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そうだ!会いに行こう!!
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不満そうに唇を尖らせるはじめを無視して、先に母屋に入ると
「田舎料理しか作れないから、お口に合うか分からないけど…」
そう言って、お祖母様がお茶碗を差し出した。
はじめのお客様だからと、精一杯もてなしたいという気持ちが溢れていて、僕まで温かい気持ちになる。
僕が持参した豚肉で作ったという豚汁を口にすると、はじめが毎日作りに来てくれていた優しい味が口の中に広がる。
「あぁ……はじめ君のお料理は、おばあ様の味だったんですね」
思わず笑みがこぼれて呟くと
「おばあ様なんてやめてちょうだい。ばあちゃんで良いですよ。私はそうね……」
と呟いて、僕の名前を思い出している様子のお祖母様に
「創です。僕の名前は、創です」
と伝えると、お祖母様はふわりと笑って
「じゃあ、創って呼んでも良い?」
そう言ってくれた。
他人行儀な「創さん」では無く、「創」と呼んで貰えて、家族として認めてもらえたような気持ちでいると
「え!ばあちゃん、それはあまりにも馴れ馴れしい……」
と、相変わらずこういう空気は読めないはじめの言葉を右手で制し
「はい!是非、創と呼んで下さい」
そう笑顔で答えた。
するとお祖母様は嬉しそうに笑い
「孫が二人になった気分だね」
なんて言ってくれて
「創、これは食べた?」
「創、これは今朝取ってきた山菜の天麩羅だから、 たくさん食べなさい」
と、どんどん食事を勧められて食べる食材は、全て家庭菜園と山の恵みだと聞かされる。
「凄いですね……。僕にも山菜、採れるようになりますかね?」
それは、ここで暮らして行きたいという意思表示も込めて呟いてみた。
するとお祖母様は満面の笑みを浮かべて
「じゃあ、明日は山に山菜を取りに行きましょう」
と答えてくれたのだ。
僕の顔を笑顔で見つめて、何度も頷くお祖母様に僕の意図を汲み取ってくれたように感じた。
そんなお祖母様に感動しているのに、全く空気を読めないはじめが
「え!山菜って!創さん、朝早いんですよ!」
なんて空気をぶち壊して来た。
(本当に……こいつは……)
と、ムッとしながら
「今、ばあちゃんに朝5時起きって聞いたよ!そんなに寝ていたいなら、はじめだけ寝てれば良いだろう」
と答えると、はじめは目をまん丸にして僕を凝視している
そんなはじめを見て、お祖母様は笑顔を浮かべたまま
「はじめ。創は、此処での暮らしを体験してみたいそうだよ。だったら、やらせてあげなさい」
そう言ってお茶を飲み僕に笑顔を向けた。
はじめは困った顔をしながら、僕とお祖母様だけだと心配だと、結局、僕に付き添ってはじめが着いて来る事になった。
洗い物をしようと立ち上がるはじめに
「僕も手伝うよ」
と言うと、はじめが又目をまん丸にしている。
はじめが居なくなって、僕は自分の事は最低限出来るように家事をやるようになった。
はじめに出会うまで、僕は独身を貫くつもりだったから別に食事や自分の身体の事なんてどうでも良かった。
でもはじめと付き合うようになって、食事を気を付けるようになった。
少しは身の回りの事も出来るようにと家事もやるようになり、今日、その成果を発揮する時が来た!
洗う気満々で居ると、お祖母様まで来て
「お客様は休んでいて」
と言われてしまい僕がしょんぼりすると
「じゃあ、こうしましょう!」
そう言ってお祖母様が提案してくれたのは、僕がはじめが洗い上げた食器を拭いてテーブルに置き、お祖母様がその食器を食器棚へ片付けるという流れになった。
食器を片付け終わり、はじめがお風呂を沸かしに外へと向かうのを見掛けた。
「田舎料理しか作れないから、お口に合うか分からないけど…」
そう言って、お祖母様がお茶碗を差し出した。
はじめのお客様だからと、精一杯もてなしたいという気持ちが溢れていて、僕まで温かい気持ちになる。
僕が持参した豚肉で作ったという豚汁を口にすると、はじめが毎日作りに来てくれていた優しい味が口の中に広がる。
「あぁ……はじめ君のお料理は、おばあ様の味だったんですね」
思わず笑みがこぼれて呟くと
「おばあ様なんてやめてちょうだい。ばあちゃんで良いですよ。私はそうね……」
と呟いて、僕の名前を思い出している様子のお祖母様に
「創です。僕の名前は、創です」
と伝えると、お祖母様はふわりと笑って
「じゃあ、創って呼んでも良い?」
そう言ってくれた。
他人行儀な「創さん」では無く、「創」と呼んで貰えて、家族として認めてもらえたような気持ちでいると
「え!ばあちゃん、それはあまりにも馴れ馴れしい……」
と、相変わらずこういう空気は読めないはじめの言葉を右手で制し
「はい!是非、創と呼んで下さい」
そう笑顔で答えた。
するとお祖母様は嬉しそうに笑い
「孫が二人になった気分だね」
なんて言ってくれて
「創、これは食べた?」
「創、これは今朝取ってきた山菜の天麩羅だから、 たくさん食べなさい」
と、どんどん食事を勧められて食べる食材は、全て家庭菜園と山の恵みだと聞かされる。
「凄いですね……。僕にも山菜、採れるようになりますかね?」
それは、ここで暮らして行きたいという意思表示も込めて呟いてみた。
するとお祖母様は満面の笑みを浮かべて
「じゃあ、明日は山に山菜を取りに行きましょう」
と答えてくれたのだ。
僕の顔を笑顔で見つめて、何度も頷くお祖母様に僕の意図を汲み取ってくれたように感じた。
そんなお祖母様に感動しているのに、全く空気を読めないはじめが
「え!山菜って!創さん、朝早いんですよ!」
なんて空気をぶち壊して来た。
(本当に……こいつは……)
と、ムッとしながら
「今、ばあちゃんに朝5時起きって聞いたよ!そんなに寝ていたいなら、はじめだけ寝てれば良いだろう」
と答えると、はじめは目をまん丸にして僕を凝視している
そんなはじめを見て、お祖母様は笑顔を浮かべたまま
「はじめ。創は、此処での暮らしを体験してみたいそうだよ。だったら、やらせてあげなさい」
そう言ってお茶を飲み僕に笑顔を向けた。
はじめは困った顔をしながら、僕とお祖母様だけだと心配だと、結局、僕に付き添ってはじめが着いて来る事になった。
洗い物をしようと立ち上がるはじめに
「僕も手伝うよ」
と言うと、はじめが又目をまん丸にしている。
はじめが居なくなって、僕は自分の事は最低限出来るように家事をやるようになった。
はじめに出会うまで、僕は独身を貫くつもりだったから別に食事や自分の身体の事なんてどうでも良かった。
でもはじめと付き合うようになって、食事を気を付けるようになった。
少しは身の回りの事も出来るようにと家事もやるようになり、今日、その成果を発揮する時が来た!
洗う気満々で居ると、お祖母様まで来て
「お客様は休んでいて」
と言われてしまい僕がしょんぼりすると
「じゃあ、こうしましょう!」
そう言ってお祖母様が提案してくれたのは、僕がはじめが洗い上げた食器を拭いてテーブルに置き、お祖母様がその食器を食器棚へ片付けるという流れになった。
食器を片付け終わり、はじめがお風呂を沸かしに外へと向かうのを見掛けた。
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