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第91話
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全員で話し合った翌日、特に誰も朝早くからジャリスに行きたいと言うメンバーがいなかったので、午前中は修行空間の中で其々が自由に過ごしていた。
しかし、昼頃の約束なので誰も修行も食事もせずにラウンジで会話をしていた。
「精霊王ってどんな感じだったの?」
「白髪のお爺ちゃんだったよ、けど気さくな性格だったな。《詳細鑑定》は使ってないけど強さは分かった。俺たちが束になっても敵わない、サーロンとは比べられないほどだったよ」
「へー、じゃあ魔王が来ても大丈夫なのかな」
「どうだろうな」
レイアと喋っていると時間はいつの間にか経っていた。
「さて、そろそろ行きますか」
予定の時間よりも2時間程早いが移動の時間も考えると、余裕を持ちたいので出ることにした。
全員が、準備も出来たのでジャリスの郊外に出て、歩いて昨日、精霊王と出会った喫茶店に向かう
そして、予定の1時間以上も前に着いたので、其々が飲み物を一杯ずつ頼んだ。
そして、予定時間の10分前にゴスロリの金髪ツインテールでスノウと同い年ぐらいに見える女の子が話しかけてきた。
「あんた達が、勇者と生意気精霊とその仲間達?」
「精霊王の使いの方ですか?」
「そうよ、って言うか私の質問に答えなさいよ」
「はい、一応僕が勇者です」
「何よ一応って、確かに爺様が言っていた通りの黒髪のさえない感じの男と隣の白髪が精霊ね、まあ良いわこっちについてきなさい」
そうして、クルッと振り返って歩き始めようとするとロングスカートの裾を足で踏んづけてしまい、喫茶店の床に倒れた。
その立て続けの出来事に驚き、全員が慌てた。
「大丈夫ですか」
アスカさんが、倒れた女の子に近づき起こしあげた。
「大丈夫」
目に涙を溜めながら、精一杯強がっているのが手に取るように分かる。
「泣かないなんて偉いですよ」
アスカさんに目線を合わせられながら、頭を撫でられると
「子供扱いしないで、でもありがとう」
優人は心の中で、ツンデレやドジっ娘などを体現している女の子を見て、言葉を失った。
「じゃあ気をとりなおして、ついてきなさい」
今度は裾に注意をして歩き始めた。
優人達は、喫茶店の店員に会計を済ませて店を出て待っていた女の子の後についていった。
「そう言えば、自己紹介をしていなかったはね、私は未来の精霊王、リーン・リーラ・リレイラス。みんなからは、リーンって言われているわ」
「リーンさん、どこまでいくんですか?精霊郷にはどうやっていくんです?」
先ほど助けられて、気に入られたのか手を握られているアスカさんが尋ねる。
「もう、精霊郷には入っているわよアスカ」
リーンのその言葉に驚き、全員が辺りを見回す。
そして、全員が驚いた確かにさっきまでジャリスの街中にいたのに、建物が一切なく木々に囲まれていた。
「よく来たよく来た。こっちじゃよー」
驚いている優人達がいる道の先で、片手を振っている精霊王がいた。
「歓迎するぞ。こんなに大勢の人間やエルフののお客さんは久しぶりじゃわい。リーンもご苦労じゃったな」
「本当よ」
「みんな出てきなさい」
精霊王がそう声をかけると様々な姿形の精霊が集まってきた。
半分ほどが人間のような姿をしているが、犬や猫などの動物、姿が固まらず流動的に動き光っていたり、騙し絵のように見ていると不思議な感覚に陥りそうな精霊もいたが、全員が歓迎をしてくれた。
「さてさて、精霊達にも顔を見せることができたし、儂の家に来てくれんか、そこで精霊郷に読んだ理由を話そうかの」
そう言って、精霊王が歩き始めたので、優人達も様々な精霊に囲まれながら後を追った。
しかし、昼頃の約束なので誰も修行も食事もせずにラウンジで会話をしていた。
「精霊王ってどんな感じだったの?」
「白髪のお爺ちゃんだったよ、けど気さくな性格だったな。《詳細鑑定》は使ってないけど強さは分かった。俺たちが束になっても敵わない、サーロンとは比べられないほどだったよ」
「へー、じゃあ魔王が来ても大丈夫なのかな」
「どうだろうな」
レイアと喋っていると時間はいつの間にか経っていた。
「さて、そろそろ行きますか」
予定の時間よりも2時間程早いが移動の時間も考えると、余裕を持ちたいので出ることにした。
全員が、準備も出来たのでジャリスの郊外に出て、歩いて昨日、精霊王と出会った喫茶店に向かう
そして、予定の1時間以上も前に着いたので、其々が飲み物を一杯ずつ頼んだ。
そして、予定時間の10分前にゴスロリの金髪ツインテールでスノウと同い年ぐらいに見える女の子が話しかけてきた。
「あんた達が、勇者と生意気精霊とその仲間達?」
「精霊王の使いの方ですか?」
「そうよ、って言うか私の質問に答えなさいよ」
「はい、一応僕が勇者です」
「何よ一応って、確かに爺様が言っていた通りの黒髪のさえない感じの男と隣の白髪が精霊ね、まあ良いわこっちについてきなさい」
そうして、クルッと振り返って歩き始めようとするとロングスカートの裾を足で踏んづけてしまい、喫茶店の床に倒れた。
その立て続けの出来事に驚き、全員が慌てた。
「大丈夫ですか」
アスカさんが、倒れた女の子に近づき起こしあげた。
「大丈夫」
目に涙を溜めながら、精一杯強がっているのが手に取るように分かる。
「泣かないなんて偉いですよ」
アスカさんに目線を合わせられながら、頭を撫でられると
「子供扱いしないで、でもありがとう」
優人は心の中で、ツンデレやドジっ娘などを体現している女の子を見て、言葉を失った。
「じゃあ気をとりなおして、ついてきなさい」
今度は裾に注意をして歩き始めた。
優人達は、喫茶店の店員に会計を済ませて店を出て待っていた女の子の後についていった。
「そう言えば、自己紹介をしていなかったはね、私は未来の精霊王、リーン・リーラ・リレイラス。みんなからは、リーンって言われているわ」
「リーンさん、どこまでいくんですか?精霊郷にはどうやっていくんです?」
先ほど助けられて、気に入られたのか手を握られているアスカさんが尋ねる。
「もう、精霊郷には入っているわよアスカ」
リーンのその言葉に驚き、全員が辺りを見回す。
そして、全員が驚いた確かにさっきまでジャリスの街中にいたのに、建物が一切なく木々に囲まれていた。
「よく来たよく来た。こっちじゃよー」
驚いている優人達がいる道の先で、片手を振っている精霊王がいた。
「歓迎するぞ。こんなに大勢の人間やエルフののお客さんは久しぶりじゃわい。リーンもご苦労じゃったな」
「本当よ」
「みんな出てきなさい」
精霊王がそう声をかけると様々な姿形の精霊が集まってきた。
半分ほどが人間のような姿をしているが、犬や猫などの動物、姿が固まらず流動的に動き光っていたり、騙し絵のように見ていると不思議な感覚に陥りそうな精霊もいたが、全員が歓迎をしてくれた。
「さてさて、精霊達にも顔を見せることができたし、儂の家に来てくれんか、そこで精霊郷に読んだ理由を話そうかの」
そう言って、精霊王が歩き始めたので、優人達も様々な精霊に囲まれながら後を追った。
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