば王都在住の貴族も戻り始めて、1ヶ月の今はゴーレンさんが呼びかけた会談に参加するために地方の大貴族が集まり始めた。

 「昨日も、知らないおじさんにずっと話しかけられた」

 スノウが、そう言うのも分かる。

 現在、王都では崩壊した王城を含めて修復が街の至る所で行われている。そんな中、最近は貴族が夜な夜な晩餐会を開き王都奪還の立役者である優人達は招待を沢山受けた。

 「これでもゴーレンさんが断ってくれているからな、俺やスノウの正体は殆ど誰にも知られていないからな、殆どの貴族はサロパスタやアスカさんデロックさんにナセルさん有名な冒険者チームだった女神の息吹のサブリーダーやメンバーであるフィーレンさんにレイアが勧誘の対象になっていて優人にスノウにホワイトにリーンはメンバーの家族だと思われ勧誘対象に説得をしてくれと頼まれるくらいだから、レイア達の方がよっぽど大変だよ」

 優人やスノウは、夜の晩餐会にだけ招待されているがサロパスタやアスカさんにフィーレンさん達は、昼も園遊会だ昼食会だで彼方此方に招待されている。

 「あっ、レイアだ」

 スノウが、そう声を上げて走って行くと

 「疲れたよ、スノウちゃん」

 昼用の明るい色のドレスに身を包んだまま、椅子にもたれかかるように座っている。

 「どうしたんだ」

 「いや、園遊会で貴族の奥方様達が自分の息子達の第2夫人第3夫人にならないかって、ずっと言われ続けてね中にはその可愛い息子さんまで連れてきている人もいて」

 深いため息を吐いて、思考を放棄しているようだ。

 「夜の晩餐会はユートやスノウちゃんと一緒にいたいよ、早くダンジョンの攻略がしたい」

 「2日前にゴーレンさんに会った時にはあと2週間もかからないぐらいで、出発できるってさ」

 「私も、修行をしていたいよ」

 レイアの愚痴を聞いているとフィーレンさんがやって来た

 「レイア、まだドレスを着替えていなかったのか、もう時間がないぞ」

 「着替えてきます」

 レイアさんはよろよろと立ち上がり、ゴーレンさんが手配してくれたメイド達にドレスの着替えを頼んでいた。

 「今日は、王都の東の街道の先の公爵ファース様の晩餐会だ。今までとは違うだろうな」

 フィーレンさんにそう言われて、気分が沈む優人であった
 
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