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第1章 学園1年生前期
能力計測
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・4月2日(火曜日)
「皆おはよう、今日は予定通り能力測定の予定だけどその前に昨日授業の後で質問された事をみんなにも伝えておこう」
第四学園情報収集クラブの見学会の翌日、朝礼を行う教室で手塚先生がディスプレイを操作して説明を始める。
「試験月ですが試験の種類によっては一週間程かかるものもありますので一月を丸ごと試験期間と予定が組まれています。中間試験は任意でありますが受けておいた方が進級の際に良いので受けてくださいね」
次々と手塚先生の説明を聞いていたが、全ての内容は生徒手帳に記載されているので、忘れた事や聞きたいことは今回のように先生にでも生徒手帳にでもで調べる用にと言われたた。
「さて思わず話し込んでしまったが早速ステータス測定をしに多目的室へと男性は移動してください」
手塚先生が扉を開けて廊下に出たのでクラスメイト達も慌てて先生の後を追っていった。
多目的室に入ると部屋の中央に直径五十センチ程の球体があり、その横に白衣を着た方々が立っていた。
「ステータス検査はこの球体型検査機に両手を当てるだけで測定できますので順番にお願いします。簡易な結果は学生手帳に即時に反映されますので確認して下さい」
白衣の方々から説明を受けて順番に両手を当てていくが測定時間は十秒程で終了したので、早速部屋の隅で自分のステータスを確認してみると
-和田仁也-
年齢:16歳
体力:E
魔力:E
筋力:E
走力:E
異能力:未測定
最適性属性:水
生徒手帳に記されたステータスを見て仁也は言葉が出なかった。学園ではステータスをAからFまでの六段階で分けられている。ステータスの基準は測定された学生の上位十%がAランク、二十五%がBランク、五十%がCランク、七十%がDランク、九十%がEランク、そしてFランクとなるので大雑把な自身の学園内での実力が分かるらしいのだが、この結果は小さくない衝撃だった。
「おや和田君、どうかしましたか体調が優れないのですか?」
昨日、席が隣になった木村さんが柔かな表情で話しかけてきた。その人畜無害な普通のおじさんといった風情に思わずステータスが低くてショックだと喋ってしまった。
「そうですか、ほぼFしかないおじさんの言うことなので共感を得られるか分かりませんが、剛来君は魔術や武術の専門的な教育をこれまで受けられてきたんですか?」
「いえ中学生の時はバレーボール部をやっていたぐらいですけど」
「私が学生だった頃の恩師が成長をしたいならば、自身が他人とは違うという思いを捨てる事だと言っていましてね。確かに低いステータスだったかもしれませんが他の人も同じ様なステータスなのです。和田君は今回の計測結果に納得出来なくても現状をキチンと認識すれば成長していけますよ」
なんとなく木村さんが伝えたいことが理解出来た。
ごくごく平凡な家庭の生まれだったのに異能力が扱える様になり、異能学園に入学した事で家族や友人からは何処か居心地の悪い視線を投げかけられていた。
しかし家族や友人対して優越感に似た感情を抱いていたことも今思い返せば感じていたのを思い出した。
「何か感じ取れる物があれば幸いですね」
実感したことによる恥ずかしさで身悶えそうになるのを我慢していると、手塚先生が手を叩いて測定が終わった学生から教室に戻れと言うので気を紛らわせようと早足で教室へと戻った。
「いや~、青春ですね」
背後に聞こえる木村さんの呟きが秀斗の限界を崩壊させた。
「やあ和田青年、随分と憔悴しているがどうしたんだい?」
教室に戻ってからも手塚先生の話は全く耳に入ってこずに、そのまま本日も午前中で終わりだったので今日は部活見学をせずに自分の部屋へと戻ろうとした。
通学路を歩いていた所、昨日に見学をした第四学園情報収集クラブのメンバーだった小人族の男性がいた。
「小森田先輩ですよね」
「おっ名前を覚えていてくれたのか嬉しいね、その記憶力は役に立つもんだから磨いときな」
そう言いながら笑う先輩は、力無く愛想笑いを浮かべる仁也を訝しんだ。
「どうしたどうした昨日の今日でそんなに元気が無くなったみたいな顔をして、何でも相談してみな」
「いやそんな大した理由では無いので」
「なら言ってみなよクラブのメンバーは知的好奇心に溢れる奴等ばかりだからなそんな顔ををしていたら他のメンバーから関係ない事まで根掘り葉掘り聞かれちまうぜ」
そうやって目を輝かせながら聞いてくる先輩がバカバカしくて、結局元気が無い理由を喋ってしまった。
「なるほどな~、そうだな~、そりゃあ元気が無くなるよな~、分かる分かるぞ!」
大袈裟に大きく頷きながら手をポンと叩いた。
「よし打ち明けてくれた和田青年にそんな悩みをぶっ飛ばせる所に連れて行ってやるよ」
そう言って小森田先輩は歩き出して、早くついて来いと手を振った。
「皆おはよう、今日は予定通り能力測定の予定だけどその前に昨日授業の後で質問された事をみんなにも伝えておこう」
第四学園情報収集クラブの見学会の翌日、朝礼を行う教室で手塚先生がディスプレイを操作して説明を始める。
「試験月ですが試験の種類によっては一週間程かかるものもありますので一月を丸ごと試験期間と予定が組まれています。中間試験は任意でありますが受けておいた方が進級の際に良いので受けてくださいね」
次々と手塚先生の説明を聞いていたが、全ての内容は生徒手帳に記載されているので、忘れた事や聞きたいことは今回のように先生にでも生徒手帳にでもで調べる用にと言われたた。
「さて思わず話し込んでしまったが早速ステータス測定をしに多目的室へと男性は移動してください」
手塚先生が扉を開けて廊下に出たのでクラスメイト達も慌てて先生の後を追っていった。
多目的室に入ると部屋の中央に直径五十センチ程の球体があり、その横に白衣を着た方々が立っていた。
「ステータス検査はこの球体型検査機に両手を当てるだけで測定できますので順番にお願いします。簡易な結果は学生手帳に即時に反映されますので確認して下さい」
白衣の方々から説明を受けて順番に両手を当てていくが測定時間は十秒程で終了したので、早速部屋の隅で自分のステータスを確認してみると
-和田仁也-
年齢:16歳
体力:E
魔力:E
筋力:E
走力:E
異能力:未測定
最適性属性:水
生徒手帳に記されたステータスを見て仁也は言葉が出なかった。学園ではステータスをAからFまでの六段階で分けられている。ステータスの基準は測定された学生の上位十%がAランク、二十五%がBランク、五十%がCランク、七十%がDランク、九十%がEランク、そしてFランクとなるので大雑把な自身の学園内での実力が分かるらしいのだが、この結果は小さくない衝撃だった。
「おや和田君、どうかしましたか体調が優れないのですか?」
昨日、席が隣になった木村さんが柔かな表情で話しかけてきた。その人畜無害な普通のおじさんといった風情に思わずステータスが低くてショックだと喋ってしまった。
「そうですか、ほぼFしかないおじさんの言うことなので共感を得られるか分かりませんが、剛来君は魔術や武術の専門的な教育をこれまで受けられてきたんですか?」
「いえ中学生の時はバレーボール部をやっていたぐらいですけど」
「私が学生だった頃の恩師が成長をしたいならば、自身が他人とは違うという思いを捨てる事だと言っていましてね。確かに低いステータスだったかもしれませんが他の人も同じ様なステータスなのです。和田君は今回の計測結果に納得出来なくても現状をキチンと認識すれば成長していけますよ」
なんとなく木村さんが伝えたいことが理解出来た。
ごくごく平凡な家庭の生まれだったのに異能力が扱える様になり、異能学園に入学した事で家族や友人からは何処か居心地の悪い視線を投げかけられていた。
しかし家族や友人対して優越感に似た感情を抱いていたことも今思い返せば感じていたのを思い出した。
「何か感じ取れる物があれば幸いですね」
実感したことによる恥ずかしさで身悶えそうになるのを我慢していると、手塚先生が手を叩いて測定が終わった学生から教室に戻れと言うので気を紛らわせようと早足で教室へと戻った。
「いや~、青春ですね」
背後に聞こえる木村さんの呟きが秀斗の限界を崩壊させた。
「やあ和田青年、随分と憔悴しているがどうしたんだい?」
教室に戻ってからも手塚先生の話は全く耳に入ってこずに、そのまま本日も午前中で終わりだったので今日は部活見学をせずに自分の部屋へと戻ろうとした。
通学路を歩いていた所、昨日に見学をした第四学園情報収集クラブのメンバーだった小人族の男性がいた。
「小森田先輩ですよね」
「おっ名前を覚えていてくれたのか嬉しいね、その記憶力は役に立つもんだから磨いときな」
そう言いながら笑う先輩は、力無く愛想笑いを浮かべる仁也を訝しんだ。
「どうしたどうした昨日の今日でそんなに元気が無くなったみたいな顔をして、何でも相談してみな」
「いやそんな大した理由では無いので」
「なら言ってみなよクラブのメンバーは知的好奇心に溢れる奴等ばかりだからなそんな顔ををしていたら他のメンバーから関係ない事まで根掘り葉掘り聞かれちまうぜ」
そうやって目を輝かせながら聞いてくる先輩がバカバカしくて、結局元気が無い理由を喋ってしまった。
「なるほどな~、そうだな~、そりゃあ元気が無くなるよな~、分かる分かるぞ!」
大袈裟に大きく頷きながら手をポンと叩いた。
「よし打ち明けてくれた和田青年にそんな悩みをぶっ飛ばせる所に連れて行ってやるよ」
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