珈琲のお代わりはいかがですか？

折角のムードが……

驚いた顔をする創さんに、いたたまれずに視線を外した俺。
すると創さんは
「ぶっ…」
って吹き出すと、お腹を抱えて笑い出した。
「お前、夕飯要らないんじゃなかったのか？」
俺から退いて、胡座をかいて座る創さんが大爆笑している。
「すみません……安心したら、お腹が空いちゃいました」
真っ赤になって答える俺の両手を掴み、創さんがゆっくりと俺の身体を起こすと
「取り敢えず、夕飯にしよう」
そう言って俺の頭を撫でた。
前を歩く創さんに
「あの……タイミング悪くてすみません」
と呟くと、創さんはニヤリと微笑んで俺の手を引き寄せると
「なに、まだ夜は長いからな。2日間出来なかった分、今夜はたっぷり抱かせてもらうから、しっかり夕飯食べとけよ」
と囁いた。
真っ赤になった俺に、創さんは悪戯っ子の笑みを浮かべて
「期待して頂けて光栄です」
って言うと、頬にキスをした。
「き……期待なんかしてません！」
そう叫んで、俺は足早に母屋の入口の引き戸を開く。
すると子供達が
「あ～！やっと来た！早く早く！」
そう叫んで、俺と創さんの手を引いて食卓へと連れて行く。
「全く……イチャイチャすんのは、真夜中だけにしとくれよ！」
と婆ちゃんからツッコミをもらい、俺と創さんは赤面しながら席に着く。
すると子供達が、ご飯とお味噌汁を配膳し始めた。
「全員揃ったな！じゃあ」
の爺ちゃん掛け声と共に
「いただきます！」
と、全員で声を揃えて食事が始まった。
子供達の明るい声、それを見守りながら食事する爺ちゃんと婆ちゃん。
俺と創さんは顔を見合わせてから、食事を始めた。