異世界に行ったけど、早く地球に戻るんだ

電電世界

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第68話

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 「一緒に修行ですか」

 「そう、この前のダンジョンで、もっと力をつけないといけないって実感したんだけど。今の私だけで修行をしても伸びしろが少ないって実感していたところでね、そこに急成長をしたユート君とスノウちゃんがいた。これって運命だよね」

 確かに、優人が創造した修行スペースで修行をすれば力はつけられるだろう。

 「他のみんなとも相談しないといけないけど、それでOKがでたら、構いませんよ」

 「本当にやったー」

 まだ決まったわけではないのに大喜びである。しかし多分一緒に修行することになるだろうけど

 「みんなとは何時に会うの?」

 「午後5時に、ジャリス郊外の大木の前ですけど」

 「うーん。急いで準備をしなきゃいけないな」

 「荷物なら、自分の《アイテムボックス》に入れましょうか?」

 「本当に?ありがとう。じゃあ私の部屋に一緒に行こう」

 レイアさんが立ち上がって、レストランのマスターに代金を払い外に出ようとすると

 「待ってくれ、私もその修行に参加させてくれ」

 フィーレンさんが、勢いつけて立ち上がりそう言ってきた。

 「えっと、レイアさんと同じくみんなの同意が得られたらですけど」

 「ああ、勿論だ」

 そうして、女神の息吹の2人は一度、冒険者ギルドに行ってリーダーのヴァレスティーヌさんに暫くのチームからの離脱の許可を貰いに行かなければいけないと言い出し、優人とスノウも女神の息吹のギルドルームに一緒に行くことになった。


 「スノウちゃんは、今日は何か買ったの」

 「今日は市場でいっぱい食べ物を買った」

 「そうなんだ。じゃあ準備をしたらお揃いのアクセサリーを買いに行こう」

 「うん」


 スノウとレイアが手を繋ぎながら、会話をしている。


 2人から後ろに少し離れて、優人はフィーレンさんと喋っていた。

 「でも、そんなに簡単に女神の息吹から一時離脱できるんですか?フィーレンさんはサブリーダーですよね」

 「ああ、今チームは小休止状態だから1月ぐらいなら離脱しても問題にはならない」

 そうして、会話しているとすぐに冒険者ギルドに着いた。

 「さて、今日はリーダーは3階の貸部屋にいるはずだけど」

 3階の前に一度入ったことのある部屋まで行き、フィーレンさんは扉を開けた。

 「リーダーはいるかい」

 「はい、奥にいますよ」

 部屋の入り口すぐにいたメンバーにフィーレンさんは聞いて、奥の部屋に進んでいった。

 そして奥の部屋の一つの前にフィーレンさんは行き、ノックをした。

 「リーダー、フィーレンですけど入ってもいいですか」

 「どうぞ」

 部屋の中から、ヴァレスティーヌさんの声が聞こえてからフィーレンさんは扉を開けた。

 「どうしたのフィーレン、それにレイアと優人君にスノウちゃん?」

 「暫くの間、私とレイアは、優人君達と一緒に修行をすることになりそうだから、その報告にね」

 「あなた達もなの」

 「あなた達もって、どういうこと?」

 「さっきポーレとお兄さんのアスカさんも来て、ポーレが修行に暫く参加するから一時的に離脱したいって来たところなの」

 アスカさんも、来ていたんだ。

 「ポーレにも許可を出したから、あなた達も一生懸命修行して強くなって来なさい。戻ってきたときにどれぐらい強くなっているか楽しみだわ」

 「ありがとう。強くなってくるよ」
 「ありがとうございます。リーダー」

 それから、フィーレンさんとレイアは仲間達に挨拶をしてから、レイアとフィーレンさんの荷物を取りに、それぞれが泊まっている宿に行った。

 レイアもフィーレンさんも、準備に時間はほとんど変わらず荷物を優人の《アイテムボックス》に入れた。

 「さて、午後5時まで若干時間があるね」

 「じゃあ、スノウちゃんアクセサリーを見に行こう」

 それから4人でアクセサリーショップに行き、レイアはスノウとお揃いのブレスレットを買って、互いに手首につけていた。

 「じゃあ、集合場所に行きましょうか」

 優人がそう言って、先頭になり集合場所まで案内した

 
 集合場所に着くと、ゴーレンさんとナセルさんデロックさんがいた。

 「おや、女神の息吹のフィーレンさんとレイアさんでしたよね」

 ゴーレンさんが、そう言ってきた。

 「はい、女神の息吹のサブリーダーをしているフィーレンです。今日は私とレイアの2人を皆さんの修行に参加させていただきたいとお願いしたく来ました」

 
 その言葉を聞いて、ゴーレンさんは優人が認めるなら自分は同意する。ナセルさんとデロックさんも同意してくれたので、女神の息吹の2人が修行に参加することが正式に決まった。

 「あれ、サブリーダーにレイアもどうしているの?」

 そこに、アスカさんとホワイトとポーレさんが来て、ポーレの修行の参加も、続いて決まった。


 「何だ、人数が増えているなってフィーレンまでいるのか」

 サロパスタが集合時間ギリギリでやってきた。

 サロパスタへの説明は後回しにして、優人は《空間創造》のアビリティを使用して、扉を出現させた。

 「さあ、まずははいりましょう」

 突然の扉に驚いた女神の息吹の3人を促して、修行空間に入った。
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