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嫉妬
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「旨!」
シンプルだけど、美味い。
箸を進めている僕を横目に、火に掛けていた鍋の蓋を開けて中を確認してから出汁を投入。お湯を沸かして手でちぎったコンニャクをポンポン軽やかに入れて行く。
1度湯煎したコンニャクを、ザルにこしてから出汁を投入した鍋に入れて弱火でグツグツ煮込んでいると、コンニャクを沸かしていた小鍋に水を張り、少し沸かしてから塩を投入して火を止めると、さいの目切りにした豆腐を投入。
その間に、食べ終わった僕の食器や使った調理器具を片付け始める。
その手際の良さにあんぐり。
暫くしてから鍋の火にを止め、味噌を溶いて味を確認すると、僕の顔を見て
「食べますか?」
って聞いて来た。
「もう大丈夫なのか?」
身を乗り出して聞くと、苦笑いを浮かべた彼がお椀によそって僕の前に差し出す。
一口、汁をのんでほっこり。
少し味は濃いめだけど、美味い。
すると塩水に入れて置いた大きめにさいの目切りした豆腐を入れ始めた。
「豆腐いれたので、残りは明日、食べて下さいね」
そう言われて
「お前、料理出来るんだな」
って呟くと
「俺が人並みに出来る事は、料理くらいなんで……。田舎料理で良ければ作りに来ます」
と言われた。
僕が勇気を出して
「1人で食べるのは味気無いから、良ければお前も食べて行けよ……」
そう呟くと、彼は驚いた顔をしてから、ふにゃりと笑い
「一緒に食べて良いんですか?」
って聞いて来た。
(くっそ!可愛いな!!)
と、顔には出さずに心の中で悶絶する。
初めて顔を付き合わせて食事をしたが、僕と同じ量で足りるのか疑問になった。
「あのさ……、あんなに鍋に作られても僕1人で食べきれないから、きみは丼で食べれば?」
「あ、でも……」
僕の言葉に戸惑う彼に
「残すの悪いから、むしろ食べてくれないかな?それに僕、あんな鍋いっぱいに作られても、食べきれないよ」
と、つい溜め息交じりに言ってしまう。
すると彼はしょんぼりしてしまい
「すみません」
って謝罪の言葉を口にした。
謝らせたかった訳じゃないのに……。
こんな時、対人スキルが低いと誤解させてしまう。
次の言葉が出てこないで居ると、彼は
「俺……あんなり人付き合いして来なかったので、不快にさせていたらすみません」
そう呟いた。
その時、(あぁ、彼も手探りなんだ……)と感じて、なんだか少しホッとした、
お互いに、手探りで少しずつ互いに居心地が良い距離が掴めれば良いと……僕は本当にそう思って居たんだ。
シンプルだけど、美味い。
箸を進めている僕を横目に、火に掛けていた鍋の蓋を開けて中を確認してから出汁を投入。お湯を沸かして手でちぎったコンニャクをポンポン軽やかに入れて行く。
1度湯煎したコンニャクを、ザルにこしてから出汁を投入した鍋に入れて弱火でグツグツ煮込んでいると、コンニャクを沸かしていた小鍋に水を張り、少し沸かしてから塩を投入して火を止めると、さいの目切りにした豆腐を投入。
その間に、食べ終わった僕の食器や使った調理器具を片付け始める。
その手際の良さにあんぐり。
暫くしてから鍋の火にを止め、味噌を溶いて味を確認すると、僕の顔を見て
「食べますか?」
って聞いて来た。
「もう大丈夫なのか?」
身を乗り出して聞くと、苦笑いを浮かべた彼がお椀によそって僕の前に差し出す。
一口、汁をのんでほっこり。
少し味は濃いめだけど、美味い。
すると塩水に入れて置いた大きめにさいの目切りした豆腐を入れ始めた。
「豆腐いれたので、残りは明日、食べて下さいね」
そう言われて
「お前、料理出来るんだな」
って呟くと
「俺が人並みに出来る事は、料理くらいなんで……。田舎料理で良ければ作りに来ます」
と言われた。
僕が勇気を出して
「1人で食べるのは味気無いから、良ければお前も食べて行けよ……」
そう呟くと、彼は驚いた顔をしてから、ふにゃりと笑い
「一緒に食べて良いんですか?」
って聞いて来た。
(くっそ!可愛いな!!)
と、顔には出さずに心の中で悶絶する。
初めて顔を付き合わせて食事をしたが、僕と同じ量で足りるのか疑問になった。
「あのさ……、あんなに鍋に作られても僕1人で食べきれないから、きみは丼で食べれば?」
「あ、でも……」
僕の言葉に戸惑う彼に
「残すの悪いから、むしろ食べてくれないかな?それに僕、あんな鍋いっぱいに作られても、食べきれないよ」
と、つい溜め息交じりに言ってしまう。
すると彼はしょんぼりしてしまい
「すみません」
って謝罪の言葉を口にした。
謝らせたかった訳じゃないのに……。
こんな時、対人スキルが低いと誤解させてしまう。
次の言葉が出てこないで居ると、彼は
「俺……あんなり人付き合いして来なかったので、不快にさせていたらすみません」
そう呟いた。
その時、(あぁ、彼も手探りなんだ……)と感じて、なんだか少しホッとした、
お互いに、手探りで少しずつ互いに居心地が良い距離が掴めれば良いと……僕は本当にそう思って居たんだ。
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