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第24話
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朝いつもよりも随分早くに眼を覚まして、二度寝をしようとしたが寝付けず、宿屋の中にある井戸に行き顔を洗おうとした。
「けどこの宿、いいお値段がしたけど値段にあうだけのベッドとか調度品だったな」
井戸に近づくと、どうやら先客がいるそうだ
井戸を見てみると上半身裸のアスカさんの背中が見えた。
その煽情的な背中から腰にかけてのライン、握手した時にも思ったが、遠くから見ても分かるが凄く白くて綺麗な肌だった。
思わず、その場でアスカさんを見続けていると肩ごしに振り返り、ガン見していた優人と目があった。
「おはよう、ユート君」
「うわっと、えっと、お、おはようございますアスカさん。すいませんジッと見ていてしまって」
アスカさんに挨拶され、優人は慌てふためき挨拶をしながら後ろを向いた。
「そんなところで、立ってないでこっちに来なよ。井戸を使いにきたんでしょう?」
そう言われて、優人は口の中で「いや、でも」と呟いたが、その色香に誘われフラフラと井戸に近づいていった。
「けれど、今朝はいい天気になりそうだね」
タオルで胸を隠しながら、アスカさんが話しかけてきた。この見えそうで見えないギリギリのところ
「あの、何で上半身裸なんですか」
優人は天気の話題より、現状の確認を行った。
「いつも、大体今ほどの時間に起きているからね、けれどもする事も無いから、体を清めようとおもってね。ユート君も早いね」
「いえ、今日は何だか早く目が覚めて」
優人の視線はアスカさんの胸元にほぼ集約される。
「ユート君、男性の胸を見ても興奮するの?」
アスカさんが、そう言って小悪魔的な笑みを見せた。
「えっ、はい、そうですね・・・えっ男性の胸?」
「だって、さっきからずっと私の胸をみてるじゃないか。だからそっちの趣味があるのかなと思って、でも私はダメだよ故郷に妻がいるからね」
優人は、あまりの真実に目を見開き、呼吸が浅く早くなり、言葉が口を出た。
「男、男性だったんですか」
「そうだよ、アスカって男性の名前でしょ、勇者だった御先祖様がアスカという名前で、時折勇者様にあやかってその名前をつけるんだ」
優人の頭の中に某ツンデレキャラがよぎったが、この世界ではアスカとは男性名らしい
「そうなんですか、ハハハハハ」
朝から、衝撃の事実に出くわして、目の前の金髪人妻エルフだと思っていた人が、実は男だったなんて、世の中の不条理に心の中で優人は泣いた。
そして、優人が衝撃を受けている場所にゴーレンさんも現れた。
「おはようございますユート君、アスカ、おやユート君はどうしたんですか、そんな驚いた表情を浮かべて」
「おはようございますゴーレンさん、どうやらユート君は私の事を女性だと思っていたそうで」
「ああ、昨日は皆さん顔馴染みだったから、男性であると分かっていましたからね」
「そうだね、昔はよく間違われていたけど、この歳になってもまだ間違えられるとは思いませんでした」
2人が、笑いあっていると。ようやく優人は再起動した。
「けれど、見た目は完全に女性ですよね、声も女性の中でも少し低いぐらいで喉仏も出てないですし」
「アスカは元王国の王国騎士団第一師団の師団長だった人物でついた二つ名が[麗しの騎士]でしたからね」
「改めてそう呼ばれると恥ずかしいですね」
片頬に手を当てて首を傾げて頬を染める人が男性だなんて、そしてそんな姿が凄く様になっている人が男だなんて
「さて、顔を洗ったら朝食を食べて、アスカの馬車に乗るために冒険者ギルドに行かないといけませんね」
「そうですね」
そう言って、アスカさんの体が光に包まれて昨日のパロンさんのレストランでも見た白いローブを纏った。
そうして、3人で朝食を食べたあと
冒険者ギルドに行って、追加で1人ナダムの町までの乗り合い馬車の乗り合い証を手に入れた。
「ナダムの町へ向かう馬車は、予定が早まり昼前に出発する事になりました。乗り遅れないようにご注意ください」
冒険者ギルドの受付嬢にそう言われて、3人は頷いた。
しかし、優人は目の前の受付嬢を見たが、確かに美人ではあったが、アスカさんに比べたら見劣りした。男性と比べて見劣ると、考えた時点で目の前の受付嬢に失礼だったが。
「さて、もう後ちょっとで出発の時間だ。もう馬車に向かおうか」
そして、馬車の乗り合い場所に向かい、馬車に乗り込んだ。
ここまでの乗り合い馬車には、優人とゴーレンさんの2人だけだったのに、冒険者用の馬車に入ると中には他にも冒険者の人達がいた。
「混んでますね」
「そうだね、詰めて座ろうか」
そうして、アスカさん、優人、ゴーレンさんの順番で馬車の長椅子に並んで座った。
隣に座るアスカさんの体温とアスカさんの香りが、男だと分かっていても優人の心を惑わした。
「もう男でも構わないかもしれない」
優人が口の中でそう呟くと
「えっ、何か言った?」
アスカさんが優人の顔を覗き込みながら聞いてきた。
「いえ、何でもないです」
優人は目を閉じて、体温と香りを覚えるために、神経を集中させた。
「けどこの宿、いいお値段がしたけど値段にあうだけのベッドとか調度品だったな」
井戸に近づくと、どうやら先客がいるそうだ
井戸を見てみると上半身裸のアスカさんの背中が見えた。
その煽情的な背中から腰にかけてのライン、握手した時にも思ったが、遠くから見ても分かるが凄く白くて綺麗な肌だった。
思わず、その場でアスカさんを見続けていると肩ごしに振り返り、ガン見していた優人と目があった。
「おはよう、ユート君」
「うわっと、えっと、お、おはようございますアスカさん。すいませんジッと見ていてしまって」
アスカさんに挨拶され、優人は慌てふためき挨拶をしながら後ろを向いた。
「そんなところで、立ってないでこっちに来なよ。井戸を使いにきたんでしょう?」
そう言われて、優人は口の中で「いや、でも」と呟いたが、その色香に誘われフラフラと井戸に近づいていった。
「けれど、今朝はいい天気になりそうだね」
タオルで胸を隠しながら、アスカさんが話しかけてきた。この見えそうで見えないギリギリのところ
「あの、何で上半身裸なんですか」
優人は天気の話題より、現状の確認を行った。
「いつも、大体今ほどの時間に起きているからね、けれどもする事も無いから、体を清めようとおもってね。ユート君も早いね」
「いえ、今日は何だか早く目が覚めて」
優人の視線はアスカさんの胸元にほぼ集約される。
「ユート君、男性の胸を見ても興奮するの?」
アスカさんが、そう言って小悪魔的な笑みを見せた。
「えっ、はい、そうですね・・・えっ男性の胸?」
「だって、さっきからずっと私の胸をみてるじゃないか。だからそっちの趣味があるのかなと思って、でも私はダメだよ故郷に妻がいるからね」
優人は、あまりの真実に目を見開き、呼吸が浅く早くなり、言葉が口を出た。
「男、男性だったんですか」
「そうだよ、アスカって男性の名前でしょ、勇者だった御先祖様がアスカという名前で、時折勇者様にあやかってその名前をつけるんだ」
優人の頭の中に某ツンデレキャラがよぎったが、この世界ではアスカとは男性名らしい
「そうなんですか、ハハハハハ」
朝から、衝撃の事実に出くわして、目の前の金髪人妻エルフだと思っていた人が、実は男だったなんて、世の中の不条理に心の中で優人は泣いた。
そして、優人が衝撃を受けている場所にゴーレンさんも現れた。
「おはようございますユート君、アスカ、おやユート君はどうしたんですか、そんな驚いた表情を浮かべて」
「おはようございますゴーレンさん、どうやらユート君は私の事を女性だと思っていたそうで」
「ああ、昨日は皆さん顔馴染みだったから、男性であると分かっていましたからね」
「そうだね、昔はよく間違われていたけど、この歳になってもまだ間違えられるとは思いませんでした」
2人が、笑いあっていると。ようやく優人は再起動した。
「けれど、見た目は完全に女性ですよね、声も女性の中でも少し低いぐらいで喉仏も出てないですし」
「アスカは元王国の王国騎士団第一師団の師団長だった人物でついた二つ名が[麗しの騎士]でしたからね」
「改めてそう呼ばれると恥ずかしいですね」
片頬に手を当てて首を傾げて頬を染める人が男性だなんて、そしてそんな姿が凄く様になっている人が男だなんて
「さて、顔を洗ったら朝食を食べて、アスカの馬車に乗るために冒険者ギルドに行かないといけませんね」
「そうですね」
そう言って、アスカさんの体が光に包まれて昨日のパロンさんのレストランでも見た白いローブを纏った。
そうして、3人で朝食を食べたあと
冒険者ギルドに行って、追加で1人ナダムの町までの乗り合い馬車の乗り合い証を手に入れた。
「ナダムの町へ向かう馬車は、予定が早まり昼前に出発する事になりました。乗り遅れないようにご注意ください」
冒険者ギルドの受付嬢にそう言われて、3人は頷いた。
しかし、優人は目の前の受付嬢を見たが、確かに美人ではあったが、アスカさんに比べたら見劣りした。男性と比べて見劣ると、考えた時点で目の前の受付嬢に失礼だったが。
「さて、もう後ちょっとで出発の時間だ。もう馬車に向かおうか」
そして、馬車の乗り合い場所に向かい、馬車に乗り込んだ。
ここまでの乗り合い馬車には、優人とゴーレンさんの2人だけだったのに、冒険者用の馬車に入ると中には他にも冒険者の人達がいた。
「混んでますね」
「そうだね、詰めて座ろうか」
そうして、アスカさん、優人、ゴーレンさんの順番で馬車の長椅子に並んで座った。
隣に座るアスカさんの体温とアスカさんの香りが、男だと分かっていても優人の心を惑わした。
「もう男でも構わないかもしれない」
優人が口の中でそう呟くと
「えっ、何か言った?」
アスカさんが優人の顔を覗き込みながら聞いてきた。
「いえ、何でもないです」
優人は目を閉じて、体温と香りを覚えるために、神経を集中させた。
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