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きっかけ
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「え!」
それは、週末の金曜日。
いつもより仕事が捗り、定時に帰宅出来そうだな……と思っていた。
すると、私に1本のメールが入る。
内容を確認すると、同期で私が本社になる前の営業所で所長の小田切からだった。
内容は、私が居なくなって、派遣社員のデータを新人さんが誤ってぐちゃぐちゃにしたので助けて欲しいという連絡だった。
自宅から近い事もあり「夕飯、奢りなさいよ!」と返信して営業所に行く事に。
すると……何故か三島健人が居た。
確かに、今日は朝から顔を見ていなかったような気がする。
すると三島健人も驚いた顔で一瞬私を見たが、いつもの無表情になってパソコンと格闘している。
「彩花!悪いな」
小田切が手を合わせるのを一瞥すると
「で、何がどうしたの?」
と声を掛けると
「新しい子が、ファイルをめちゃくちゃにしちゃって…」
と言いながら、履歴書の入ったファイルを出した。
登録順であいうえお順にしておいたのに、2ヶ月足らずでファイルがめちゃくちゃになっている。
「OK!これを登録順のあいうえお順に直すのね」
私はファイルを受け取り、作業に取り掛かる。
……とはいえ、私が整理しておいた部分はそのままなので、1時間ちょいで整理出来た。
すると
「おぉ!ありがとう!三島君!」
と叫ぶ小田切の声が響く。
視線を向けると、彼が相変わらずの無表情で
「次にシステムを触らせる時は、きちんと注意して下さい。マクロも全部めちゃくちゃで大変でした」
と淡々と答えている。
営業所内には、私と小田切。三島君の3人。
小田切は笑顔で
「お詫びに奢るけど、一緒にどう?」
って三島君に声を掛けた。
今時の子はそういうのに付き合わないと聞いていたので
「小田切、無理に誘ったら悪いよ」
と声を掛けると
「行きます」
とだけ答えた。
小田切は笑顔を浮かべて
「だって!彩花は気を使い過ぎなんだよ!じゃあ、三島君も一緒に行こう」
って言いながら、彼の肩を叩いた。
三島君は無表情のまま、上着を羽織ってリュックを肩に片方だけ掛ける。
それは、週末の金曜日。
いつもより仕事が捗り、定時に帰宅出来そうだな……と思っていた。
すると、私に1本のメールが入る。
内容を確認すると、同期で私が本社になる前の営業所で所長の小田切からだった。
内容は、私が居なくなって、派遣社員のデータを新人さんが誤ってぐちゃぐちゃにしたので助けて欲しいという連絡だった。
自宅から近い事もあり「夕飯、奢りなさいよ!」と返信して営業所に行く事に。
すると……何故か三島健人が居た。
確かに、今日は朝から顔を見ていなかったような気がする。
すると三島健人も驚いた顔で一瞬私を見たが、いつもの無表情になってパソコンと格闘している。
「彩花!悪いな」
小田切が手を合わせるのを一瞥すると
「で、何がどうしたの?」
と声を掛けると
「新しい子が、ファイルをめちゃくちゃにしちゃって…」
と言いながら、履歴書の入ったファイルを出した。
登録順であいうえお順にしておいたのに、2ヶ月足らずでファイルがめちゃくちゃになっている。
「OK!これを登録順のあいうえお順に直すのね」
私はファイルを受け取り、作業に取り掛かる。
……とはいえ、私が整理しておいた部分はそのままなので、1時間ちょいで整理出来た。
すると
「おぉ!ありがとう!三島君!」
と叫ぶ小田切の声が響く。
視線を向けると、彼が相変わらずの無表情で
「次にシステムを触らせる時は、きちんと注意して下さい。マクロも全部めちゃくちゃで大変でした」
と淡々と答えている。
営業所内には、私と小田切。三島君の3人。
小田切は笑顔で
「お詫びに奢るけど、一緒にどう?」
って三島君に声を掛けた。
今時の子はそういうのに付き合わないと聞いていたので
「小田切、無理に誘ったら悪いよ」
と声を掛けると
「行きます」
とだけ答えた。
小田切は笑顔を浮かべて
「だって!彩花は気を使い過ぎなんだよ!じゃあ、三島君も一緒に行こう」
って言いながら、彼の肩を叩いた。
三島君は無表情のまま、上着を羽織ってリュックを肩に片方だけ掛ける。
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