風の声 森の唄

古紫汐桜

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嵐の前触れ?

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そんな事を言い合っていると、空が上空を見上げて
「嵐が来ますね」
と呟いた。
そんな空に美咲が吹き出して
「え? こんな晴天なのにですか?」
と笑い出すと、恭介も上空を見上げ
「山の天気は変わりやすいからな。急がないと、嵐になりそうだな」
そう呟いた。
「え! そうなんですか?」
驚く美咲の手を風太は掴むと
「家に案内するから、着いて来いよ!」
と言って微笑んだ。
美咲は不安が広がる胸を押さえ、笑顔を作って
「ありがとう、お願い出来る?」
そう言って風太の家へと歩き出した。
チラリと恭介の方を見ると、修治と話しながら歩いていて、その姿にホッとして風太達の住む家へと歩き出した。
 一方、空は風太と楽しそうに歩く美咲を見つめて、一つ溜め息を吐いた。
胸を押さえ、痛む胸を堪えているかのような表情を浮べている。
しかし、小さく笑うと
「今更、こんな感情になるなんてね……」
と、ポツリと独りごちた。
何かを抱えているかのような表情を浮かべた空が、雲に覆われ始めた空を見上げて、決意を固めた。
(必ずこの3人を、大龍神に見付からずに人間界へと帰さなければ……)
そう心に誓って、彼等の待つ自宅へと歩き出した。
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