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お仕置?
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「あっ……あっ……創さん、もう!」
俺が悲鳴のような声を上げると、創さんは俺の足首にキスをしながら
「1人で泣いてたお仕置だよ」
って微笑んだ。
俺はぼやける視界で、俺を穿ちながら微笑む創さんの顔を見つめた。
2人で愛を誓い合い、すっごく良いムードだった筈なのに……。
「さて……」
そう言うと、創さんが黒い笑顔を浮かべて俺を押し倒した。
「はじめ、今日……僕はとても傷付いたんだよ」
突然言われて、目が点になる。
俺の上に被さる形で上から見下ろし
「ちょうどこのリボンもあるし、今日はお仕置させてもらうからね」
そう言うと、緑色のリボンにキスをした。
リボンにキスをする姿もカッコイイなぁ~なんて、ぽぉ~っと見蕩れてしまっていると
「はじめは、本当にこの顔が好きだね」
そう言うと、創さんは俺の頬にキスをした。
「あの!俺、創さんの顔だけが好きな……ひゃあ!」
俺が「創さんの顔だけが好きな訳じゃない!」って言おうとしたのに、耳朶を甘噛みされて変な声が出てしまった。
「僕の顔だけが好きな……何?」
分かってる癖に、意地悪く首筋に唇を這わせながら創さんが聞いてくる。
「だってはじめ。付き合う前は、いつも僕の顔を穴が空くほど見ていたじゃないか……」
パジャマのボタンを慣れた手つきで外し、創さんの綺麗な手が差し込まれる。
「それは……」
「それは?」
わざと意地悪く、俺の首筋から鎖骨に唇を移動させながら聞いて来る。
「見つめる事しか……出来なかったから……」
ポツリとそう呟いた。
「俺みたいな奴に……まさか創さんが、こ……恋人になってくれるなんて思わないし……んっ……」
鎖骨を舌でなぞられ、ゆっくりと左手で撫でている俺の胸の反対側に唇を寄せる。
息が上がり、気を抜くと甘い声がもれてしまう。
「俺みたいな奴ね……」
呆れた声で呟く創さんに視線を向けると、創さんは俺の頭を撫でて
「早くその『俺みたいな奴』が、はじめの中から取れれば良いのにな」
そう呟いた。
疑問の視線を送ると、創さんは小さく笑い
「世の中にはさ、『なんか』が着く人間なんて居ないんだよ。僕が愛しているはじめは、世界中の何処を探しても、今、僕の目の前に居るはじめだけなんだ。僕が愛おしいと思うのも、大切にしたい、こうして触れ合いたいと思うのは、はじめだからなんだよ」
創さんはそう言うと、俺の額にキスをした。
(あぁ……この人は、なんでこんなにも優しくて、愛おしいんだろう)
僕は美しくて優しい恋人を、ギュッと抱き締めた。
「はじめ?」
そんな俺に驚いたような声を発し、創さんが俺の顔を見た。
「俺……本当に、創さんに好きになってもらえて良かったです!」
そう言って泣き出した俺に、創さんは生クリームみたいに甘い笑顔を浮かべて
「はじめ、言葉が違うよ。僕の方が先に好きになったんだから」
と言って、俺の涙を唇で拭う。
「え!違いますよ!俺が先に一目惚れして、コーヒーのお代わりを……」
反論仕掛けた言葉を、創さんの綺麗な人差し指が触れて制止する。
「この話はもうお終い。これからは、お仕置の時間だよ」
耳元で甘く囁かれ、「ちゅっ」と唇に軽くキスを落とす。
「はじめ…今日は優しく出来ないから、覚悟してね」
言ってる言葉は恐ろしいのに、美形の笑顔は人間の思考力を停止させる威力があるらしい。
「はい……」
そう返事をしてしまった事を、後で心から後悔する事になるなんて、この時の俺には知る由もない。
俺が悲鳴のような声を上げると、創さんは俺の足首にキスをしながら
「1人で泣いてたお仕置だよ」
って微笑んだ。
俺はぼやける視界で、俺を穿ちながら微笑む創さんの顔を見つめた。
2人で愛を誓い合い、すっごく良いムードだった筈なのに……。
「さて……」
そう言うと、創さんが黒い笑顔を浮かべて俺を押し倒した。
「はじめ、今日……僕はとても傷付いたんだよ」
突然言われて、目が点になる。
俺の上に被さる形で上から見下ろし
「ちょうどこのリボンもあるし、今日はお仕置させてもらうからね」
そう言うと、緑色のリボンにキスをした。
リボンにキスをする姿もカッコイイなぁ~なんて、ぽぉ~っと見蕩れてしまっていると
「はじめは、本当にこの顔が好きだね」
そう言うと、創さんは俺の頬にキスをした。
「あの!俺、創さんの顔だけが好きな……ひゃあ!」
俺が「創さんの顔だけが好きな訳じゃない!」って言おうとしたのに、耳朶を甘噛みされて変な声が出てしまった。
「僕の顔だけが好きな……何?」
分かってる癖に、意地悪く首筋に唇を這わせながら創さんが聞いてくる。
「だってはじめ。付き合う前は、いつも僕の顔を穴が空くほど見ていたじゃないか……」
パジャマのボタンを慣れた手つきで外し、創さんの綺麗な手が差し込まれる。
「それは……」
「それは?」
わざと意地悪く、俺の首筋から鎖骨に唇を移動させながら聞いて来る。
「見つめる事しか……出来なかったから……」
ポツリとそう呟いた。
「俺みたいな奴に……まさか創さんが、こ……恋人になってくれるなんて思わないし……んっ……」
鎖骨を舌でなぞられ、ゆっくりと左手で撫でている俺の胸の反対側に唇を寄せる。
息が上がり、気を抜くと甘い声がもれてしまう。
「俺みたいな奴ね……」
呆れた声で呟く創さんに視線を向けると、創さんは俺の頭を撫でて
「早くその『俺みたいな奴』が、はじめの中から取れれば良いのにな」
そう呟いた。
疑問の視線を送ると、創さんは小さく笑い
「世の中にはさ、『なんか』が着く人間なんて居ないんだよ。僕が愛しているはじめは、世界中の何処を探しても、今、僕の目の前に居るはじめだけなんだ。僕が愛おしいと思うのも、大切にしたい、こうして触れ合いたいと思うのは、はじめだからなんだよ」
創さんはそう言うと、俺の額にキスをした。
(あぁ……この人は、なんでこんなにも優しくて、愛おしいんだろう)
僕は美しくて優しい恋人を、ギュッと抱き締めた。
「はじめ?」
そんな俺に驚いたような声を発し、創さんが俺の顔を見た。
「俺……本当に、創さんに好きになってもらえて良かったです!」
そう言って泣き出した俺に、創さんは生クリームみたいに甘い笑顔を浮かべて
「はじめ、言葉が違うよ。僕の方が先に好きになったんだから」
と言って、俺の涙を唇で拭う。
「え!違いますよ!俺が先に一目惚れして、コーヒーのお代わりを……」
反論仕掛けた言葉を、創さんの綺麗な人差し指が触れて制止する。
「この話はもうお終い。これからは、お仕置の時間だよ」
耳元で甘く囁かれ、「ちゅっ」と唇に軽くキスを落とす。
「はじめ…今日は優しく出来ないから、覚悟してね」
言ってる言葉は恐ろしいのに、美形の笑顔は人間の思考力を停止させる威力があるらしい。
「はい……」
そう返事をしてしまった事を、後で心から後悔する事になるなんて、この時の俺には知る由もない。
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