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ついに……人間を拾ってしまった
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俺、宮本海。28歳
祖父母は俺が二十歳の時に他界して、今や天涯孤独。でも、その方が楽だったりする。
親族が居れば居るで、結婚がどうとか世間体がどうとかうるさいだけだ。
爺ちゃんと婆ちゃんが残した、古い平家一階建の家に一人で暮らしている。
職業は、白い猫のマークの運送会社で働いていて、収入はまぁ……そこそこってところかな?
今日も爺ちゃんと婆ちゃん。
そして啓太の写真が飾られた仏壇に手を合わせ、仕事に出掛ける。
彼女はいないのかって?
残念ながら、俺は女が苦手でね。
母親が啓太を亡くしてから、俺が啓太を殺したと虐待するようになった。
何かと言うと、平手で俺の顔や頭を叩き、酷い時は竹箒で殴り付けた。
それがきっかけなのかはわからないけど、俺は女性という生き物が苦手になった。
婆ちゃんはそんな俺を可愛がってはくれたけど、俺の女嫌いは変わらなかった。
そしていつしか、自分の恋愛対象が男なんだと気付いた。
かと言って、誰かと恋愛するにも時間や暇がないと出来ない訳で……。
俺は高校を新聞奨学生でなんとか卒業。
卒業後はバイト三昧で運転免許を取り、今の職場に就職。
やっと余裕が出来たかと思ったら、30歳目前になっていた。
人生なんて、案外そんなもんだろう。
その日も、いつものように仕事が終わり帰り道を歩いているた。
ただ、いつもと違ったのは、ゴミ捨て場に人が倒れて居るのを発見してしまったという事。
ベタな展開に、普段ならそのまま素通りするんだけど……。
こいつの髪の毛が、啓太と同じ柔らかい髪の毛に薄茶色だったからなのだろうか?
「おい、生きてるか?」
なんて、柄にも無く声を掛けてしまった。
何回か声を掛けると、ぐったりしたそいつがぴくりと動いたのが見えた。
仕方がないと、ため息を吐いてそいつを担ぐ。
そいつの身体は驚く程に軽く、自宅に連れて帰ると、ゴミ臭くなっているこいつの身体をお湯で拭いてやる。
ベタベタした髪の毛は、洗面器を持ってきて洗ってやり、なんとか人間らしくしてから病院に電話した。
爺ちゃんと婆ちゃんがお世話になった、往診してくれる診療所に電話して来てもらう。
診断結果は「栄養失調」
現代の日本において、栄養失調って!!
こいつは3日間眠り続け、4日目にやっと目を覚ました。
祖父母は俺が二十歳の時に他界して、今や天涯孤独。でも、その方が楽だったりする。
親族が居れば居るで、結婚がどうとか世間体がどうとかうるさいだけだ。
爺ちゃんと婆ちゃんが残した、古い平家一階建の家に一人で暮らしている。
職業は、白い猫のマークの運送会社で働いていて、収入はまぁ……そこそこってところかな?
今日も爺ちゃんと婆ちゃん。
そして啓太の写真が飾られた仏壇に手を合わせ、仕事に出掛ける。
彼女はいないのかって?
残念ながら、俺は女が苦手でね。
母親が啓太を亡くしてから、俺が啓太を殺したと虐待するようになった。
何かと言うと、平手で俺の顔や頭を叩き、酷い時は竹箒で殴り付けた。
それがきっかけなのかはわからないけど、俺は女性という生き物が苦手になった。
婆ちゃんはそんな俺を可愛がってはくれたけど、俺の女嫌いは変わらなかった。
そしていつしか、自分の恋愛対象が男なんだと気付いた。
かと言って、誰かと恋愛するにも時間や暇がないと出来ない訳で……。
俺は高校を新聞奨学生でなんとか卒業。
卒業後はバイト三昧で運転免許を取り、今の職場に就職。
やっと余裕が出来たかと思ったら、30歳目前になっていた。
人生なんて、案外そんなもんだろう。
その日も、いつものように仕事が終わり帰り道を歩いているた。
ただ、いつもと違ったのは、ゴミ捨て場に人が倒れて居るのを発見してしまったという事。
ベタな展開に、普段ならそのまま素通りするんだけど……。
こいつの髪の毛が、啓太と同じ柔らかい髪の毛に薄茶色だったからなのだろうか?
「おい、生きてるか?」
なんて、柄にも無く声を掛けてしまった。
何回か声を掛けると、ぐったりしたそいつがぴくりと動いたのが見えた。
仕方がないと、ため息を吐いてそいつを担ぐ。
そいつの身体は驚く程に軽く、自宅に連れて帰ると、ゴミ臭くなっているこいつの身体をお湯で拭いてやる。
ベタベタした髪の毛は、洗面器を持ってきて洗ってやり、なんとか人間らしくしてから病院に電話した。
爺ちゃんと婆ちゃんがお世話になった、往診してくれる診療所に電話して来てもらう。
診断結果は「栄養失調」
現代の日本において、栄養失調って!!
こいつは3日間眠り続け、4日目にやっと目を覚ました。
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