4 / 96
悲しい過去③
しおりを挟む
翌朝、目が覚めると頭はスッキリしていた。
散々泣いたからなのか、気持ちも落ち着いている。
先生を失ってから、ずっと泣けない日々を過ごしていた。
悲しくて苦しくて悔しくて……、それでも先生がこの世に居ないという現実を受け入れたくなかったし、受け入れられなかったんだ。
先生のお兄さんに激しく抱かれて、喘がされて泣かされて……その後、僕は我を忘れて泣きじゃくった。
お兄さんは黙ったまま僕を抱き締めて、背中をずっと撫でていてくれていたっけ……。
「起きたのか?」
ぼんやりとベッドで考えていると、咥えタバコをした小関さんがひょっこりと開けっぱなしドアから顔を出した。
「昨日はすみませんでした」
そう発した声がガラガラで、昨夜の行為の激しさを思い出して赤くなる。
すると小関さんは声を出して笑い
「お前、そういう顔は男を煽るだけだぞ」
と言うと、頭をくしゃくしゃっと乱暴に撫でて来た。
その大きな手は、小関先生と同じ温かくて大きな手だけど、小関先生じゃない。
分かっていたけど、縋り付きたかった。
僕が僕として前を向いて歩くには、あまりにも失った人が大き過ぎた。
「じゃあ……もっとして下さい……」
僕の頭を撫でた手に自分の手を重ね、誘うように小関さんを見上げる。
小関さんは、小関先生とは違ってエリート風の雰囲気も顔立ちもキリッとした、いかにも「大人」という感じの人だ。
一方小関先生は、どちらかというと「ポヤポヤ」した感じのおっとりしたタイプだった。
小関先生に何処か似ていて、でも別人のこの人にめちゃくちゃにして欲しかった。
「ったく……。晃の奴、とんでもねぇガキを残しやがって…」
そう独りごちると、ベッドのサイドボードにあった灰皿でタバコを乱暴に揉み消し、僕の顎を掴むと
「又、失神するまで鳴かせてやる」
そう囁いて、荒々しいキスを落とした。
今は、人肌が恋しかった。
身体を這う舌や指が与える快楽に身を投じ、灼熱の楔を捩じ込まれ、荒々しく打ち付けられる度に身体の中を侵食されるような感覚。
汗でしっとりとした背中に爪を立て、喉を仰け反らせて喘ぐと、喉を甘噛みされて吸い上げられる。
「あっ……あっ……ぃぃっ!もっと…...もっと突いてぇ……っ!」
相手の腰に足を絡め、どんな些細な動きさえも逃さないようにピッタリと身体を合わせる。
すると円を描くように腰を動かされ、再び激しく突き上げられた。
「あっ……凄…...ぃ…...っ」
首を振りながら、自分も相手の動きに合わせて腰をくねらせる。
「くっ…...」
と、小関さんの口から息を噛み殺す声が聞こえると
「全部、持っていかれそうだ……」
荒い呼吸の合間に呟くと、僕の両足首を掴んで腰に枕を入れると、僕の足を高く上げて上からガンガンと腰を打ち付けて来た。
「ひっ……っ!深ぁ…...ぃ...…!」
仰け反って叫ぶ僕に、容赦なく小関さんは激しく腰を進める。
今まで入れられた事の無い場所を開かれる感覚と、身体を襲う快楽に我を忘れてヨガり狂った。
全身が痙攣して、目の前がチカチカとし始める。
「アァ…………っ!なにぃ……?怖い……いやぁぁぁぁぁぁ!」
感じた事の無い快楽に、全身の震えが止まらない。
ガクガクと全身が震え、僕は潮を吹きながら意識を手放した。
散々泣いたからなのか、気持ちも落ち着いている。
先生を失ってから、ずっと泣けない日々を過ごしていた。
悲しくて苦しくて悔しくて……、それでも先生がこの世に居ないという現実を受け入れたくなかったし、受け入れられなかったんだ。
先生のお兄さんに激しく抱かれて、喘がされて泣かされて……その後、僕は我を忘れて泣きじゃくった。
お兄さんは黙ったまま僕を抱き締めて、背中をずっと撫でていてくれていたっけ……。
「起きたのか?」
ぼんやりとベッドで考えていると、咥えタバコをした小関さんがひょっこりと開けっぱなしドアから顔を出した。
「昨日はすみませんでした」
そう発した声がガラガラで、昨夜の行為の激しさを思い出して赤くなる。
すると小関さんは声を出して笑い
「お前、そういう顔は男を煽るだけだぞ」
と言うと、頭をくしゃくしゃっと乱暴に撫でて来た。
その大きな手は、小関先生と同じ温かくて大きな手だけど、小関先生じゃない。
分かっていたけど、縋り付きたかった。
僕が僕として前を向いて歩くには、あまりにも失った人が大き過ぎた。
「じゃあ……もっとして下さい……」
僕の頭を撫でた手に自分の手を重ね、誘うように小関さんを見上げる。
小関さんは、小関先生とは違ってエリート風の雰囲気も顔立ちもキリッとした、いかにも「大人」という感じの人だ。
一方小関先生は、どちらかというと「ポヤポヤ」した感じのおっとりしたタイプだった。
小関先生に何処か似ていて、でも別人のこの人にめちゃくちゃにして欲しかった。
「ったく……。晃の奴、とんでもねぇガキを残しやがって…」
そう独りごちると、ベッドのサイドボードにあった灰皿でタバコを乱暴に揉み消し、僕の顎を掴むと
「又、失神するまで鳴かせてやる」
そう囁いて、荒々しいキスを落とした。
今は、人肌が恋しかった。
身体を這う舌や指が与える快楽に身を投じ、灼熱の楔を捩じ込まれ、荒々しく打ち付けられる度に身体の中を侵食されるような感覚。
汗でしっとりとした背中に爪を立て、喉を仰け反らせて喘ぐと、喉を甘噛みされて吸い上げられる。
「あっ……あっ……ぃぃっ!もっと…...もっと突いてぇ……っ!」
相手の腰に足を絡め、どんな些細な動きさえも逃さないようにピッタリと身体を合わせる。
すると円を描くように腰を動かされ、再び激しく突き上げられた。
「あっ……凄…...ぃ…...っ」
首を振りながら、自分も相手の動きに合わせて腰をくねらせる。
「くっ…...」
と、小関さんの口から息を噛み殺す声が聞こえると
「全部、持っていかれそうだ……」
荒い呼吸の合間に呟くと、僕の両足首を掴んで腰に枕を入れると、僕の足を高く上げて上からガンガンと腰を打ち付けて来た。
「ひっ……っ!深ぁ…...ぃ...…!」
仰け反って叫ぶ僕に、容赦なく小関さんは激しく腰を進める。
今まで入れられた事の無い場所を開かれる感覚と、身体を襲う快楽に我を忘れてヨガり狂った。
全身が痙攣して、目の前がチカチカとし始める。
「アァ…………っ!なにぃ……?怖い……いやぁぁぁぁぁぁ!」
感じた事の無い快楽に、全身の震えが止まらない。
ガクガクと全身が震え、僕は潮を吹きながら意識を手放した。
5
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。


日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。


消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる