149 / 150
第149話
しおりを挟む
「麗しき精霊よ、後ろの男や我に力を示した者達と旅をしてきて何を思った」
「お父さんと出会うまで私はただ存在しているだけだった。いつ産まれて何をしていたのかさえも忘れる程の長い長い中でお父さんは私を見つけて幸福な時間を与えてくれた。そしてみんなも私に幸せな時間を与えてくれた。今度は私がみんなに幸せを与える」
「成る程、その大きな力を他人の為に使うか」
「行く」
そうしてスノウが踏み込み女神トライへと肉弾戦を仕掛けた。女神トライも白い剣を振るうがスノウは今までみんなが戦っていた際に剣筋を見切り躱しながらカウンターの要領で拳を叩き込んでいく
「手応えがまるでない」
「当然だ神を殴るなら徳を積み精霊王になりなさい」
そして健闘虚しくスノウにも白い剣がスノウの体に突き刺さり、スノウが優人を見るとその体は白い炎に包まれて解放されると、みんなと同じ様に倒れ込まずに立ったままだった。
「お父さん頑張って」
しかし優人の目を見てそれだけ言うと膝から崩れ落ちた。
「さて魔神よ。私の役目は果たされました」
「そうだね、お疲れ様とでも言っておこう」
スノウが倒れたのを確認すると女神トライが白い剣を納めて魔神へと話しかけた。
「どういうことですか?俺はまだ戦っていませんけど」
そんな二人の会話に割って入ると、二人はこちらを見た。
「そうだね第1ゲームは優人君の勝ちってことだよ」
「第1ゲームですか?」
「今までは君にとって異世界であるダクトリムの住人達への試練だったわけだよ。そしてトライは全員に合格を与えたことで君の試練の難易度が決定したんだよ」
「どんな試練なんですか」
「そうだね何がいいだろう」
うーんとわざとらしく唸る様に声を出して、暫くして手を叩き笑顔で告げてきた。
「やっぱり僕と優人君ならばゲームでしょ」
「えっゲームですか」
「そうそう早速やろうか」
気がつけばいつも来ていた魔神の部屋にいた。女神トライやスノウにサロパスタの姿は消えていた。
「他の人達の事は大丈夫だから」
そう言って魔神は懐かしいコントローラーを差し出してきたので受け取るとテレビの前に並んで座った。
「勝ち負けをつけるなら格闘ゲームかなやっぱり」
そう言ってテレビには有名な格闘ゲームのタイトル画面が表示された。
「優人君はどのキャラが得意なの?」
「このキャラですかね」
「そのキャラは結構クセが強くないかい」
「いえ慣れたら連携も結構つながりますし」
「それじゃあ5回勝負3本先制で勝ちね」
久しぶりにコントローラーを握ったが指先の動きは結構覚えているらしく第1試合ではゲームの感覚を思い出し、2試合目からは善戦し始めた。
「まさか2連勝からの2連敗、とても熱い戦いだね」
神様は楽しそうに笑っているが、優人は真剣そのものである4戦やったからこそ分かる魔神は優人よりも格段にゲームの腕前が凄いという事が3戦目と4戦目はスキがありそこに連携が上手くハマったが、今思えばそのスキはわざとらしかった。
「じゃあ運命の第5戦目をやろうか」
5戦目は今までとは違い最初から魔神に攻め込まれたガードを使うが確実に体力を減らされていく、しかし少しだけできたスキをつき体力を五分五分に持ち込んだ勢いのまま押し切り何とか勝つことが出来た。
「おめでとう優人君の勝ちだよ」
そう言って笑う魔神の笑顔は呼び名に相応しい笑顔だった。
「お父さんと出会うまで私はただ存在しているだけだった。いつ産まれて何をしていたのかさえも忘れる程の長い長い中でお父さんは私を見つけて幸福な時間を与えてくれた。そしてみんなも私に幸せな時間を与えてくれた。今度は私がみんなに幸せを与える」
「成る程、その大きな力を他人の為に使うか」
「行く」
そうしてスノウが踏み込み女神トライへと肉弾戦を仕掛けた。女神トライも白い剣を振るうがスノウは今までみんなが戦っていた際に剣筋を見切り躱しながらカウンターの要領で拳を叩き込んでいく
「手応えがまるでない」
「当然だ神を殴るなら徳を積み精霊王になりなさい」
そして健闘虚しくスノウにも白い剣がスノウの体に突き刺さり、スノウが優人を見るとその体は白い炎に包まれて解放されると、みんなと同じ様に倒れ込まずに立ったままだった。
「お父さん頑張って」
しかし優人の目を見てそれだけ言うと膝から崩れ落ちた。
「さて魔神よ。私の役目は果たされました」
「そうだね、お疲れ様とでも言っておこう」
スノウが倒れたのを確認すると女神トライが白い剣を納めて魔神へと話しかけた。
「どういうことですか?俺はまだ戦っていませんけど」
そんな二人の会話に割って入ると、二人はこちらを見た。
「そうだね第1ゲームは優人君の勝ちってことだよ」
「第1ゲームですか?」
「今までは君にとって異世界であるダクトリムの住人達への試練だったわけだよ。そしてトライは全員に合格を与えたことで君の試練の難易度が決定したんだよ」
「どんな試練なんですか」
「そうだね何がいいだろう」
うーんとわざとらしく唸る様に声を出して、暫くして手を叩き笑顔で告げてきた。
「やっぱり僕と優人君ならばゲームでしょ」
「えっゲームですか」
「そうそう早速やろうか」
気がつけばいつも来ていた魔神の部屋にいた。女神トライやスノウにサロパスタの姿は消えていた。
「他の人達の事は大丈夫だから」
そう言って魔神は懐かしいコントローラーを差し出してきたので受け取るとテレビの前に並んで座った。
「勝ち負けをつけるなら格闘ゲームかなやっぱり」
そう言ってテレビには有名な格闘ゲームのタイトル画面が表示された。
「優人君はどのキャラが得意なの?」
「このキャラですかね」
「そのキャラは結構クセが強くないかい」
「いえ慣れたら連携も結構つながりますし」
「それじゃあ5回勝負3本先制で勝ちね」
久しぶりにコントローラーを握ったが指先の動きは結構覚えているらしく第1試合ではゲームの感覚を思い出し、2試合目からは善戦し始めた。
「まさか2連勝からの2連敗、とても熱い戦いだね」
神様は楽しそうに笑っているが、優人は真剣そのものである4戦やったからこそ分かる魔神は優人よりも格段にゲームの腕前が凄いという事が3戦目と4戦目はスキがありそこに連携が上手くハマったが、今思えばそのスキはわざとらしかった。
「じゃあ運命の第5戦目をやろうか」
5戦目は今までとは違い最初から魔神に攻め込まれたガードを使うが確実に体力を減らされていく、しかし少しだけできたスキをつき体力を五分五分に持ち込んだ勢いのまま押し切り何とか勝つことが出来た。
「おめでとう優人君の勝ちだよ」
そう言って笑う魔神の笑顔は呼び名に相応しい笑顔だった。
0
お気に入りに追加
466
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる