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これからの僕達
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「相馬先生!」
到着ロビーに戻ると、渚君が走り寄って来た。
あんな辞め方をしたのに、今でも僕を「先生」と呼んでくれている事に、涙が出そうになってしまう。
「途中で辞めてごめんね」
僕がそう呟くと
「先生は悪くないよ! あの、クソ兄貴のせいなんだから、気にしなくて良いから!」
と言われてしまった。
渚君の誤解をどう解こうかとも思ったが、僕が何を言っても無駄そうなので、ここは兄貴である海に全部投げる事にした。
僕が少し離れた場所で僕達を見ている海と一条夫妻に視線を送ると、渚君に手を引かれて一条夫妻の所まで引きずられるように連行された。
(この強引かは、兄弟だな……)
と思って苦笑いすると、僕は一条ご夫妻に向き直って、きちんとご挨拶をした。
すると一条さんの奥様が
「アメリカで会いましょう。お兄ちゃんの事、よろしくお願いしますね」
と言い出して、僕は慌てて海の顔を見た。
すると一条さんまで
「色々と、ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。まだ、至らない部分が多いかと思いますが、海をよろしくお願い致します」
と言って、海の頭をぐいっと手で下げさせている。
「え!あの……」
突然の事に真っ赤になると
「え? 何で先生に兄貴をよろしくなの?」
状況が分からない渚君の言葉を遮るように
「やだ! 私達ったら。お兄ちゃんと相馬先生のしばらくのお別れのお邪魔よね!さぁ、渚!パパも!お邪魔したら悪いから」
そう言って、抵抗する渚君を連れて離れて行ってしまう。
唖然としたまま見送った後、僕が海を見ると
「あれだけ大騒ぎしたから、俺達の事がバレたんだ。でも、今は応援してくれてる」
少し照れ臭そうに答えた。
「マ……マジで?」
呆然として呟くと、海はクスクスと笑って
「だから、もう俺から逃げられませんよ」
と続けた。
僕はそんな海を見上げて
「逃げないよ!」
と答えながら
「海は……本当に僕で良いの?」
なんて、思わず訊いてしまう。
海はそっと僕の頬に触れると
「不安になったら、何度でも言います。和哉さん、あなただけを愛しています」
そう言って微笑んだ。
僕が「海」と叫んで抱き着こうとした瞬間
「ごほん!」
と咳払いが聞こえた。
声の方に振り向くと、茶髪の高校生くらいの男の子と、セミロングの髪の毛をハーフアップしている可愛い女の子。その隣に、何故か僕をキラキラした瞳で見ている細身の頭の良さそうな女の子が立っていた。
海に頬を触れられた状態で僕と海が固まると
「ちょっと一条……。全部うまく行ったら、あんたの恋人に会わせてくれるって話だったわよね!」
細身の頭の良さそうな子が、海に目を据わらせて詰め寄っている。
「え? いや、だってお前ら……」
戸惑う海に、茶髪のチャラそうな子が海を突き飛ばし
「初めまして! あ! 俺は一度、大学で見掛けているんですけどね。俺、海の親友の大崎悠斗って言います。悠斗って呼んでください」
そう言って、僕の両手を掴んだ。
「はぁ……」
凄い勢いに圧倒されていると
「初めまして。私、このチャラ助の彼女で、関川と言います。で、こっちが私の親友で……」
と、セミロングの女の子の自己紹介の途中で、細身の頭の良さそうな女の子が、チャラそうな男の子から僕の手を奪い
「永澤夏美と言います。あの……乙女ゲームの牧野会長に似てるって言われませんか?」
と、突然言って来た。
「乙女ゲーム?」
3人の圧に圧倒されていると、海が3人から僕の身体を奪うように後ろから抱き寄せて
「お前ら! 勝手に手を握るな!」
と叫んだ。
すると
「なんだよ、海ちんのけちんぼ!」
「おたんこなす!」
カップルの2人に言われている。
僕がその様子を見てクスクス笑っていると、突然、永澤と名乗った頭の良さそうな子が海の胸ぐら掴んで
「い~ち~じょ~う~! お前、私の推しメンの牧野会長に似てるから、わざと会わせないようにしただろう! 吐け! この裏切り者!」
と身体を揺すられてる。
僕が心配になって
「あの……」
と声を掛けると、彼女は海を掴んでいた手を放して僕に満面の笑顔で振り向くと
「あの……、お名前を教えていただいてもよろしいですか?」
と、凄いキラキラした目で言われて
「あ……僕は、相馬和哉と言います」
そう答えた。
すると彼女はキャー!っと黄色い声を上げながら
「か……和哉様! お名前も素敵ですぅ~!」
そう言って、再び僕の手を握り
「私、3次元に王子様って居ないと思っていました。私を和哉様のファン1号にして下さい」
真剣に迫られて、思わず海の顔を見た。
すると海は呆れた顔をして僕に近付くと、コソっと耳元で
「カウントダウンしたら、逃げますよ」
と呟いた。
「え?」
驚いて海の顔を見上げると
「3、2、1、GO!」
と叫んで、僕の手を握って走り出した。
到着ロビーに戻ると、渚君が走り寄って来た。
あんな辞め方をしたのに、今でも僕を「先生」と呼んでくれている事に、涙が出そうになってしまう。
「途中で辞めてごめんね」
僕がそう呟くと
「先生は悪くないよ! あの、クソ兄貴のせいなんだから、気にしなくて良いから!」
と言われてしまった。
渚君の誤解をどう解こうかとも思ったが、僕が何を言っても無駄そうなので、ここは兄貴である海に全部投げる事にした。
僕が少し離れた場所で僕達を見ている海と一条夫妻に視線を送ると、渚君に手を引かれて一条夫妻の所まで引きずられるように連行された。
(この強引かは、兄弟だな……)
と思って苦笑いすると、僕は一条ご夫妻に向き直って、きちんとご挨拶をした。
すると一条さんの奥様が
「アメリカで会いましょう。お兄ちゃんの事、よろしくお願いしますね」
と言い出して、僕は慌てて海の顔を見た。
すると一条さんまで
「色々と、ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。まだ、至らない部分が多いかと思いますが、海をよろしくお願い致します」
と言って、海の頭をぐいっと手で下げさせている。
「え!あの……」
突然の事に真っ赤になると
「え? 何で先生に兄貴をよろしくなの?」
状況が分からない渚君の言葉を遮るように
「やだ! 私達ったら。お兄ちゃんと相馬先生のしばらくのお別れのお邪魔よね!さぁ、渚!パパも!お邪魔したら悪いから」
そう言って、抵抗する渚君を連れて離れて行ってしまう。
唖然としたまま見送った後、僕が海を見ると
「あれだけ大騒ぎしたから、俺達の事がバレたんだ。でも、今は応援してくれてる」
少し照れ臭そうに答えた。
「マ……マジで?」
呆然として呟くと、海はクスクスと笑って
「だから、もう俺から逃げられませんよ」
と続けた。
僕はそんな海を見上げて
「逃げないよ!」
と答えながら
「海は……本当に僕で良いの?」
なんて、思わず訊いてしまう。
海はそっと僕の頬に触れると
「不安になったら、何度でも言います。和哉さん、あなただけを愛しています」
そう言って微笑んだ。
僕が「海」と叫んで抱き着こうとした瞬間
「ごほん!」
と咳払いが聞こえた。
声の方に振り向くと、茶髪の高校生くらいの男の子と、セミロングの髪の毛をハーフアップしている可愛い女の子。その隣に、何故か僕をキラキラした瞳で見ている細身の頭の良さそうな女の子が立っていた。
海に頬を触れられた状態で僕と海が固まると
「ちょっと一条……。全部うまく行ったら、あんたの恋人に会わせてくれるって話だったわよね!」
細身の頭の良さそうな子が、海に目を据わらせて詰め寄っている。
「え? いや、だってお前ら……」
戸惑う海に、茶髪のチャラそうな子が海を突き飛ばし
「初めまして! あ! 俺は一度、大学で見掛けているんですけどね。俺、海の親友の大崎悠斗って言います。悠斗って呼んでください」
そう言って、僕の両手を掴んだ。
「はぁ……」
凄い勢いに圧倒されていると
「初めまして。私、このチャラ助の彼女で、関川と言います。で、こっちが私の親友で……」
と、セミロングの女の子の自己紹介の途中で、細身の頭の良さそうな女の子が、チャラそうな男の子から僕の手を奪い
「永澤夏美と言います。あの……乙女ゲームの牧野会長に似てるって言われませんか?」
と、突然言って来た。
「乙女ゲーム?」
3人の圧に圧倒されていると、海が3人から僕の身体を奪うように後ろから抱き寄せて
「お前ら! 勝手に手を握るな!」
と叫んだ。
すると
「なんだよ、海ちんのけちんぼ!」
「おたんこなす!」
カップルの2人に言われている。
僕がその様子を見てクスクス笑っていると、突然、永澤と名乗った頭の良さそうな子が海の胸ぐら掴んで
「い~ち~じょ~う~! お前、私の推しメンの牧野会長に似てるから、わざと会わせないようにしただろう! 吐け! この裏切り者!」
と身体を揺すられてる。
僕が心配になって
「あの……」
と声を掛けると、彼女は海を掴んでいた手を放して僕に満面の笑顔で振り向くと
「あの……、お名前を教えていただいてもよろしいですか?」
と、凄いキラキラした目で言われて
「あ……僕は、相馬和哉と言います」
そう答えた。
すると彼女はキャー!っと黄色い声を上げながら
「か……和哉様! お名前も素敵ですぅ~!」
そう言って、再び僕の手を握り
「私、3次元に王子様って居ないと思っていました。私を和哉様のファン1号にして下さい」
真剣に迫られて、思わず海の顔を見た。
すると海は呆れた顔をして僕に近付くと、コソっと耳元で
「カウントダウンしたら、逃げますよ」
と呟いた。
「え?」
驚いて海の顔を見上げると
「3、2、1、GO!」
と叫んで、僕の手を握って走り出した。
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