猫被りなきみと嘘吐きな僕

古紫汐桜

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シルバーリング

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 今、僕達は、住んでいる地域の市役所に居る。
……そう、これから僕と海の結婚式が行われるのだ。

 あの日、海がアメリカに来た日に、僕は海にプロポーズされた。
久し振りに海の手料理を堪能して、一緒に洗い物を終わらせた僕は海に抱き着いた。
久し振りの海の香りに、早く触れ合いたくてキスを求める。
唇が触れ合い、海の手が僕の身体を抱き締めて、何度も角度を変えてキスを交わす。
焦ったくて自分の衣服を脱ごうとした時、海に手を止められる。
「?」
疑問の視線を向けると
「ちょっと待ってもらえますか?」
そう言われて
「俺、日本にいる間、ずっと小関さんの所でタダ働きさせてもらってたんだ。将来、弁護士になりたくて……」
そう言われて、僕は海の言葉に耳を傾ける。
「渡米が決まって最後の勤務日に、小関さんから給料が渡されたんだ。それでこれを買いました」
と言うと、ポケットから小さな箱を取り出した。そしてその箱をゆっくり開けると、中にシルバーのリングが二つ並んでいた。
「え?」
驚く僕に
「これ、プラチナです。和哉さん、結婚してくれませんか?」
そう言われたのだ。
「け……結婚って」
驚く僕に
「アメリカでは、同性婚が認められています。俺はまだ17歳なので、ちゃんと親の同意書ももらってきました」
海はそう言って僕の手を取ると、指にキスを落として
「和哉さん、俺と結婚してください」
真っ直ぐ見つめてそう言った。
僕の目から、たくさんの涙が溢れて来て、海の綺麗な顔がぼやけて見えない。
「本当に?海、本気で言っているの?」
そう呟いた僕に、海は笑顔を浮かべて
「もちろんです。和哉さん、返事は?」
真剣に見つめる海に抱き着いて
「ありがとう! 凄く、凄く嬉しいよ」
と叫んだ。
そしてゆっくりと海の顔を見上げて
「僕を……一生、海のそばに居させて下さい」
そう答えた。
僕達は見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねる。
「和哉さん、愛しています」
「海、僕も愛してるよ」
抱き合い、再び唇を重ねる。
「海……抱いて。もう、我慢出来ない」
きつく抱き着いて言うと、海が僕を抱き上げた。
ベッドに下ろされ、僕達は一分一秒も無駄にしたくなくて、キスをしながら衣類を脱ぎ捨てる。
裸で抱き合い、お互いの肌の温もりを確かめ合いながらキスを交わし、きつく抱き締められて吐息が漏れる。
海の逞しい身体が、僕の身体を包み込む。
そっと頬に触れると、海が僕に優しく微笑んで、触れた手を掴んでキスを落とす。
こんなに誰かを求めたのは、きっと初めてだと思う。
苦しいほど……狂おしいほど……、求めて止まない海の背中に手を回す。
海の唇が僕の唇に触れて、額、瞼、鼻先、両頬にキスを落とす。
「もう……絶対に離れませんよ」
海はそう囁くと、僕の首筋にキスを落とす。
唇が鎖骨からゆっくりと下へ降りて来る。
乳輪をなぞられ
「んっ……」
と声を漏らすと、海は舌で乳首を転がすように舐めると、『ジュっ』と音を立てて吸い付いた。
「はぁ……ぁ……ん……」
久し振りの刺激に、海の背中に爪を立てる。
交互に舐められ、指で弄られていると無意識に腰が揺れている。
海の腹筋に擦り付けるように腰を揺らしていると、海の指が勃ち上がった僕のモノに指を這わせた。
「ぁ……ダメ……」
弱々しい声で呟くと
「直ぐ、イっちゃそうですね。一度、出してしまいましょう」
海はそう言うと、僕の髪の毛にキスをしてから唇に海の唇を重ねる。
舌を絡められ、僕の勃ち上ったモノを激しく扱き始める。
「んっ……んんっ……んぐぅ……」
激しいキスと、僕を刺激する海の手の動きに息が上がる。
苦しくてやっと唇が離れると
「あっ……はぁ……あっ!アア!……あっ……んんっ」
口からは喘ぎ声が漏れる。
僕を扱く粘着質な水音が響き、その音が早く激しくなる。
「和哉さん……いつでもイッて良いですよ」
そう囁かれ、海の背中に爪を立てる。
「海…もう……出るぅ……!はぁ……アア!」
身体が弓のようにしなり、僕は海の手の中で果てた。
荒い呼吸をしていると、海は汚された手を僕の後孔へと持っていくと、今、僕が吐き出したモノを塗り付けた。
円を描くように指を差し込み、海の指が僕の快い場所を探る。
抜き差ししながら、前立腺に触れられて
「ぁ!……海、ダメぇ……」
イッたばかりの身体は敏感で、直ぐに反応をしてしまう。
指が増やされ、キスをされながら中をかき回される。
でも、それがもどかしくて
「海……もう、欲しい」
僕の胸を愛撫していた海の立ち上がっているモノに手で触れて、僕は懇願する。
「久し振りだから…慣らさないと…」
戸惑うように呟く海に
「良いから……お願い。もう、我慢出来ない」
そう言って、海の切っ先を自分の後孔へと導いてそっと中へ挿れるように腰を動かす。
「和哉さん、待って!」
海は慌ててそう言うと、僕の手を掴み
「そのまま挿れたら、すぐに出ちゃうから……ゆっくり、俺が挿れます」
そう言われて、海が僕の腰を抱いた。
ゆっくりと海の熱いモノが入り込んできて、先端の一番太い部分が入り込むと、一気に中へと押し入って来た。
「あっ……あぁ!」
思わず仰反ると、海が僕の喉に吸い付く。
そしてゆっくりと腰を動かし、段々と浅く深くを繰り返す。
「あ!……あぁ……っ、あん……はぁ……あっ、あっ、アア!っ……あっ……あぅ……」
ガクガクと揺れる足を見上げながら、僕の身体を揺さぶる海の顔を見上げた。
僕の顔を見つめて、ちゃんと感じているのかを確認しながら、自分も快楽に汗を流しながら感じている。
出会った頃は、まだ幼さが残っていた海の大人びた顔を見上げ、僕はこの人と共に一生生きて行くんだと心から誓った。



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