上 下
6 / 96

小関さんの想い

しおりを挟む
思い出すだけで、恐怖で身体が震える。
そんな僕に気付いて、小関さんは僕の身体を抱き締めて額にキスを落とした。
人肌は、冷えた心を温めてくれる。
甘えるように小関さんの胸に顔を埋めると、まだ抜かれていない僕の中にある小関さんの硬度が増した。

 小関さんは結局、あれから特定の恋人も作らずに1人を貫いている。
いつだったか、何故恋人を作らないのかを聞いてみたら
「毎週、空になるほど求められてたら、他に行く気力なんか出るかよ」
そう言われたのを思い出して、小さく笑うと
「おい、なんで笑っている?」
怪訝な顔をした小関さんが聞いて来た。
僕も小関さんも嘘吐きだ。
お互いの気持ちを知らないフリして、身体だけを重ねる関係を続けている。
いっその事、好きになれたらどんなに良かっただろう。
でも、小関さんは優し過ぎる。
真綿で僕を包み、傷つかないように接してくれる。
僕はもっと…………強引に奪われなければ、心が動かない。
嵐のような熱情で、全てを奪うような……そんな激しい思いで求められなければ、僕はずっと…………このモノクロの世界で生きていくのだろう。
まぁ、そんな奇特な奴なんて、現れる訳ないけどね。
僕は、僕の中で硬くなっている小関さんを軽く締め付け
「ねぇ…...、もっと抱いて。さっきから、小関さんのが僕の中で硬くなっているから我慢出来ないんだけど…...」
甘えるように囁きながら、小関さんの足に足を絡めて自分で腰を揺らす。
「クソガキが、とんでもない淫乱になっちまったもんだ」
呆れたように言われて、僕は首に腕を回し
「嫌い?」
と、甘えたように上目遣いで訊ねる。
すると、さっき硬さを取り戻した僕の中のモノが強度を増す。
「あっ…...……。ほら、小関さんもこのままじゃ辛いよね?ねぇ…...もっとしてぇ…...」
潤んだ目をして小関さんの唇を舐めると、
噛み付かれるように唇を奪われ、腰を引き寄せられて乳首をぎゅっと強く摘み上げられた。
「んぅ…...!」
凄い刺激にくぐもった声を上げると、唇が離れて、摘み上げられている乳首と逆側を舌でしゃぶられる。
「あっ…!」
凄い刺激に、小関さんの頭を抱き寄せた。
『ジュル』っと音を立てながら、突起を甘噛みされて腰を強く打ち付けられた。
「あっ…...!それ……ぃぃっ…...!」
もっと…...と強請るように小関さんの頭を胸に押し付けるように抱き寄せ、動きに合わせて腰を振った。
左右を甘噛みされ
「もっと…...もっと…...激しくしてぇ……!」
歓喜の声を上げながら、自分の腰の動きを早くする。
ギシギシとベッドが軋む音と、肉のぶつかり合う音が響き渡る。
ガクガクと揺すられ、あまりの快楽に口元から喘ぎ声と共に涎が流れると、小関さんの舌が舐め取る。
「あっ……アアッ…...んっ…...はぁ...…」
抱え上げられ、宙で揺れる足をぼんやりと見つめていると、汗で濡れた小関さんの顔が僕の唇ギリギリ触れない場所まで近付き
「和哉……俺を見ろ……」
そう囁いた。
ゆっくり小関さんの顔を見つめると、『ズン』っと深く腰を打ち付けられて仰け反る。
「はぁ……!」
打ち付けられた腰を、ぐるりと円を描くように動かされ、グイグイと奥を抉られた。
背中に爪を立てて
「あっ、深ぁ……ぃぃっ!」
首を振る僕の顎を掴み
「和哉……お前の中に居るのは誰だ?」
グリグリと奥を刺激するように腰を掴み、ピッタリと身体を重ねた状態で腰を進める。
涙で歪む視界で、そっと小関さんの両頬を挟み
「こせ…...き…...さ…...んンっ……」
切れ切れに答えて、小関さんの唇に唇を合わせようとすると、更なる奥を求められるようにグンっと押し入れられて
「ひぁっ……!」
と悲鳴が上がる。
「違うだろ!…...どっちの小関だよ?今、お前を抱いてるのは…...誰だ?」
ピッタリと蓋をされ、身体をくの字曲げられて更に奥に進まれる。
「だ……だめぇ……それ以上、無理ぃ…...」
瞳からは涙が溢れ、唇は閉じる事を忘れてしまったかのように開いたまま、喘ぎ声と飲み込めない涎が流れ落ちて行く。
「答えろ!…...和哉!」
強く抱き締められて、足が胸に着く程に折り曲げられ、円を描くように腰を動かされてグッグッと奥だけを刺激し続けられてしまい、意識が飛びそうになる。
「ま……さよ…...し…...さん...…」
名前を呟くと、顎を捕まれて
「もう1回、呼べ!」
そう言って、腰を引いて『パン』っと音が響くほどに強く穿つ。
「ああっ…!政…義さ…ぁっ」
名前を呼ぶ度、強く抜き差しをされて意識が遠くなる。
「政義……!政義……!」
更なる刺激を求めて名前を叫ぶと
「和哉!……俺を……俺だけを見ろ!」
唇を重ねられ、舌を絡められて強く吸われながら腰を打ち付けらる。
唇が離れ、パンパンパンパンと激しい音が鳴り響き渡り
「あっ……!あっ……あっ……」
身体がもうじき、絶頂が来る事を教えるように震え出す。
「和哉……っ!」
と、小関さんの声と共に、2、3回強く腰を打ち付けられて、最奥にドプリと熱い塊が弾けた。
「あっ……アアっ!...…」
チカチカと白く目の前がスパークして、触れられても居ない僕の猛りも果てた。
荒い呼吸が響き、顎を小関さんが掴んで唇を重ねる。
「和哉……愛してる……」
甘く囁かれ、強く抱き締められて僕は瞳を閉じた。
そっと小関さんの背中を抱き締めると
「小関さん、契約違反ですよ」
と、そう答えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

年上の恋人は優しい上司

木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。 仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。 基本は受け視点(一人称)です。 一日一花BL企画 参加作品も含まれています。 表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!! 完結済みにいたしました。 6月13日、同人誌を発売しました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)

みづき
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。 そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。 けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。 始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――

有能社長秘書のマンションでテレワークすることになった平社員の俺

高菜あやめ
BL
【マイペース美形社長秘書×平凡新人営業マン】会社の方針で社員全員リモートワークを義務付けられたが、中途入社二年目の営業・野宮は困っていた。なぜならアパートのインターネットは遅すぎて仕事にならないから。なんとか出社を許可して欲しいと上司に直談判したら、社長の呼び出しをくらってしまい、なりゆきで社長秘書・入江のマンションに居候することに。少し冷たそうでマイペースな入江と、ちょっとビビりな野宮はうまく同居できるだろうか? のんびりほのぼのテレワークしてるリーマンのラブコメディです

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

処理中です...