野花のような君へ

古紫汐桜

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そうだ!会いに行こう!!!!!

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あの日から、診療所が休みの日はハルさんのお店に行くようになった。
何故か、その度に蔦田さんが漏れなく着いて来るのが意味分からなかったけど……。
なんだかんだとバタバタしていて、僕はすっかり兄達の事を忘れてしまっていた。
そんな土曜日の事だった。
診察が一通り終わり、診療所を閉めていた時だった。
「困ります!診療時間終わってますから!」
診察室のPCの電源を切り、白衣を脱いでハンガーに掛けていた時に外が騒がしくなる。
どうしたんだろう?と思った時、診察室のドアが荒々しく開いた。
「創、家に戻るぞ」
腕を勝兄さんに掴まれ、引き摺られる。
必死に抵抗して、掴まれるものに必死に捕まった。
「嫌だ!帰らない!!僕は、兄さん達のオモチャじゃない!!!」
抵抗しながら叫んだ時だった。
診療所のドアが荒々しく開き
「警察呼びました。今すぐ創先生を離さないなら、貴方達を誘拐容疑で訴えますよ。嫌がる創先生の叫び、外にも聞こえてましたからね」
息を切らせ、蓮君が立っていた。
「蓮君……」
驚いて呟くと
「お前、次から次へと新しい男をタラシこみやがって……」
そう言うと、僕の頬を叩こうと手を振り上げた。
叩かれる!と、目を閉じた瞬間
「痛い痛い痛い!」
と、勝兄さんの声が響く。
驚いて見上げると、蓮君に腕をひねり上げられていた。
「叩かれたら痛いんですよ!そんな事、子供だって知ってる。家に帰ってママに教育してもらえ!」
そう言うと、蓮君は勝兄さんの腕をひねり上げたまま外に放り出した。
外で待っていた秀一兄さんの車に乗り込む勝兄さんを見下ろしながら
「次に此処へ来たら、容赦無く訴えてやる!」
蓮君の声が響く中、サイレンの音が鳴り響いた。
すると
「蓮君、大丈夫?」
と近所の人達も駆け出して来て、辺りが軽いプチパニック。
兄さん達が舌打ちして、荒々しく去って行くのを茫然と見ていると、警察車両が止まり、近所の人達が僕を巻き込まないように
「毎日、不審車両が来て怖いわ~」
「ナンバー控えたから、お巡りさん取り締まって下さいね」
と、警察官に口々話をしている。
どうやら警察に連絡したのは、蓮君では無く近所の人だったらしい。
そんな騒ぎの中、蓮君は診療所のドアを閉めようとしたのを制して
「僕が……、きちんと話をして来ます」
そう言って、事情聴取をする警察官に歩み寄る。
「お騒がせしてすみません。不審車両は、僕の兄達です」
そう切り出し、この日、僕は警察官に兄達の被害届を出した。
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