野花のような君へ

古紫汐桜

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はじめの出生の秘密~ばあちゃんの思い出~

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それからのはじめは、メキメキ元気になって行った。
よく笑い、口数は少ないながらも、家の手伝いも良くしてくれて、爺さんと私は秀一と出来なかった家族団欒をはじめからもらえた。
私達はね、はじめを助けたんじゃない。
むしろ、はじめに救われたんだよ。
あの子は真っ直ぐな優しい子に育ってくれて、私も爺さんも大変さより幸せだったんだよ。

あの子が中学生になった頃だったかな?
彼女が出来てね。
爺さんと2人、そりゃあ喜んだよ。
あぁ……普通に恋愛も出来る。
これなら、もう安心だとね。
でも、どうやらダメだったみたいでね。
小さな町だから、はじめが彼女を抱こうとしてダメだった話は直ぐに広まった。
元々、内向的な子だから、それが知れ渡っているなんて本人は全く気付いていないようだったけど……。
そこから益々内向的になって、友達も作らずに本ばっかり読んどった。
図書館の本は、ほとんど読んだんじゃなかろうかね?
学校と家の往復しかしなくなって、正直、心配だった。
学校を卒業したら、交友の場が無くなってしまう。
そう考えて、元々頭の良かったはじめを大学に入れる決心をしたんだ。
まぁ、はじめを引き取ったと知り、秀一も申し訳無いという感情があったのかなんなのか……。
養育費と教育費を送ってくれていたので、はじめを大学に通わせたんだよ。
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