珈琲のお代わりはいかがですか?

古紫汐桜

文字の大きさ
上 下
65 / 75

最終話

しおりを挟む
創さんは戸惑う俺を無視して、俺の手を引っ張り浴室に連れて来た。
すると浴室から、コーヒーの良い香りがする。思わず浴室を開けると、真っ白な浴室に黒いお湯が……。
「期間限定のコーヒー風呂だって。僕とはじめのきっかけはコーヒーだからね。どうしても一緒に入りたくて」
そう言って微笑んだ。
なんだか上手くいいくるめられたような気もするが、創さんと一緒にコーヒー風呂へ。
匂いを嗅ぐと、本物のコーヒーだ!
身体を洗い、湯船に浸かっていると
「…で、はじめ。なんでそんなに離れているんだ?」
と、創さんに言われてしまう。
ラブホのお風呂、広めに出来ていて端と端で向き合って入っている。
丁度、コーヒー色で中味が見えないし。
そう思っていると、創さんの腕が伸びて来て引き寄せられる。
「うわ!」
ってバランスを崩して創さんに抱き着く形になってしまうと
「はじめ、大胆だな」
ってクスクスと笑われてしまう。
「これは創さんが!」
アワアワしながら叫ぶと、創さんは
「まぁ、良いから。折角のコーヒー風呂。一緒に楽しみたいだけだから」
そう言って小さく笑った。
俺は疑いの眼差しを送りながらも、創さんに背中を預けて湯船に浸かり直す。
「此処、ハルさんにも教えて上げたいな」
ぽつりと呟くと、創さんは俺の腰を抱き寄せて
「こら!俺の前で他の男の名前を出さない!」
って怒られてしまう。
コーヒーの香りに癒されながら
「初めてハルさんに会った時、コーヒーの香りがしたんですよ」
そう呟くと、創さんは小さく笑って
「はじめだって、いつもコーヒーの香りがしていたよ」
と言われた。
「え?そうなんですか?」
「うん。だから、僕にとってコーヒーの香りって、はじめの香りなんだよね」
そう言って微笑んだ。
創さんの言葉に、思わず「えへへ」って笑っていると
「どうした?」
って創さんが後から俺の顔を見た。
「だって…創さんいつも、子供達にコーヒーの香りが好きって言ってるじゃないですか。だとしたら、俺の香りが好きなのかなって」
言った後で、恥ずかしくなって顔を両手で隠すと、お尻にゴリっと硬いモノが当たった。
「そ……創さん?」
恐る恐る振り返ると
「はじめ……、此処でそんな可愛い事言うっていうのは、僕を煽ってるんだよね」
と、黒創さんが降臨した。
「え……いや、あの……」
ゆっくり身体を前にして逃げようとすると、腰を掴まれて引き寄せられてしまう。
するりと創さんの手が乳首に触れて、先端を撫でるように触れながら俺の首筋を舐めている。
「はじめ、きみを舐めるとコーヒーの味がするよ」
そう囁いて微笑んでいる。
「創さん、それ……俺じゃなくて、お風呂……」
言いかけた言葉を後から唇を奪われてしまい、最後まで言えず…両胸を指で弄られて腰が揺れてしまう。
「ん……、ふっ……んんっ」
バシャバシャと水が揺れ、創さんの巧みな指の動きと濃厚なキスに身体が溶けて行く。
「はじめ、こっち向いてごらん」
唇が離れ、甘く囁かれて創さんの方に向きを変える。
「はじめ、おいで」
両手を広げられ、俺は創さんの首に腕を回して唇を重ねる。
激しいキスをしながら、創さんの指がゆっくりと腰を撫でて下へと降りて行く。
俺はキスをしながら、少し腰を上げて創さんが触れやすいように腰を突き出す。
創さんの唇がゆっくりと下へと降りて、胸の突起を口で吸うと舌先で乳首の先端を舐める。
「あっ……創さん……」
創さんの頭を抱き締めると、強く吸われて腰がビクビクと動く。
するとゆっくりと創さんの手が俺のお尻の丸みを撫でながら、その奥の蕾へと指を這わせる。
「あん……」
びくりと身体を震わせると、創さんが吸っていた胸から唇を離し、反対側の胸のお湯を舐めるように乳首に吸い付く。
「あっ……」
仰け反る俺の腰を抱き寄せ
「味も香りも全てはじめで満たされて、幸せだよ」
そう囁いた。
「創さん……もう……」
涙で潤んだ瞳で見上げると、創さんは指をゆっくりと中へ差し込む。
「あっ……」
俺が創さんにしがみつくと、ゆっくりと指の抜き差しが始まる。
指と一緒に、珈琲が中へと入り込んで来た。
「あっ……珈琲が……」
ブルっと身体を震わせると
「はじめ、痛くない?」
と、創さんに優しく囁くように聞かれ、首を左右に振る。
「ゆっくり、指を増やすよ」
反対側の手で背中を撫でられ、ゆっくりと指の抜き差しが繰り返される。
創さんは俺の感じる所を中心に攻めて来て、指が3本に増えた頃には、創さん自身を求めて切なくなってくる。
俺が創さんの首筋に舌を這わせると、水滴から珈琲の味がする。
「ふふふ……、創さんも珈琲の味がする」
小さく笑うと、ゆっくりと指が引き抜かれて腰を掴まれた。
「じゃあ、僕もはじめの味がしてるんだね」
そう言うと、創さんはあぐらをかいて
「はじめ、ゆっくり腰を下ろして……」
と囁いた。
俺が創さんの肩に捕まると、創さんの手が俺の双丘を左右に開いてゆっくりと先端を充てがう。
「ズっ……」
と先端を押し込むと、お風呂の湯も一緒に中へと入り込む。
ゆっくりと腰を下ろし、創さんのあぐらをかいている足がお尻に当たった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

ファントムペイン

粒豆
BL
事故で手足を失ってから、恋人・夜鷹は人が変わってしまった。 理不尽に怒鳴り、暴言を吐くようになった。 主人公の燕は、そんな夜鷹と共に暮らし、世話を焼く。 手足を失い、攻撃的になった夜鷹の世話をするのは決して楽ではなかった…… 手足を失った恋人との生活。鬱系BL。 ※四肢欠損などの特殊な表現を含みます。

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

一夜限りで終わらない

ジャム
BL
ある会社員が会社の飲み会で酔っ払った帰りに行きずりでホテルに行ってしまった相手は温厚で優しい白熊獣人 でも、その正体は・・・

【完結】友人のオオカミ獣人は俺の事が好きらしい

れると
BL
ずっと腐れ縁の友人だと思っていた。高卒で進学せず就職した俺に、大学進学して有名な企業にし就職したアイツは、ちょこまかと連絡をくれて、たまに遊びに行くような仲の良いヤツ。それくらいの認識だったんだけどな。・・・あれ?え?そういう事ってどういうこと??

顔も知らない番のアルファよ、オメガの前に跪け!

小池 月
BL
 男性オメガの「本田ルカ」は中学三年のときにアルファにうなじを噛まれた。性的暴行はされていなかったが、通り魔的犯行により知らない相手と番になってしまった。  それからルカは、孤独な発情期を耐えて過ごすことになる。  ルカは十九歳でオメガモデルにスカウトされる。順調にモデルとして活動する中、仕事で出会った俳優の男性アルファ「神宮寺蓮」がルカの番相手と判明する。  ルカは蓮が許せないがオメガの本能は蓮を欲する。そんな相反する思いに悩むルカ。そのルカの苦しみを理解してくれていた周囲の裏切りが発覚し、ルカは誰を信じていいのか混乱してーー。 ★バース性に苦しみながら前を向くルカと、ルカに惹かれることで変わっていく蓮のオメガバースBL★ 性描写のある話には※印をつけます。第12回BL大賞に参加作品です。読んでいただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします(^^♪ 11月27日完結しました✨✨ ありがとうございました☆

処理中です...