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第39話
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冒険者ギルドを出てから、ホワイトをどうするかで話し合った。
「いくらレベル1のダンジョンでも、とっさの時に満足に動くことができないホワイトは如何しましょうか?宿屋で留守番をしていてもらいましょうか」
ゴーレンさんが、そう言って真面目な顔でホワイトに向かってそう言った。
「そうですね、私も抱っこをしたままでも大丈夫だと思いますが、もしもの事を考えたら」
アスカさんも賛同した。
「えっ、さっきドヤ顔でユートにわたしのギルドカードを見せつけたのに、置いて行かれたら恥ずかしいじゃない」
ホワイトは、このままでは置いて行かれると思い一生懸命2人に説得を行った。
その時の優人は、ダンジョン攻略に伴う戦闘は、少しは数をこなしてきたが、まだまだ素人なので口を挟む余地はない。
「仕方ない、これは本当に出したくなかったんだけど、仕方がない」
そう言って、ホワイトは自身のマジックポーチから、地球で言う赤ちゃんの歩行補助器を取り出して、地面に置いた。
「アスカ、わたしをあの装置の中に入れてくれ」
アスカさんは、抱っこしていたホワイトを言われた通りに立たせて入れた。
「諸君、刮目して見よ」
すると、ホワイトが歩行補助器らしき装置に魔力を込めるとホワイトの体と装置が浮かび上がった。
「どうだ。凄いだろうこの超天才なわたしの頭脳によって、遂に完成させた魔力駆動型浮遊装置[ホワイトマシーン58号]だ」
ふわふわと浮いていると思ったら、唐突に高速移動を始めて3人の周りを動き回った。
「凄いではないですか、ホワイト。確か王城にいた時にこの装置の試作機を見ていましたが、もっと装置が巨大で、ここまで俊敏な動きは見ませんでしたよ」
「凄いですね、ホワイトさん。でもどうしてこれまで出してこなかったんですか?」
そこである。こんなに移動に便利な物があるのに、どうして今まで出してこなかったのか。
たっぷりと時間をかけてから、ホワイトは念話で話し始めた。
「だって、これを出して1人で移動できるって分かったら、アスカにずっと抱っこしてもらえないじゃない。ユートだったら分かるでしょ」
俺にふるなと言いたいが、ホワイトの気持ちも悔しいほど分かるため、何も言えない
「わたしがどれだけアスカに抱っこされて幸せになれるか、アスカに抱かれると、こう良い香りに包まれ心身共に極限のリラックス状態で、初めて抱っこされた時からわたしはもう中毒者になってしまったのだ」
突然のホワイトの独白に、頭の中が念話で埋め尽くされ頭がクラクラしてきた。
「もう、わたしはアスカに1時間に1回は抱っこされなければ耐えられないんだ。これで3人だけでダンジョンに行って、1人で宿屋で留守番なんて考えるだけで絶望を感じてしまう」
「分かりましたから、ホワイトさん落ち着いて」
アスカさんが、ホワイトをなだめて、ようやく頭の中が静かになった。
「大きくなるまでは、抱っこしてあげますから。落ち着いてください、ねっ」
「大きくなるまで、グムムムム、仕方ない約束だぞ」
そうして、ホワイトは早速、抱っこしてくれとアスカさんに言い、アスカさんも苦笑しながら[ホワイトマシーン58号]からホワイトを抱き上げて抱っこした。
抱っこされるとホワイトは、緩みきった表情になり、これだよこれと思っているようだった。
「さて、では早速レベル1のダンジョンに行きますか?レベル1だと今のパーティメンバーだと早くて数時間で攻略できるでしょうね」
そう言って、4人はジャリス郊外のダンジョン群発地帯に向かった。
「いくらレベル1のダンジョンでも、とっさの時に満足に動くことができないホワイトは如何しましょうか?宿屋で留守番をしていてもらいましょうか」
ゴーレンさんが、そう言って真面目な顔でホワイトに向かってそう言った。
「そうですね、私も抱っこをしたままでも大丈夫だと思いますが、もしもの事を考えたら」
アスカさんも賛同した。
「えっ、さっきドヤ顔でユートにわたしのギルドカードを見せつけたのに、置いて行かれたら恥ずかしいじゃない」
ホワイトは、このままでは置いて行かれると思い一生懸命2人に説得を行った。
その時の優人は、ダンジョン攻略に伴う戦闘は、少しは数をこなしてきたが、まだまだ素人なので口を挟む余地はない。
「仕方ない、これは本当に出したくなかったんだけど、仕方がない」
そう言って、ホワイトは自身のマジックポーチから、地球で言う赤ちゃんの歩行補助器を取り出して、地面に置いた。
「アスカ、わたしをあの装置の中に入れてくれ」
アスカさんは、抱っこしていたホワイトを言われた通りに立たせて入れた。
「諸君、刮目して見よ」
すると、ホワイトが歩行補助器らしき装置に魔力を込めるとホワイトの体と装置が浮かび上がった。
「どうだ。凄いだろうこの超天才なわたしの頭脳によって、遂に完成させた魔力駆動型浮遊装置[ホワイトマシーン58号]だ」
ふわふわと浮いていると思ったら、唐突に高速移動を始めて3人の周りを動き回った。
「凄いではないですか、ホワイト。確か王城にいた時にこの装置の試作機を見ていましたが、もっと装置が巨大で、ここまで俊敏な動きは見ませんでしたよ」
「凄いですね、ホワイトさん。でもどうしてこれまで出してこなかったんですか?」
そこである。こんなに移動に便利な物があるのに、どうして今まで出してこなかったのか。
たっぷりと時間をかけてから、ホワイトは念話で話し始めた。
「だって、これを出して1人で移動できるって分かったら、アスカにずっと抱っこしてもらえないじゃない。ユートだったら分かるでしょ」
俺にふるなと言いたいが、ホワイトの気持ちも悔しいほど分かるため、何も言えない
「わたしがどれだけアスカに抱っこされて幸せになれるか、アスカに抱かれると、こう良い香りに包まれ心身共に極限のリラックス状態で、初めて抱っこされた時からわたしはもう中毒者になってしまったのだ」
突然のホワイトの独白に、頭の中が念話で埋め尽くされ頭がクラクラしてきた。
「もう、わたしはアスカに1時間に1回は抱っこされなければ耐えられないんだ。これで3人だけでダンジョンに行って、1人で宿屋で留守番なんて考えるだけで絶望を感じてしまう」
「分かりましたから、ホワイトさん落ち着いて」
アスカさんが、ホワイトをなだめて、ようやく頭の中が静かになった。
「大きくなるまでは、抱っこしてあげますから。落ち着いてください、ねっ」
「大きくなるまで、グムムムム、仕方ない約束だぞ」
そうして、ホワイトは早速、抱っこしてくれとアスカさんに言い、アスカさんも苦笑しながら[ホワイトマシーン58号]からホワイトを抱き上げて抱っこした。
抱っこされるとホワイトは、緩みきった表情になり、これだよこれと思っているようだった。
「さて、では早速レベル1のダンジョンに行きますか?レベル1だと今のパーティメンバーだと早くて数時間で攻略できるでしょうね」
そう言って、4人はジャリス郊外のダンジョン群発地帯に向かった。
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