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思い出
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僕の誕生日当日。
僕が小関さんと会うからと、アイツと会う約束をしなかったのに、アイツは合鍵で中に入って、僕が帰るまでずっと待っていてくれた。
真っ暗な部屋のドアを開けて、いきなりクラッカー鳴らされて……。
驚いた隣の人が警察呼んじゃって、警官が来て怒られたっけ……。
「夜中にクラッカーなんか、鳴らすんじゃない!」って。
2人でひたすら頭を下げて、警官が帰った後、顔を見合わせて大笑いしたよね。
高校生だから大した物買えなくて……って、コージーコーナーの小さな丸いケーキにプレート付けて持って来てくれた。
「食べさせてあげるよ」って言うと、フォークに苺を刺して「あ~ん」してって言い出して……。
恥ずかしいから嫌だって言うのに、食べるまでしつこくて……。
根負けして食べさせてもらうと
「あ~ん」
ってきみは口を開けて待っていて、僕は無視して全部ケーキを1人で食べちゃうと、頬を膨らませて拗ねていたっけ……。
「俺の時は、絶対にやってくださいよ!」
って、ずっと文句を言っていたよね。
海、ごめんね。
きみのお願いを、結局、何一つ叶えてあげられなかった。
きっときみは、その綺麗な顔で拗ねた表情をしながら「次は絶対にして下さいね」って言うのかな?
違うか……。
きっときみの誕生日は、新しい恋人がお祝いしてくれるんだよね。
素直に水族館に行ってくれて、誕生日にハートマーク付けて喜んでくれる。
きみの誕生日には、髪の毛に赤いリボンを付けて
「私がお誕生日プレゼント」
って、きみが希望したシュチュエーションを素直にしてれるような可愛い女の子。
ケーキを「あ~ん」って食べさせてもらって、言ってる事とやって欲しい事はエロオヤジなのに、きみは爽やかな笑顔で微笑むんだろうな……。
海……ごめんね。
最後まで、悲しい顔しかさせてあげられなくて。
でもね、海。
きみに何もしてあげられなかったけど、きみと過ごした日々は、本当に幸せだったよ。
こんな風にならないと気付かないなんて、本当に僕は馬鹿な奴だよね。
海……海……二度と会えないけど、僕はきみを愛しているよ。
僕が小関さんと会うからと、アイツと会う約束をしなかったのに、アイツは合鍵で中に入って、僕が帰るまでずっと待っていてくれた。
真っ暗な部屋のドアを開けて、いきなりクラッカー鳴らされて……。
驚いた隣の人が警察呼んじゃって、警官が来て怒られたっけ……。
「夜中にクラッカーなんか、鳴らすんじゃない!」って。
2人でひたすら頭を下げて、警官が帰った後、顔を見合わせて大笑いしたよね。
高校生だから大した物買えなくて……って、コージーコーナーの小さな丸いケーキにプレート付けて持って来てくれた。
「食べさせてあげるよ」って言うと、フォークに苺を刺して「あ~ん」してって言い出して……。
恥ずかしいから嫌だって言うのに、食べるまでしつこくて……。
根負けして食べさせてもらうと
「あ~ん」
ってきみは口を開けて待っていて、僕は無視して全部ケーキを1人で食べちゃうと、頬を膨らませて拗ねていたっけ……。
「俺の時は、絶対にやってくださいよ!」
って、ずっと文句を言っていたよね。
海、ごめんね。
きみのお願いを、結局、何一つ叶えてあげられなかった。
きっときみは、その綺麗な顔で拗ねた表情をしながら「次は絶対にして下さいね」って言うのかな?
違うか……。
きっときみの誕生日は、新しい恋人がお祝いしてくれるんだよね。
素直に水族館に行ってくれて、誕生日にハートマーク付けて喜んでくれる。
きみの誕生日には、髪の毛に赤いリボンを付けて
「私がお誕生日プレゼント」
って、きみが希望したシュチュエーションを素直にしてれるような可愛い女の子。
ケーキを「あ~ん」って食べさせてもらって、言ってる事とやって欲しい事はエロオヤジなのに、きみは爽やかな笑顔で微笑むんだろうな……。
海……ごめんね。
最後まで、悲しい顔しかさせてあげられなくて。
でもね、海。
きみに何もしてあげられなかったけど、きみと過ごした日々は、本当に幸せだったよ。
こんな風にならないと気付かないなんて、本当に僕は馬鹿な奴だよね。
海……海……二度と会えないけど、僕はきみを愛しているよ。
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