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これからのこと
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いつの間に眠っていたのか、目を覚ますと僕をがっちりとホールドして海が隣で眠っている。
相変わらず寝顔も綺麗だな~と思いながら、そっと海の寝息を立てる唇にキスを落とす。
こうして寝顔を見ていると、まだあどけなさを残した少年ぽい顔をしている。
(可愛いなぁ~)
ニヤニヤしながら、艶々でピチピチの十代の頬に触れてみたり、閉じた瞳にかかる長い睫毛に触れたりしていると、目蓋がピクっと動いた。
思わず息を止めてジッとしていると、そのまま海の唇からは寝息が漏れ始める。
こんな幸せな気持ちで、朝を迎えるのは初めてだった。
目が覚めて、隣に大好きな人が眠っている。
たったそれだけの事が、こんなに幸せな光景なんだと知った。
「海、愛してる」
そう耳元で囁いて、頬にキスをしたその時だった。
緩んでいた僕を抱き締める腕が強くなり、ベッドに押し倒されてしまう。
「俺も愛していますよ、和哉さん」
悪戯が成功した子供のような笑顔で、海が唇にキスを落とす。
「もう!いつから起きていたんだよ!」
頬を膨らませた僕に
「ニヤニヤしながら、俺の頬に触ってる辺り?」
と言われて、顔が赤くなる。
「それって、ほとんど起きているじゃないか!」
ポカポカと海の胸を叩くと
「あまりの可愛らしさに、寝た振りを続けるのが大変でした」
そう言いながら、首元にグリグリと頭を押し付けられて、くすぐったくて笑ってしまう。
「海、髪の毛がくすっぐたいよ」
笑いながら言うと、海は僕を強く抱き締めて、もっとやってくる。
「バカ! 本当にくすぐったいんだってば!」
クスクスと笑っていると、海がゆっくりと僕の顔を見下ろした。
「良かった……、笑っている」
そう呟いて、海が幸せそうに微笑んだ。
「海……きみが居れば、僕は幸せだよ」
僕は笑顔のまま、海にそう返した。
唇が重なり、海の手が僕を強く抱き締める。
「ちょ……っストップ!ダメだって」
唇が首筋をつたい、下へと降りていく。
僕は慌てて海の顔を押さえ付けて抵抗するものの、乳首を吸われて
「あ……っ」
と、甘い声が漏れる。
「和哉さん……本当にダメ?」
抵抗も虚しく、耳を垂れてお預けをされたわんこのような顔をされて、結局、流されてしまうのだった。
「で!お前らはやりまくるだけやりまくって、話し合いしなかったのか!」
「すみません!」
「ごめんなさい!」
その日の夕方、迎えに来たと連絡が入って慌ててシャワーを浴びて身支度を整えた僕達に、小関さんは呆れた顔をして第一声を発した。
僕と海が、ソファーに正座して小さくなっていると
「まぁ、お前らがくっ付いたなら、それで良いけどよ」
ガシガシと頭を掻きながら、小関さんがタバコに火を着けた。
ゆっくりと立ち上がり、窓を開けてベランダに出てタバコを吸っているのを見ると、波の音が響き、丁度、夕日が海に沈んでいるのが目に入る。
僕はその美しい光景を見つめながら
「小関さん、僕……アメリカに行きます」
そう呟いた。
相変わらず寝顔も綺麗だな~と思いながら、そっと海の寝息を立てる唇にキスを落とす。
こうして寝顔を見ていると、まだあどけなさを残した少年ぽい顔をしている。
(可愛いなぁ~)
ニヤニヤしながら、艶々でピチピチの十代の頬に触れてみたり、閉じた瞳にかかる長い睫毛に触れたりしていると、目蓋がピクっと動いた。
思わず息を止めてジッとしていると、そのまま海の唇からは寝息が漏れ始める。
こんな幸せな気持ちで、朝を迎えるのは初めてだった。
目が覚めて、隣に大好きな人が眠っている。
たったそれだけの事が、こんなに幸せな光景なんだと知った。
「海、愛してる」
そう耳元で囁いて、頬にキスをしたその時だった。
緩んでいた僕を抱き締める腕が強くなり、ベッドに押し倒されてしまう。
「俺も愛していますよ、和哉さん」
悪戯が成功した子供のような笑顔で、海が唇にキスを落とす。
「もう!いつから起きていたんだよ!」
頬を膨らませた僕に
「ニヤニヤしながら、俺の頬に触ってる辺り?」
と言われて、顔が赤くなる。
「それって、ほとんど起きているじゃないか!」
ポカポカと海の胸を叩くと
「あまりの可愛らしさに、寝た振りを続けるのが大変でした」
そう言いながら、首元にグリグリと頭を押し付けられて、くすぐったくて笑ってしまう。
「海、髪の毛がくすっぐたいよ」
笑いながら言うと、海は僕を強く抱き締めて、もっとやってくる。
「バカ! 本当にくすぐったいんだってば!」
クスクスと笑っていると、海がゆっくりと僕の顔を見下ろした。
「良かった……、笑っている」
そう呟いて、海が幸せそうに微笑んだ。
「海……きみが居れば、僕は幸せだよ」
僕は笑顔のまま、海にそう返した。
唇が重なり、海の手が僕を強く抱き締める。
「ちょ……っストップ!ダメだって」
唇が首筋をつたい、下へと降りていく。
僕は慌てて海の顔を押さえ付けて抵抗するものの、乳首を吸われて
「あ……っ」
と、甘い声が漏れる。
「和哉さん……本当にダメ?」
抵抗も虚しく、耳を垂れてお預けをされたわんこのような顔をされて、結局、流されてしまうのだった。
「で!お前らはやりまくるだけやりまくって、話し合いしなかったのか!」
「すみません!」
「ごめんなさい!」
その日の夕方、迎えに来たと連絡が入って慌ててシャワーを浴びて身支度を整えた僕達に、小関さんは呆れた顔をして第一声を発した。
僕と海が、ソファーに正座して小さくなっていると
「まぁ、お前らがくっ付いたなら、それで良いけどよ」
ガシガシと頭を掻きながら、小関さんがタバコに火を着けた。
ゆっくりと立ち上がり、窓を開けてベランダに出てタバコを吸っているのを見ると、波の音が響き、丁度、夕日が海に沈んでいるのが目に入る。
僕はその美しい光景を見つめながら
「小関さん、僕……アメリカに行きます」
そう呟いた。
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