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仲直りしたら……でしょう?

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 海は信じられないという顔をして、目を見開いた。大好きな海の綺麗な顔が、嬉しそうに微笑む。そしてその瞳から涙が一筋流れた。
「あ……すみません。今日、別れ話をされると思っていたので……ホッとして……」
慌てて涙を拭う海に、僕はギュッと抱き付いた。
「ごめん……。そんな思いさせて……ごめん」
僕がそう呟くと、海はギュッと抱き締め返して
「俺こそ……すみません。和哉さんに無理矢理……」
そう呟く言葉を唇で塞ぐ。
絡めた舌が、この数ヶ月を埋めるように激しくお互いを求め合う。
ゆっくり唇を離すと
「この体勢って、初めてですね」
そう呟いて、僕の頭を掴むと額と額をコツンと当てて見つめ合う。
僕が海に抱き着いて、海を見下ろすように重ねた唇。
今までは、いつも求めるのは海で、仕方なく身体を預けるのが僕だった。
僕は、海の長い睫毛が縁取る瞳にキスを落とす。
瞳……鼻先、頬……そして唇。
「なんか変な感じですね」
小さく笑う海の制服のネクタイに手を掛ける。
すると海がその手を押さえて、不安そうに僕を見つめた。
「海……僕は、海が欲しい」
その言葉が合図となって、僕達はお互いを求め合った。
久しぶりに重ねた身体は熱くて、離れていた月日を取り戻すかのように求め合う。
「海……海……」
何度も名前を呼ぶと、僕より大きな手が僕の手を握り返してくれて
「和哉さん……」
優しく僕の名前を囁き、口付けを交わす。
広い海の背中に爪を立てて、与えられる熱に浮かされるように精を解き放つ。
初めて海の上に跨り、下からの刺激に腰を揺らす。自分の与える動きに、海の呼吸が乱れる姿に愛しさが込み上げて来る。
腰を掴まれ、後半は無茶苦茶に下からの突き上げで意識を飛ばし掛けた。
ガックリと落ちる身体を、海の腕が抱き留めてくれる。
そっと僕の髪を撫でる海の手が、優しくて温かくて……本当に幸せだった。
そのままの状態で横になっていると、海の心臓の音が聞こえた。
『トクン……トクン……』と脈打つ愛しい音。
愛しさが込み上げて来て、「ふふふ」って笑うと、僕の髪を撫でていた海が不思議そうな顔をして僕を見ている。
汗で濡れた愛しい人の顔を見つめ、僕は海の胸に顔を埋めて再び笑うと
「どうしたんですか?」
と聞かれてしまった。
僕は海の胸に顔を埋めたまま
「ん? 幸せだな~って思って」
そう答えた。
その時、まだ抜いていなかった僕の中の海が急に元気になってしまう。
「あっ……ん……」
思わず出てしまった甘い声に
「それ……煽ってますよね」
と言われて、抱き締められた状態でベッドに沈められる。
「ちょ……っと……待って!」
慌てて止めたけど、時既に遅し。
「安心して下さい。俺、朝までコース行けますから」
久しぶりに見た、エロオヤジ発言しながらの爽やかな笑顔に、僕は結局ほだされてしまうんだな……。
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