異世界に行ったけど、早く地球に戻るんだ

電電世界

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第115話

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 「もう、修行空間の倉庫にダンジョンマスターを預けてきたぞ、スノウ」

 優人は両手を開いて、スノウに話しかけた。

 「いや」

 スノウはバッサリと短くそう告げると、レイアの背中に隠れた。

 「スノウも優人くんに触れてあげたら、もうユートが可哀想になってきたよ」

 「まだ、あのダンジョンマスターの臭いが残っている」

 「もう2回、体を隅々まで洗ったのに!また入ってくる」

 優人は再び風呂へと走って行った。

 
 レベル5のダンジョンから脱出して勇者ミサトと別れた後、暫くデラード帝国の兵士が2人、一定の距離をとって付いてきていたのを5人は感じ取っていたので、飛空挺には乗り込まず徒歩でオサキ村に向かっていた。

 しかし、夜になり洞窟で一晩をあかそうかと洞窟に入って暫くすると、ずっと付いてきた2人が遠ざかっていき、遂に本隊に戻って行ったらしい、それから暫く再び戻ってこないか確認をしてから修行空間へと移動して一晩を越すことにした。


 そして、先ほどの出来事へと続く、メイア達が用意した晩御飯を食べる時、何時もは優人の隣の席に座って食べるスノウがレイアの隣に座り食事を始めた。

 若干気まずい空気が流れ、《アイテムボックス》に入っているから大丈夫だと言ったが、優人からダンジョンマスターの臭いがするから嫌だと言う理由が飛び出し、晩御飯の前にシャワーを浴びたんだけどと伝えても、まだ臭いが残っていると言われた。そして晩御飯を食べ終わり再び風呂に入り、先程の現場へと続く



 再び、優人が風呂へと入りに行き、スノウと2人になったレイアが話しかけた。

 
 「でも、全然臭いなんて感じないけど」

 「分からない、薄まってきているけど微かにまだ臭いが残っている」

 スノウも、優人に対してやりたくて嫌な態度を取っているのではない。そのことうぃ全員理解しているから空気は少し重いが、悪くはないのである。

 「じゃあ、ユートには、その微かな臭いを洗い流してもらわないとね」

 そう言って、スノウの手を引きラウンジで優人が風呂からあがってくるのを待った。

 
 優人が、風呂に入ってから30分ほど経ち顔を上気させながらやってきた。

 「どうだ。もう臭いは残っていないだろう」

 優人がそう告げると

 スノウも立ち上がり、少しずつ優人に近づき

 「うん。もう大丈夫。ありがとう、お父さん」

 スノウがそう言って、普段着の優人の腹にそっと触れた。

 「遂に、スノウが触れてくれた」

 優人は、喜びで雄叫びをあげた。

「良かったね」

 レイアも若干の棒読み感があるが祝ってくれ、いつの間にかいたメイア達メイドも部屋の隅から拍手を送ってくる。

 
 「けど、あのダンジョンマスターは特に臭いとか思わなかったけど、精霊にだけ分かる臭いだったのかな」

 「そうかもね、リーンにも嗅がせてみたいかな」

 優人が少し悪そうな顔でそう言うと

 「そんな意地悪を言っちゃダメ」

 スノウに窘められ、シュンとする優人


 そうして、スノウが近づいてくれるようになってくれて優人は気分良く眠ることができた。

 
 「じゃあ、飛空挺に乗って一気に帰りましょうか」

 翌朝、修行空間から出てきてデラード帝国の兵士の気配を探ったが、監視は付いていないようなので飛空挺を取り出し、オサキ村に帰ろうとした。


 そうして飛空挺に全員が乗り込み移動を開始した。


 
 


 
 

 
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