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別れ話の翌日
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「はぁ?別れた!」
「し~!ち~ちゃん、声が大きい!」
お昼ご飯に昨日の報告をすると、ち~ちゃんが叫んだ。
理恵ちゃんや亀ちゃん、夏美ちゃんが心配そうな顔をしている。
そんな中、最近一緒にご飯を食べるようになった石塚さんが
「良いんじゃない?別れて正解だよ。話を聞いていたら、腹が立ってきた!」
バキっと音を立てて割り箸を割ってしまう。
石塚さん以外、全員が唖然と見ていると
「そりゃあ~、好きな人に好かれたら一番だよ。でもさ、愛されて幸せじゃなくちゃダメだよ。たまちゃん、いつも泣いてるじゃない」
そう言って怒っている。
「じゃあ、田川君にするの?」
ぽつりと呟いた亀ちゃんに、私の目が点になる。
「なんでそこに田川君?」
私の質問に、亀ちゃんは俯いて
「多分、田川君はたまちゃんが好きなんだと思うんだ」
って呟いた。
私が思わず固まると
「あのね……たまちゃん」
亀ちゃんはそう呟くと
「私さ、確かに田川君が好きだよ。でもさ、田川君には幸せになって欲しいんだ。田川君がたまちゃんを好きなら、私に遠慮なんてして欲しくないんだ」
って真っ直ぐに私を見た。
「亀ちゃん……」
感動して抱き着こうとしたら、亀ちゃんの両脇に座っていた理恵ちゃんと夏美ちゃんが
「亀ーっ!良く言った~!」
そう言って抱き着いた。
すると亀ちゃんが
「だって、好きな人には笑顔で居て欲しいもん」
って泣き笑いしている。
そんな亀ちゃんを見て、私も長塚君の笑顔が大好きだった。
長塚君が笑うと、胸がギュッとなった。
ずっとずっと、隣で長塚君の笑顔を見ていたかった。
ふとそんな事を考えていると、廊下を歩く長塚君と目が合ってしまう。
すると、心臓が『ドクリ』と高鳴った。
まだ、ダメだ。
まだ、こんなに好きだ。
泣き出しそうな気持ちを抑えていると、長塚君がこちらに一歩踏み出した。
すると
「居た~!長塚君」
と、青山さんが長塚君の腕に絡み付く。
その声に、ち~ちゃんがドアに視線を向けるとギッと睨んで立ち上がり、教室のドアを音を立てて閉じた。
「し~!ち~ちゃん、声が大きい!」
お昼ご飯に昨日の報告をすると、ち~ちゃんが叫んだ。
理恵ちゃんや亀ちゃん、夏美ちゃんが心配そうな顔をしている。
そんな中、最近一緒にご飯を食べるようになった石塚さんが
「良いんじゃない?別れて正解だよ。話を聞いていたら、腹が立ってきた!」
バキっと音を立てて割り箸を割ってしまう。
石塚さん以外、全員が唖然と見ていると
「そりゃあ~、好きな人に好かれたら一番だよ。でもさ、愛されて幸せじゃなくちゃダメだよ。たまちゃん、いつも泣いてるじゃない」
そう言って怒っている。
「じゃあ、田川君にするの?」
ぽつりと呟いた亀ちゃんに、私の目が点になる。
「なんでそこに田川君?」
私の質問に、亀ちゃんは俯いて
「多分、田川君はたまちゃんが好きなんだと思うんだ」
って呟いた。
私が思わず固まると
「あのね……たまちゃん」
亀ちゃんはそう呟くと
「私さ、確かに田川君が好きだよ。でもさ、田川君には幸せになって欲しいんだ。田川君がたまちゃんを好きなら、私に遠慮なんてして欲しくないんだ」
って真っ直ぐに私を見た。
「亀ちゃん……」
感動して抱き着こうとしたら、亀ちゃんの両脇に座っていた理恵ちゃんと夏美ちゃんが
「亀ーっ!良く言った~!」
そう言って抱き着いた。
すると亀ちゃんが
「だって、好きな人には笑顔で居て欲しいもん」
って泣き笑いしている。
そんな亀ちゃんを見て、私も長塚君の笑顔が大好きだった。
長塚君が笑うと、胸がギュッとなった。
ずっとずっと、隣で長塚君の笑顔を見ていたかった。
ふとそんな事を考えていると、廊下を歩く長塚君と目が合ってしまう。
すると、心臓が『ドクリ』と高鳴った。
まだ、ダメだ。
まだ、こんなに好きだ。
泣き出しそうな気持ちを抑えていると、長塚君がこちらに一歩踏み出した。
すると
「居た~!長塚君」
と、青山さんが長塚君の腕に絡み付く。
その声に、ち~ちゃんがドアに視線を向けるとギッと睨んで立ち上がり、教室のドアを音を立てて閉じた。
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