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第29話
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「また新たに2体が来たぞ」
ようやく、薄っすらと日が出はじめた頃、レベル5のダンジョン攻略のための前線基地は死屍累々といった有様だった。
昨夜から始まった。竜呼振動によって集まるドラゴン達を討伐、当初は前線基地にいる冒険者達も元気が良かったが、集まるドラゴン達もピンからキリまでいたが、どのドラゴンも頑丈で生命力にも満ち溢れブレスや爪や牙による攻撃も恐ろしい威力を持っていた。
AランクにBランクの冒険者でも上位の者達だったが、徐々に疲労があらわれミスも多くなり、ドラゴンの攻撃をくらって戦線を離脱する者が徐々に増えていった。
「ようやく、日が白み始めてきましたね」
優人が、ドラゴンの血を浴びて汚れながらも、何とかドラゴンを倒していた。
「そうですね、この位置だと港町ナダムの衛星都市が一番近いですが、それでも早く着いて今やっと着いた頃でしょう。応援はまだまだ先ですね」
アスカさんは、鎧姿で両手に双剣を持ち、その高いレベルに見合った戦果をあげていた。
「こうなると、デロック達が一刻も早くダンジョンマスターを討伐して、竜呼振動を止めていただくのが一番ですね」
ゴーレンさんもいつもの涼しい表情ではなく少し疲労が見える。
優人としては、此処でドラゴン討伐をする義理はないが、今ここで前線基地を離れるのも寝覚めが悪い。
「けど、流石にドラゴンが4体同時に来た時は死ぬかと思いました」
「そうですね、あれを乗り越えたら数時間に1体ほどのペースになりましたからね」
竜呼振動が発生してから最初は1時間に2体ほどドラゴンが来襲したが、2時間前に同時に4体来襲したが、その後は来襲するペースが落ち着いた。
「しかし、今の2体でこれまで、あらわれたドラゴンは15体ですね」
現れたドラゴンは、体が大きく羽が4枚のレッドドラゴンと細身で動きの速そうなブルードラゴンだった。
ーレッドドラゴンー
Lv:146
生命力:31000
魔力:53000
攻撃力:5000
防御力:7100
速力:410
魔法適応力:3100
魔法属性:火
所持アビリティ:《龍の威厳》、《状態異常軽減》
ーブルードラゴンー
Lv:139
生命力:24000
魔力:79000
攻撃力:6100
防御力:3900
速力:850
魔法適応力:4600
魔法属性:水、氷
所持アビリティ:《龍の威厳》、《状態異常軽減》
相変わらず、ドラゴンに相応しいレベルとステータスである。
「レッドドラゴンがレベル146で固いです。ブルードラゴンはレベル139で速さと魔法に注意です」
優人がそう言うと
「なら先にブルードラゴンから仕留めましょうか」
アスカさんはそう言って、優人の目の前からジャンプした。軽くジャンプしたように見えてドラゴン達よりも高く飛び上がり空中で一旦停止してから、空中を蹴りもの凄い速さでブルードラゴンに接近して、両手に持った双剣で斬りつけた。
「確かに、剣は通りますね」
ドラゴンを斬りつけてから地面に軽やかに降り立ち、斬りつけた感触の感想を言った。
ブルードラゴンは怒り狂い、あたり一面に氷の魔法をばらまいた。
「もう何度も見たぞ、その魔法」
ブルードラゴンはこれまで3体現れて、全てのブルードラゴンは氷の魔法を使ってきた。
「とりあえず、地面に落ちろ。サンダーショット」
当初は、勇者の証であるらしい雷魔法を不特定多数の前で使うつもりはなかったが、ドラゴンを倒す途中でそうも言っていられなくなり、一度使い、それからはもう隠すこともせずにバンバン使い、優人の雷魔法はドラゴン討伐の中でも重要な攻撃手段となりD-ランクの冒険者の扱いではなかった。
しかし、ドラゴンを倒して手に入る経験値は莫大で優人は、レベルがすごい勢いで上がった。
ー河井 優人ー
Lv:79
生命力:8945/10500
魔力:26490/40000
攻撃力:2700
防御力:3100
速力:860
魔法適応力:5200
魔法属性:雷、風、草
ほぼアスカさんのステータスを上回り始めて、当初は見えなかったアスカさんの動きも段々と分かるようになった。
優人の雷魔法でブルードラゴンの羽を打ち抜き、地面に落とすと周りの冒険者達が一斉に落ちたブルードラゴンに攻撃を加えて、ブルードラゴンを討伐した。
「では、こちらもお願いしますよ」
ゴーレンさんがそう言って、一緒にレッドドラゴンを抑えていた氷の結界を解いた。
動きを封じ込められていたレッドドラゴンは強烈なブレスをゴーレンさんに放ったが、水魔法で勢いを殺し周りの冒険者達の手助けで、ブレスを防いだ。
「サンダーマグナム」
威力の高い雷魔法でレッドドラゴンの目標を自分に変えて、どんどん魔力を気にせずに雷魔法を打ち込んでいった。
「これで、終わりだ。サンダーボルト」
レッドドラゴンに無数の落雷が落ちて、レッドドラゴンの生命力を6割ほど削った。
「レッドドラゴンは固いな。他のドラゴンだとこれで死んだりもするのに」
そうして、2体のドラゴンを倒して、次に備えて休憩していると
レベル5のダンジョンに繋がる門が開いた。
「攻略組が戻ってきたぞ」
前線基地の誰かがそう言った。しかし、門から出てきた攻略組の表情を見て、攻略の失敗を悟った。
その中に、デロックさんとナセルさんがいた。
「そんなに手強いダンジョンマスターだったんですか?」
優人が尋ねると
「ああ、ダンジョンマスターが勇者の試練になっていた」
勇者の試練、その言葉を聞いて優人は不安を覚えた。
ようやく、薄っすらと日が出はじめた頃、レベル5のダンジョン攻略のための前線基地は死屍累々といった有様だった。
昨夜から始まった。竜呼振動によって集まるドラゴン達を討伐、当初は前線基地にいる冒険者達も元気が良かったが、集まるドラゴン達もピンからキリまでいたが、どのドラゴンも頑丈で生命力にも満ち溢れブレスや爪や牙による攻撃も恐ろしい威力を持っていた。
AランクにBランクの冒険者でも上位の者達だったが、徐々に疲労があらわれミスも多くなり、ドラゴンの攻撃をくらって戦線を離脱する者が徐々に増えていった。
「ようやく、日が白み始めてきましたね」
優人が、ドラゴンの血を浴びて汚れながらも、何とかドラゴンを倒していた。
「そうですね、この位置だと港町ナダムの衛星都市が一番近いですが、それでも早く着いて今やっと着いた頃でしょう。応援はまだまだ先ですね」
アスカさんは、鎧姿で両手に双剣を持ち、その高いレベルに見合った戦果をあげていた。
「こうなると、デロック達が一刻も早くダンジョンマスターを討伐して、竜呼振動を止めていただくのが一番ですね」
ゴーレンさんもいつもの涼しい表情ではなく少し疲労が見える。
優人としては、此処でドラゴン討伐をする義理はないが、今ここで前線基地を離れるのも寝覚めが悪い。
「けど、流石にドラゴンが4体同時に来た時は死ぬかと思いました」
「そうですね、あれを乗り越えたら数時間に1体ほどのペースになりましたからね」
竜呼振動が発生してから最初は1時間に2体ほどドラゴンが来襲したが、2時間前に同時に4体来襲したが、その後は来襲するペースが落ち着いた。
「しかし、今の2体でこれまで、あらわれたドラゴンは15体ですね」
現れたドラゴンは、体が大きく羽が4枚のレッドドラゴンと細身で動きの速そうなブルードラゴンだった。
ーレッドドラゴンー
Lv:146
生命力:31000
魔力:53000
攻撃力:5000
防御力:7100
速力:410
魔法適応力:3100
魔法属性:火
所持アビリティ:《龍の威厳》、《状態異常軽減》
ーブルードラゴンー
Lv:139
生命力:24000
魔力:79000
攻撃力:6100
防御力:3900
速力:850
魔法適応力:4600
魔法属性:水、氷
所持アビリティ:《龍の威厳》、《状態異常軽減》
相変わらず、ドラゴンに相応しいレベルとステータスである。
「レッドドラゴンがレベル146で固いです。ブルードラゴンはレベル139で速さと魔法に注意です」
優人がそう言うと
「なら先にブルードラゴンから仕留めましょうか」
アスカさんはそう言って、優人の目の前からジャンプした。軽くジャンプしたように見えてドラゴン達よりも高く飛び上がり空中で一旦停止してから、空中を蹴りもの凄い速さでブルードラゴンに接近して、両手に持った双剣で斬りつけた。
「確かに、剣は通りますね」
ドラゴンを斬りつけてから地面に軽やかに降り立ち、斬りつけた感触の感想を言った。
ブルードラゴンは怒り狂い、あたり一面に氷の魔法をばらまいた。
「もう何度も見たぞ、その魔法」
ブルードラゴンはこれまで3体現れて、全てのブルードラゴンは氷の魔法を使ってきた。
「とりあえず、地面に落ちろ。サンダーショット」
当初は、勇者の証であるらしい雷魔法を不特定多数の前で使うつもりはなかったが、ドラゴンを倒す途中でそうも言っていられなくなり、一度使い、それからはもう隠すこともせずにバンバン使い、優人の雷魔法はドラゴン討伐の中でも重要な攻撃手段となりD-ランクの冒険者の扱いではなかった。
しかし、ドラゴンを倒して手に入る経験値は莫大で優人は、レベルがすごい勢いで上がった。
ー河井 優人ー
Lv:79
生命力:8945/10500
魔力:26490/40000
攻撃力:2700
防御力:3100
速力:860
魔法適応力:5200
魔法属性:雷、風、草
ほぼアスカさんのステータスを上回り始めて、当初は見えなかったアスカさんの動きも段々と分かるようになった。
優人の雷魔法でブルードラゴンの羽を打ち抜き、地面に落とすと周りの冒険者達が一斉に落ちたブルードラゴンに攻撃を加えて、ブルードラゴンを討伐した。
「では、こちらもお願いしますよ」
ゴーレンさんがそう言って、一緒にレッドドラゴンを抑えていた氷の結界を解いた。
動きを封じ込められていたレッドドラゴンは強烈なブレスをゴーレンさんに放ったが、水魔法で勢いを殺し周りの冒険者達の手助けで、ブレスを防いだ。
「サンダーマグナム」
威力の高い雷魔法でレッドドラゴンの目標を自分に変えて、どんどん魔力を気にせずに雷魔法を打ち込んでいった。
「これで、終わりだ。サンダーボルト」
レッドドラゴンに無数の落雷が落ちて、レッドドラゴンの生命力を6割ほど削った。
「レッドドラゴンは固いな。他のドラゴンだとこれで死んだりもするのに」
そうして、2体のドラゴンを倒して、次に備えて休憩していると
レベル5のダンジョンに繋がる門が開いた。
「攻略組が戻ってきたぞ」
前線基地の誰かがそう言った。しかし、門から出てきた攻略組の表情を見て、攻略の失敗を悟った。
その中に、デロックさんとナセルさんがいた。
「そんなに手強いダンジョンマスターだったんですか?」
優人が尋ねると
「ああ、ダンジョンマスターが勇者の試練になっていた」
勇者の試練、その言葉を聞いて優人は不安を覚えた。
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