9 / 23
この世界のリンと違う僕②
しおりを挟む
僕がそっと紐を受け取ると、真っ青な顔で全身を震わせて床に額を擦り付けながら
「申し訳ございません、許して下さい」
と、口々に呟いている。
「あの、もう大丈夫ですから……」
僕がそう言って、震えるその人に触れようと手を差し出すと、その腕を背後から乱暴に握られて、軽々と身体をソイツに抱き上げられてしまう。
「今回は、このじゃじゃ馬が起こした事だ。口外禁止のみで、咎めはしない」
ソイツの言葉に、その場の全員に安堵の息が漏れる。
「匂い消しの儀式を行なう。部屋に誰も居れるな」
肩に担がれながら、僕は平伏する人達を見下ろして部屋へと戻されて行った。
『ドサ』っと、乱暴にベッドへと落とされて睨み上げると
「これで分かったか?」
と、呆れた顔をされて言われてしまう。
「匂い消しの儀式って、なんだよ」
「わかっているのだろう? 俺の匂いをお前に着けるんだ」
ベッドに押し倒され、顎を掴まれた。
「確かに、リンとは別人だな。リンは大人しく儀式に従った。空木殿は、とんだじゃじゃ馬だ」
そう言うと、突然、楽しそうに笑い出した。
「おい……」
「あれだけ説明してやったのに、部屋を飛び出すとか……」
「…………」
「しかし、見事に匂いに当てられた奴等に囲まれていたな。リンは大人しかったから、ああなるのだと勉強になった」
そう言うと、身体を起こして爆笑し始めた。
「あの時の、空木殿の顔……」
「悪かったよ!」
「いや、面白かったから構わぬ」
「面白かったって……」
押し倒されたままの姿でソイツを見上げていると、綺麗な顔をクシャクシャにして笑うソイツの笑顔の可愛らしさに、胸がキュンとした。
「?」
自分の感情に疑問を持っていると、そっと僕の頬に触れ
「空木殿と居ると、退屈しなさそうだな」
そう言って頬にキスを落とした。
「ちょっ!」
驚いて見上げると
「儀式を行なう。安心しろ、口にはキスをしないから」
そう呟くと、頬から首筋へと唇が下りて行く。
ガウンの紐を解かれ、ソイツの大きな手が肌に触れて行く。
「っ!……匂いが、キツイな」
苦しそうに呟かれ、羞恥に全身が熱くなる。
「空木殿、匂いを抑えてもらえないか? これ以上は、さすがに俺でもキツイ」
「抑えるって……どうやって?」
戸惑いながら訊くと
「すまない、空木殿。約束を守れそうに無い」
苦しそうに顔を歪めたソイツは、そう呟くと俺の両手を握り締めると唇にキスを落とした。
舌を差し込まれ、口内を犯されて行く。
肉厚な舌が僕の舌を絡め取り、ザラザラとした感触が舌と上顎を撫でるように絡めとる。
ジワジワと湧き上がる快楽に、口の中にも性感帯があるんだとぼんやり考えていた。
唇が離れ、名残惜しさに舌がソイツの舌を追いかけるようにしてしまうと
「そんな可愛い顔をされると、全てを奪いたくなってしまうな」
と囁かれた。
舌先と舌先を擦り合わせると、僕の舌を吸いながら唇で挟み扱き始めた。
(キスって……こんなに気持ち良いんだ……)
気が付くと、首に腕を回してキスに溺れていた。
するとソイツの手が僕の背中から臀、太腿から内股へと這わされて、性感帯に触れると身体がピクっと飛び跳ねた。
「申し訳ございません、許して下さい」
と、口々に呟いている。
「あの、もう大丈夫ですから……」
僕がそう言って、震えるその人に触れようと手を差し出すと、その腕を背後から乱暴に握られて、軽々と身体をソイツに抱き上げられてしまう。
「今回は、このじゃじゃ馬が起こした事だ。口外禁止のみで、咎めはしない」
ソイツの言葉に、その場の全員に安堵の息が漏れる。
「匂い消しの儀式を行なう。部屋に誰も居れるな」
肩に担がれながら、僕は平伏する人達を見下ろして部屋へと戻されて行った。
『ドサ』っと、乱暴にベッドへと落とされて睨み上げると
「これで分かったか?」
と、呆れた顔をされて言われてしまう。
「匂い消しの儀式って、なんだよ」
「わかっているのだろう? 俺の匂いをお前に着けるんだ」
ベッドに押し倒され、顎を掴まれた。
「確かに、リンとは別人だな。リンは大人しく儀式に従った。空木殿は、とんだじゃじゃ馬だ」
そう言うと、突然、楽しそうに笑い出した。
「おい……」
「あれだけ説明してやったのに、部屋を飛び出すとか……」
「…………」
「しかし、見事に匂いに当てられた奴等に囲まれていたな。リンは大人しかったから、ああなるのだと勉強になった」
そう言うと、身体を起こして爆笑し始めた。
「あの時の、空木殿の顔……」
「悪かったよ!」
「いや、面白かったから構わぬ」
「面白かったって……」
押し倒されたままの姿でソイツを見上げていると、綺麗な顔をクシャクシャにして笑うソイツの笑顔の可愛らしさに、胸がキュンとした。
「?」
自分の感情に疑問を持っていると、そっと僕の頬に触れ
「空木殿と居ると、退屈しなさそうだな」
そう言って頬にキスを落とした。
「ちょっ!」
驚いて見上げると
「儀式を行なう。安心しろ、口にはキスをしないから」
そう呟くと、頬から首筋へと唇が下りて行く。
ガウンの紐を解かれ、ソイツの大きな手が肌に触れて行く。
「っ!……匂いが、キツイな」
苦しそうに呟かれ、羞恥に全身が熱くなる。
「空木殿、匂いを抑えてもらえないか? これ以上は、さすがに俺でもキツイ」
「抑えるって……どうやって?」
戸惑いながら訊くと
「すまない、空木殿。約束を守れそうに無い」
苦しそうに顔を歪めたソイツは、そう呟くと俺の両手を握り締めると唇にキスを落とした。
舌を差し込まれ、口内を犯されて行く。
肉厚な舌が僕の舌を絡め取り、ザラザラとした感触が舌と上顎を撫でるように絡めとる。
ジワジワと湧き上がる快楽に、口の中にも性感帯があるんだとぼんやり考えていた。
唇が離れ、名残惜しさに舌がソイツの舌を追いかけるようにしてしまうと
「そんな可愛い顔をされると、全てを奪いたくなってしまうな」
と囁かれた。
舌先と舌先を擦り合わせると、僕の舌を吸いながら唇で挟み扱き始めた。
(キスって……こんなに気持ち良いんだ……)
気が付くと、首に腕を回してキスに溺れていた。
するとソイツの手が僕の背中から臀、太腿から内股へと這わされて、性感帯に触れると身体がピクっと飛び跳ねた。
12
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる