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プロローグ
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西暦2016年3月7日、この日地球上の全世界で日本時間で言えば午後2時21分の同時刻に人が光に包まれて消えるという事件があった。
消えた場所は、自宅のベッドの上であったり、勤務している職場のデスク、または乗っていた飛行機の中であったりした。
老若男女、人種も職種も何もかもバラバラであり、唯一の共通点と言えるのかどうかは分からないが、消えた人々は全員それまで大きな怪我や病気になったことがないということだった。
この事件に全世界は、恐怖し原因不明の消失現象を誰かが呼んだ[37の光事件]という名称が定着した。
国連は全世界の国連加盟国に自国の[37の光事件]に巻き込まれたと思われる人数を確認させて統計を取ると、全世界で約100万人の人物が事件に巻き込まれた可能性があると発表した。
この事件は全世界の過激派宗教テログループが自らが信じる神が引き起こした天罰であると声明を出したり中には電車や車を運転していた人が、この事件に巻き込まれたことが原因のよる事故で被害者が裁判を起こしたりと、様々な[37の光事件]に連なる事件が起きた。
そして[37の光事件]が起きた日から、丁度2年が経った2018年、またもや世界が震撼した。
[37の光事件]に巻き込まれて消失した人物が、突如として消えた場所に現れたのだ。
現れた人々は全世界で152人、世界中の事件に巻き込まれた被害者家族は消失したと思われた人々が再び現れたという事実に歓喜した。
戻ってきた人々は大なり小なり傷があり身体の一部を欠損していたりもしていた。再び現れた人々は帰還を喜びながらも全員が同じことを言った。
「私達は異世界に行って、その世界を魔王の手から救ったのだ」
彼らが言うには、自分たちは魔王を討伐し神からの恩恵で地球に戻ってくることができたのだと。
異世界に行ったという人々は全員が、地球の力学や生物の構造上では不可能な身体能力や魔法と呼ばれる火や水や風や土などを自由自在に操った。
さらに彼等が持ち込んだ《アイテムボックス》と呼ばれるものの中に入っていた物は、現代科学では考え及ばない物質や薬品があり、それらは科学の発展に多くの功績に寄与し、今まで救えなかった難病患者を治療し数多の問題を解決した。
世界中の国々やマスメディアは、彼らを勇者や英雄だと賞賛した。
しかし彼等、勇者と呼ばれた人々は全員が幸せにはなれなかった。
それは、彼等が事件を起こしたからである。
例えば、ある欧州の男性の勇者は結婚していた妻が勇者の自宅で不義をしていた事を知り、怒りに身を任せ妻と浮気相手の男性を魔法の業火で骨一つ残さないほどに焼き尽くした。
あるアフリカの男性の勇者は、自国が紛争中であり自身の能力を使い内乱を終結させて、自らが王となり独裁国家を樹立させた。
けれども彼等を処罰する事は出来なかった。彼等勇者を捕まえように捕まえるには他の勇者である彼等勇者どうしではないと手が出せず。捕らえておく場所もなかった。
そんな彼等を裁くために他国が自国の勇者を派遣するのを躊躇い、頼む事も出来なかった。
そうして世界は力を持った勇者がいる国が幅をきかせるようになり、世界のバランスが崩れていった。
勇者達が異世界より帰還して、3年が経った2021年、またもや[37の光事件]の被害者が異世界より帰還した。
新たに地球に帰還した者は1811人
その内訳は[37の光事件]の被害者だけではなかった。彼等は一人だけでは無く、勇者達の話の中にも登場していた。獣人やエルフ、ドワーフ、巨人に小人に妖精まで、ファンタジーな種族と一緒に帰還したのだ。
彼等は魔王を討伐したのではなく神からの試練を乗り越えたり、神の要望を叶えたことによる恩恵で異世界で一緒だった仲間達と一緒に地球に帰還したのだと言った。
世界は新たな勇者達の帰還、そして最初に帰還をしていた勇者達の話でしか確認が出来なかった未知の種族との邂逅に驚きながらも受け入れた。
世間は最初に帰還した勇者達を第一世代勇者、そして今回の勇者達を第二世代勇者と呼んだ。
しかし、彼等もまた地球に帰還して困難に直面した。
人間と似ているようで、若干違う容姿を持つ異種族の彼等を一部の過激な宗教の派閥に属するもの達が、その存在を否定するテロを起こし、彼等を迫害し、害を与えようとした。
また一部の科学者が異種族を利用した非人道的な研究を推し進めようとところ、第二世代の勇者が反発し大規模な争いが勃発し、多くの血が流れた。
勇者や異種族は世界の有り様を大きく変えすぎ、普通の人々は自身にないその身体能力や魔法に対する思いが羨望の念から大きな畏怖に代わり、恐怖を抱くようになってきた。
そんな不安定な世界情勢の中、2023年、国連のある研究機関がとある発表をした。
勇者達では無くてもその常識離れした身体能力や魔法を操る異能力を身につける事が出来るということを発表したのである。
その方法とは、異世界と地球を繋げ、異世界の環境を地球に再現すれば良いという方法である。
異世界にもう一度行きたいと願う勇者達が研究者達と共同で異世界へ渡る為の研究に尽力した。
その結果、人は通れないが片手なら通ることができる門が完成した。世界を移動できるようになると研究者達に変化があった。
今まで見てきた勇者達の異能力を規模や能力が弱いながらも使えるようになったのである。
それらの成果を纏め上げて、発表すると全世界で異世界との移動方法[ワープゲート]を人が通れるようになるまで大きくする研究が推し進められたワープゲート計画の発表から世界は、国の枠組みを取り払いながら研究を進めた。
そして、[ワープゲート]研究が全世界を上げて進め始めてから6年後の2029年、遂に[ワープゲート]が完成した。
研究結果である[ワープゲート]をどこに設置するかで世界は揉めた。勇者達の話では、モンスターがいるが異世界の技術は中世の時代に近く、所々が魔法による技術で発展しているが、手付かずのまま知られていない資源があるという話であった。
それを手に入れることが出来れば、莫大な国の利益になり、そのためには他の国よりも早く見つける必要性があるからだ。
そのために自国にワープゲートを設置する事は、異世界での活動に関して優位性が格段に跳ね上がる。
幾つもの国々の思惑が絡み、国連の常任理事国である5ヶ国アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国に同時に設置して[ワープゲート]を起動するということに決まった。
しかし、日本、ドイツ、インド、ブラジル、オーストラリアの5ヶ国は、自国に数多くの勇者を抱えており、自国にも[ワープゲート]を設置するよう求めたが、安全面など様々な理由をつけられて保留となった。
[37の光事件]から15年後の2031年3月7日、この日に[ワープゲート]の5ヶ国で同時に起動すると決められた。
[ワープゲート]起動当日、異世界にてまだ帰還を果たしていない自国民の救出という名目で、5ヶ国は自国の軍隊を異世界に送り込むことを決めた。
投入される軍隊には、第一世代、第二世代の勇者達も組み込まれ、軍隊の装備も異世界仕様に変更されていた。
そして、遂に全世界で同じ時間に軍隊を突入させた。
そして、5ヶ国は崩壊した。
突入して、1時間後に設置された[ワープゲート]から第一世代の勇者の死体が出てきた。
魔族の侵攻である。他の4ヶ国の[ワープゲート]からも続々と魔族が地球に侵攻した。[ワープゲート]の起動という一大イベントであったため各国の首脳や大統領など重要人物が勢ぞろいしていたが、皆殺されてしまった。
魔族は[ワープゲート]設置場所を拠点として、そこを中心として他国に侵攻を始めた。
各国の軍隊の異世界仕様対応していない武器では魔族に傷を負わせることができず。異世界仕様の武器は数が少なすぎて、結局魔族に対応できるのは勇者達だけであった。
しかし異世界から地球に戻り戦闘からは離れていた勇者達には魔族との戦闘は荷が重かった。幾人もの勇者や異種族達が死に、世界の様々な所で戦争が勃発して徐々に人間は追いやられていった。
そして、2032年の戦争で荒廃しきった世界に新たな勇者達が地球に帰還した。
彼等はすぐさま魔族に対して反攻作戦を実施し瞬く間に魔族を打ち倒していった。
新たに現れた勇者達は第三世代勇者と呼ばれて当初は59人だったのが、続々とその数は増えていき最終的に第三世代の勇者は329人になり、第三世代勇者が現れて、1ヶ月後には5箇所の[ワープゲート]を魔族から奪い返し、魔族の討伐終了を宣言した。
こうして、世界は一時的に魔族の脅威から解放された。しかし、この時点で幾つかの国は滅亡し、人類の人口も2分の1にまで減少した。
世界を救った第三世代の勇者達は第一世代と第二世代の勇者達とは隔絶した能力を持っており、彼等は[ワープゲート]を使用せずとも異世界と地球を行き来することが可能であり、彼等がその能力を手にしたのは邪神を打ち倒して、自らが神に近い存在になったからだと言った。
こうして世界は異世界というものが自分たちの力では及ばないということを認識した。
しかし魔族が侵攻している間も[ワープゲート]は開いたままが原因で、全世界の3割の人は異能に目覚めてまた第一世代と第二世代の勇者達の子供達もまた異能の能力を持って生まれた。
こうしたことから、全世界で異能の能力を正しく使うための教育機関を設立することが重要であると決められた。
そうして生き残った第一世代や第二世代の勇者達や第三世代の勇者達が教員として力の使い方を教えるという事になり、各国は自国の勇者達に要請し勇者が自国にいない国は、勇者が在籍する国に統合されたりしたが、そこでも大きな紛争はおきなかった。人類同士で争うにはまだ各国は力が回復していなかった。
世界は大きく変容し国連常任理事国だった5ヶ国は海外にいた国民を除いて、本国は魔族に蹂躙され続けた影響で生存者はいたが国としての機能を果たすことが出来ない状態であった。
5ヶ国の領土は国連の機能が停止した現状では無政府状態のまましばらく放置するということに決まった。ワープゲートは閉じたとはいえ多くのモンスターや魔族が存在する領土をどの国も敬遠しただけだとも言える。
そして、疲弊しきった世界中の国の中でも日本も魔族の侵攻を受けたが、本土での戦いにはならず領土外の太平洋上での戦闘になり、珍しく傷の少ない国となった。
そして、勇者の数も異種族の数も日本が一番多くなり、異能力を教えるための学校はまず第一に日本で開かれることになった。
そして、日本で異能力を教える教育場所、異能力学園第一校が2038年に全世界初の教育機関が誕生した。それに合わせて日本では魔族に対するためとして、幾つかの憲法を改憲し法律も整備し直した。圧倒的な脅威を実感したことにより野党も協力した憲法改定となった。
元々は教育者ではなかった勇者達だったがトライアンドエラーを繰り返し徐々に、教育機関として形になり、教育方法の確立も行われていった。
そうしてモデル校としての役割を果たして全世界に似た教育機関が設置された。
全世界で開かれた教育機関だったがやはり日本の教育機関が何にも置いて他国よりも優れていたため、各国から留学生を受け入れるようになっていった。
異能力学園第一校が東京都に、第二校が宮城県に、第三校が京都府に、第四校が石川県に、第五校が熊本県に出来た。
各学園では各世代の勇者達による指導で異能力に目覚めた学生のより一層の異能力の強化のために、崩壊した5ヶ国から回収した[ワープゲート]がそれぞれの学園の中央に設置された。
国内は元より国外からも大きな反対運動が起きたが、勇者達が尽力して[ワープゲート]を起動した。
学園には勇者達による前回の反省も生かした強靭な結界が貼られたことにより、前回のような魔族の侵攻もなく[ワープゲート]の慎重な運用を行なった。
そして各学園の周りには、国内国外を問わない様々な企業が集まり、大規模な学園都市と呼ばれるものが出来た。
時が進み2115年、異能力学園第四校に入学する男がいた。
消えた場所は、自宅のベッドの上であったり、勤務している職場のデスク、または乗っていた飛行機の中であったりした。
老若男女、人種も職種も何もかもバラバラであり、唯一の共通点と言えるのかどうかは分からないが、消えた人々は全員それまで大きな怪我や病気になったことがないということだった。
この事件に全世界は、恐怖し原因不明の消失現象を誰かが呼んだ[37の光事件]という名称が定着した。
国連は全世界の国連加盟国に自国の[37の光事件]に巻き込まれたと思われる人数を確認させて統計を取ると、全世界で約100万人の人物が事件に巻き込まれた可能性があると発表した。
この事件は全世界の過激派宗教テログループが自らが信じる神が引き起こした天罰であると声明を出したり中には電車や車を運転していた人が、この事件に巻き込まれたことが原因のよる事故で被害者が裁判を起こしたりと、様々な[37の光事件]に連なる事件が起きた。
そして[37の光事件]が起きた日から、丁度2年が経った2018年、またもや世界が震撼した。
[37の光事件]に巻き込まれて消失した人物が、突如として消えた場所に現れたのだ。
現れた人々は全世界で152人、世界中の事件に巻き込まれた被害者家族は消失したと思われた人々が再び現れたという事実に歓喜した。
戻ってきた人々は大なり小なり傷があり身体の一部を欠損していたりもしていた。再び現れた人々は帰還を喜びながらも全員が同じことを言った。
「私達は異世界に行って、その世界を魔王の手から救ったのだ」
彼らが言うには、自分たちは魔王を討伐し神からの恩恵で地球に戻ってくることができたのだと。
異世界に行ったという人々は全員が、地球の力学や生物の構造上では不可能な身体能力や魔法と呼ばれる火や水や風や土などを自由自在に操った。
さらに彼等が持ち込んだ《アイテムボックス》と呼ばれるものの中に入っていた物は、現代科学では考え及ばない物質や薬品があり、それらは科学の発展に多くの功績に寄与し、今まで救えなかった難病患者を治療し数多の問題を解決した。
世界中の国々やマスメディアは、彼らを勇者や英雄だと賞賛した。
しかし彼等、勇者と呼ばれた人々は全員が幸せにはなれなかった。
それは、彼等が事件を起こしたからである。
例えば、ある欧州の男性の勇者は結婚していた妻が勇者の自宅で不義をしていた事を知り、怒りに身を任せ妻と浮気相手の男性を魔法の業火で骨一つ残さないほどに焼き尽くした。
あるアフリカの男性の勇者は、自国が紛争中であり自身の能力を使い内乱を終結させて、自らが王となり独裁国家を樹立させた。
けれども彼等を処罰する事は出来なかった。彼等勇者を捕まえように捕まえるには他の勇者である彼等勇者どうしではないと手が出せず。捕らえておく場所もなかった。
そんな彼等を裁くために他国が自国の勇者を派遣するのを躊躇い、頼む事も出来なかった。
そうして世界は力を持った勇者がいる国が幅をきかせるようになり、世界のバランスが崩れていった。
勇者達が異世界より帰還して、3年が経った2021年、またもや[37の光事件]の被害者が異世界より帰還した。
新たに地球に帰還した者は1811人
その内訳は[37の光事件]の被害者だけではなかった。彼等は一人だけでは無く、勇者達の話の中にも登場していた。獣人やエルフ、ドワーフ、巨人に小人に妖精まで、ファンタジーな種族と一緒に帰還したのだ。
彼等は魔王を討伐したのではなく神からの試練を乗り越えたり、神の要望を叶えたことによる恩恵で異世界で一緒だった仲間達と一緒に地球に帰還したのだと言った。
世界は新たな勇者達の帰還、そして最初に帰還をしていた勇者達の話でしか確認が出来なかった未知の種族との邂逅に驚きながらも受け入れた。
世間は最初に帰還した勇者達を第一世代勇者、そして今回の勇者達を第二世代勇者と呼んだ。
しかし、彼等もまた地球に帰還して困難に直面した。
人間と似ているようで、若干違う容姿を持つ異種族の彼等を一部の過激な宗教の派閥に属するもの達が、その存在を否定するテロを起こし、彼等を迫害し、害を与えようとした。
また一部の科学者が異種族を利用した非人道的な研究を推し進めようとところ、第二世代の勇者が反発し大規模な争いが勃発し、多くの血が流れた。
勇者や異種族は世界の有り様を大きく変えすぎ、普通の人々は自身にないその身体能力や魔法に対する思いが羨望の念から大きな畏怖に代わり、恐怖を抱くようになってきた。
そんな不安定な世界情勢の中、2023年、国連のある研究機関がとある発表をした。
勇者達では無くてもその常識離れした身体能力や魔法を操る異能力を身につける事が出来るということを発表したのである。
その方法とは、異世界と地球を繋げ、異世界の環境を地球に再現すれば良いという方法である。
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今まで見てきた勇者達の異能力を規模や能力が弱いながらも使えるようになったのである。
それらの成果を纏め上げて、発表すると全世界で異世界との移動方法[ワープゲート]を人が通れるようになるまで大きくする研究が推し進められたワープゲート計画の発表から世界は、国の枠組みを取り払いながら研究を進めた。
そして、[ワープゲート]研究が全世界を上げて進め始めてから6年後の2029年、遂に[ワープゲート]が完成した。
研究結果である[ワープゲート]をどこに設置するかで世界は揉めた。勇者達の話では、モンスターがいるが異世界の技術は中世の時代に近く、所々が魔法による技術で発展しているが、手付かずのまま知られていない資源があるという話であった。
それを手に入れることが出来れば、莫大な国の利益になり、そのためには他の国よりも早く見つける必要性があるからだ。
そのために自国にワープゲートを設置する事は、異世界での活動に関して優位性が格段に跳ね上がる。
幾つもの国々の思惑が絡み、国連の常任理事国である5ヶ国アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国に同時に設置して[ワープゲート]を起動するということに決まった。
しかし、日本、ドイツ、インド、ブラジル、オーストラリアの5ヶ国は、自国に数多くの勇者を抱えており、自国にも[ワープゲート]を設置するよう求めたが、安全面など様々な理由をつけられて保留となった。
[37の光事件]から15年後の2031年3月7日、この日に[ワープゲート]の5ヶ国で同時に起動すると決められた。
[ワープゲート]起動当日、異世界にてまだ帰還を果たしていない自国民の救出という名目で、5ヶ国は自国の軍隊を異世界に送り込むことを決めた。
投入される軍隊には、第一世代、第二世代の勇者達も組み込まれ、軍隊の装備も異世界仕様に変更されていた。
そして、遂に全世界で同じ時間に軍隊を突入させた。
そして、5ヶ国は崩壊した。
突入して、1時間後に設置された[ワープゲート]から第一世代の勇者の死体が出てきた。
魔族の侵攻である。他の4ヶ国の[ワープゲート]からも続々と魔族が地球に侵攻した。[ワープゲート]の起動という一大イベントであったため各国の首脳や大統領など重要人物が勢ぞろいしていたが、皆殺されてしまった。
魔族は[ワープゲート]設置場所を拠点として、そこを中心として他国に侵攻を始めた。
各国の軍隊の異世界仕様対応していない武器では魔族に傷を負わせることができず。異世界仕様の武器は数が少なすぎて、結局魔族に対応できるのは勇者達だけであった。
しかし異世界から地球に戻り戦闘からは離れていた勇者達には魔族との戦闘は荷が重かった。幾人もの勇者や異種族達が死に、世界の様々な所で戦争が勃発して徐々に人間は追いやられていった。
そして、2032年の戦争で荒廃しきった世界に新たな勇者達が地球に帰還した。
彼等はすぐさま魔族に対して反攻作戦を実施し瞬く間に魔族を打ち倒していった。
新たに現れた勇者達は第三世代勇者と呼ばれて当初は59人だったのが、続々とその数は増えていき最終的に第三世代の勇者は329人になり、第三世代勇者が現れて、1ヶ月後には5箇所の[ワープゲート]を魔族から奪い返し、魔族の討伐終了を宣言した。
こうして、世界は一時的に魔族の脅威から解放された。しかし、この時点で幾つかの国は滅亡し、人類の人口も2分の1にまで減少した。
世界を救った第三世代の勇者達は第一世代と第二世代の勇者達とは隔絶した能力を持っており、彼等は[ワープゲート]を使用せずとも異世界と地球を行き来することが可能であり、彼等がその能力を手にしたのは邪神を打ち倒して、自らが神に近い存在になったからだと言った。
こうして世界は異世界というものが自分たちの力では及ばないということを認識した。
しかし魔族が侵攻している間も[ワープゲート]は開いたままが原因で、全世界の3割の人は異能に目覚めてまた第一世代と第二世代の勇者達の子供達もまた異能の能力を持って生まれた。
こうしたことから、全世界で異能の能力を正しく使うための教育機関を設立することが重要であると決められた。
そうして生き残った第一世代や第二世代の勇者達や第三世代の勇者達が教員として力の使い方を教えるという事になり、各国は自国の勇者達に要請し勇者が自国にいない国は、勇者が在籍する国に統合されたりしたが、そこでも大きな紛争はおきなかった。人類同士で争うにはまだ各国は力が回復していなかった。
世界は大きく変容し国連常任理事国だった5ヶ国は海外にいた国民を除いて、本国は魔族に蹂躙され続けた影響で生存者はいたが国としての機能を果たすことが出来ない状態であった。
5ヶ国の領土は国連の機能が停止した現状では無政府状態のまましばらく放置するということに決まった。ワープゲートは閉じたとはいえ多くのモンスターや魔族が存在する領土をどの国も敬遠しただけだとも言える。
そして、疲弊しきった世界中の国の中でも日本も魔族の侵攻を受けたが、本土での戦いにはならず領土外の太平洋上での戦闘になり、珍しく傷の少ない国となった。
そして、勇者の数も異種族の数も日本が一番多くなり、異能力を教えるための学校はまず第一に日本で開かれることになった。
そして、日本で異能力を教える教育場所、異能力学園第一校が2038年に全世界初の教育機関が誕生した。それに合わせて日本では魔族に対するためとして、幾つかの憲法を改憲し法律も整備し直した。圧倒的な脅威を実感したことにより野党も協力した憲法改定となった。
元々は教育者ではなかった勇者達だったがトライアンドエラーを繰り返し徐々に、教育機関として形になり、教育方法の確立も行われていった。
そうしてモデル校としての役割を果たして全世界に似た教育機関が設置された。
全世界で開かれた教育機関だったがやはり日本の教育機関が何にも置いて他国よりも優れていたため、各国から留学生を受け入れるようになっていった。
異能力学園第一校が東京都に、第二校が宮城県に、第三校が京都府に、第四校が石川県に、第五校が熊本県に出来た。
各学園では各世代の勇者達による指導で異能力に目覚めた学生のより一層の異能力の強化のために、崩壊した5ヶ国から回収した[ワープゲート]がそれぞれの学園の中央に設置された。
国内は元より国外からも大きな反対運動が起きたが、勇者達が尽力して[ワープゲート]を起動した。
学園には勇者達による前回の反省も生かした強靭な結界が貼られたことにより、前回のような魔族の侵攻もなく[ワープゲート]の慎重な運用を行なった。
そして各学園の周りには、国内国外を問わない様々な企業が集まり、大規模な学園都市と呼ばれるものが出来た。
時が進み2115年、異能力学園第四校に入学する男がいた。
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