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第81話
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「なかなか、サロパスタ以外もやるじゃねえか。特にそこの白くて長い髪のお嬢ちゃんがお前達の中で一番強いじゃねえか」
あちこちから血を流しながら、楽しそうに話している
「随分と、不利な戦闘なのに楽しんでいるじゃないか、死ぬ覚悟が決まったのか」
「ダンジョンマスターの座を奪われて、苛々としていた気持ちが、楽しい戦闘で気分が晴れたんだ。不利な状況も楽しい戦闘のスパイスだろ、それに死ぬ覚悟はお前等も決めておけよ」
そう言うと、紅鬼から感じていた力が格段に上がり、紅鬼の周りから火花が上がり、そして炎へと燃え上がった。
「さあ、どんどんと燃え上がっていこうぜ」
高笑いを始めた紅鬼に、サロパスタとスノウが突っ込んでいき、スノウは雷の魔力を纏い、サロパスタは水の魔力を纏って攻撃を仕掛けた。
「白髪のお嬢ちゃんの雷も、サロパスタの流麗な水も、いいねえ、ここまで楽しい戦闘は久しぶりだ。そうだよ人間と戦っている方が魔人共と戦うよりも楽しいな」
しかし、口では楽しいと言っているが、体に刻まれていく傷に紅鬼は限界を迎えてきた。
「楽しい時間も終わりが近づいてきたようだな。なら最後は命も削って戦わせてもらうか」
そう言い終わると、紅鬼が纏っている炎がより一層激しくなり、割れたサングラスの奥から見える瞳をギラつかせていた。
「時間はもって3分ほどか、さあ最後まで楽しませてくれ」
金棒をブンブンと振り回し、仁王立ちを決める紅鬼に対して、全員が一撃ずつをくらわせていった。
「最高の餞別だぜ、どんどんとこいよ」
最後にサロパスタが、大剣を正面に構えて気を集中させた。
「本気を出したのに、最後まで仕留めきれなかったな。紅鬼、あんたは強いよ。Sランク冒険者でも倒しきれないだろう、でも俺たちが相手だった」
「そうだな、勇者とは何度か戦ったことがあるが、サロパスタ達の方が強いぐらいだよ」
紅鬼は、そう言うと金棒を手放し、両腕を広げて天を仰いだ。
「また、ダンジョンマスターとしてどこかに戻ってくる。そして今よりも強くなってくるから、その時はまた戦おうぜ。その前に次の階層にいるサーロンの爺さんに殺されるなよ」
そう大声で叫び終わるのを、サロパスタは聴き終えると同時に紅鬼を斬り伏せた。
「終わったな」
サロパスタが、大剣についた血を振り払い、鞘へと納めた。
「先に進めるようですけど、今日は休みましょう。皆さん大きな怪我はなくとも骨にヒビが入るぐらいはしているでしょうからね」
全員が、紅鬼との戦闘で疲労を見せていたので、修行空間へと戻った。
「しかし、疲れたな。まずはシャワーでも浴びて汚れを落とさないとメイド連中に、冷めた目で見られるからな。だらけるのは、その後だ」
そうしてシャワーで汚れを落としてから、ラウンジのソファでだらけていると、サロパスタが喋り始めた。
「紅鬼が戦闘の途中に、ダンジョンマスターの座を奪われたって言っていただろう。じゃあ紅鬼はレベル7のダンジョンマスターだったんだな」
「そうだね、前回のレベル7のダンジョンマスターだったヒュドラのスケルトンよりも強く感じたけど、サーロンは更にその上をいくんだよね」
サロパスタと2人で喋っていると、ゴーレンさんが現れた。
「魔人サーロンを超えるダンジョンマスターを後2体は倒さないといけないんです。手強い相手ですけれど再び負けるわけにはいきません」
3人で話し合っていると、メイアが食事の準備ができたと呼びに来た。だらけている間に時間があっという間に過ぎていった。
夕食を食べ終えて自室に戻っても、サーロンとの戦闘の事ばかりを考える。
「明日になれば、分かるか」
そう呟いて、優人は眠れないけれどもベッドに横になった。そして、いつの間にか眠っていた。
あちこちから血を流しながら、楽しそうに話している
「随分と、不利な戦闘なのに楽しんでいるじゃないか、死ぬ覚悟が決まったのか」
「ダンジョンマスターの座を奪われて、苛々としていた気持ちが、楽しい戦闘で気分が晴れたんだ。不利な状況も楽しい戦闘のスパイスだろ、それに死ぬ覚悟はお前等も決めておけよ」
そう言うと、紅鬼から感じていた力が格段に上がり、紅鬼の周りから火花が上がり、そして炎へと燃え上がった。
「さあ、どんどんと燃え上がっていこうぜ」
高笑いを始めた紅鬼に、サロパスタとスノウが突っ込んでいき、スノウは雷の魔力を纏い、サロパスタは水の魔力を纏って攻撃を仕掛けた。
「白髪のお嬢ちゃんの雷も、サロパスタの流麗な水も、いいねえ、ここまで楽しい戦闘は久しぶりだ。そうだよ人間と戦っている方が魔人共と戦うよりも楽しいな」
しかし、口では楽しいと言っているが、体に刻まれていく傷に紅鬼は限界を迎えてきた。
「楽しい時間も終わりが近づいてきたようだな。なら最後は命も削って戦わせてもらうか」
そう言い終わると、紅鬼が纏っている炎がより一層激しくなり、割れたサングラスの奥から見える瞳をギラつかせていた。
「時間はもって3分ほどか、さあ最後まで楽しませてくれ」
金棒をブンブンと振り回し、仁王立ちを決める紅鬼に対して、全員が一撃ずつをくらわせていった。
「最高の餞別だぜ、どんどんとこいよ」
最後にサロパスタが、大剣を正面に構えて気を集中させた。
「本気を出したのに、最後まで仕留めきれなかったな。紅鬼、あんたは強いよ。Sランク冒険者でも倒しきれないだろう、でも俺たちが相手だった」
「そうだな、勇者とは何度か戦ったことがあるが、サロパスタ達の方が強いぐらいだよ」
紅鬼は、そう言うと金棒を手放し、両腕を広げて天を仰いだ。
「また、ダンジョンマスターとしてどこかに戻ってくる。そして今よりも強くなってくるから、その時はまた戦おうぜ。その前に次の階層にいるサーロンの爺さんに殺されるなよ」
そう大声で叫び終わるのを、サロパスタは聴き終えると同時に紅鬼を斬り伏せた。
「終わったな」
サロパスタが、大剣についた血を振り払い、鞘へと納めた。
「先に進めるようですけど、今日は休みましょう。皆さん大きな怪我はなくとも骨にヒビが入るぐらいはしているでしょうからね」
全員が、紅鬼との戦闘で疲労を見せていたので、修行空間へと戻った。
「しかし、疲れたな。まずはシャワーでも浴びて汚れを落とさないとメイド連中に、冷めた目で見られるからな。だらけるのは、その後だ」
そうしてシャワーで汚れを落としてから、ラウンジのソファでだらけていると、サロパスタが喋り始めた。
「紅鬼が戦闘の途中に、ダンジョンマスターの座を奪われたって言っていただろう。じゃあ紅鬼はレベル7のダンジョンマスターだったんだな」
「そうだね、前回のレベル7のダンジョンマスターだったヒュドラのスケルトンよりも強く感じたけど、サーロンは更にその上をいくんだよね」
サロパスタと2人で喋っていると、ゴーレンさんが現れた。
「魔人サーロンを超えるダンジョンマスターを後2体は倒さないといけないんです。手強い相手ですけれど再び負けるわけにはいきません」
3人で話し合っていると、メイアが食事の準備ができたと呼びに来た。だらけている間に時間があっという間に過ぎていった。
夕食を食べ終えて自室に戻っても、サーロンとの戦闘の事ばかりを考える。
「明日になれば、分かるか」
そう呟いて、優人は眠れないけれどもベッドに横になった。そして、いつの間にか眠っていた。
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