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4人で見上げた満天の星空
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その日は日暮れまで蓮君と友也に遊んでもらった子供達は、すっかり2人に懐いていた。
男子ヤンチャチームと、爺ちゃんが作った露天風呂に向かう友也と蓮君を見送り、俺とハルさん。健人君で婆ちゃんと夕飯の支度をしたり、子供達の部屋に寝床の用意をした。
子供達は爺ちゃんと俺で作った屋根裏部屋に寝るのだが、何故か蓮君と友也がそこで寝る事になったらしい。
「はじめ先生も、今日はこっちで一緒に寝よう!」
と誘われ、恐る恐る創さんの顔を見ると
「じゃあ、今日はみんなで寝るか!」
って、屋根裏部屋に布団ぎっちり敷いて雑魚寝が決定。
子供達が大喜びして
「はじめ先生、はじめ先生は美咲の隣」
って、美咲ちゃんに手を引かれる。
すると友也が
「え~、美咲ちゃん。俺と寝ないの?」
と、美咲ちゃんの高さになるように座って聞くと
「じゃあ、友也は反対側に寝て良いよ!」
って答えている。
すると友也が
「俺は寝て良いんだって」
と苦笑いして、俺の顔を見た。
「明日は、みんなで高台にお弁当持って遊びに行こうか?」
珍しく創さんが提案すると、子供達は大はしゃぎ。
「じゃあ、そうと決まったら早く寝ないとね」
ハルさんが微笑んで言うと、数人の男子がモジモジしながら、ハルさんの左右に寝床をキープしていた。
「子供……侮れないな」
目を座らせて呟いた蓮君に、創さんが目を輝かせて
「だろう!」
って叫んでる。
さすがなのは健人君。
すっかり小学生女子コンビを手懐けている。
2人は健人君を間に挟み、寝床を確保。
実は小学生女子コンビの会話が聞こえて来たのだが
「健人兄ちゃんは、絶対女子に優しいよ」
「蓮兄ちゃん、イケメンだけど硬派よね」
「分かる~!しかもさ、ハル兄ちゃんに近付くと睨むのよ!」
「分かる~!創先生と同類よね~」
「友也お兄ちゃんはわんこ系だから、年上が良いと思うの~」
という会話をしていた。
小さくても、女の子なんだなぁ~と苦笑いして聞いていたのだが。
どうやら標的を健人君に絞ったらしい。
前に友也から聞いた話では、友也と付き合う前は彼女を取っかえ引っ変えしていたそうだ。
まぁ、確かにイケメンで物腰が柔らかいとなると、そうなるか……。
子供達はひとしきりはしゃいで、一人、また一人と眠りの中に誘われて行く。
全員が寝静まった頃、俺達は寝室から抜け出して、夜の散策に駆り出した。
初めて創さんを連れて来た時に感動していた場所へと4人を連れて行き、みんなで満天の星空を見上げた。
俺の大好きな人達に、俺が大好きな場所を紹介出来る幸せを噛み締めていると
「きっと……創先生は熊さんを下山させないと思うから、俺達が遊びに来るね」
空を見上げていた友也が、ゆっくり俺に視線を移して笑顔を浮かべた。
「うん、いつでも遊びに来いよ」
そう言って笑い合う。
友也には、たくさんお世話になった。
それなのに不義理している俺を、こうして今でも友達だと慕ってくれている事に感謝しかない。
そんな友也も、随分見ないうちに穏やかな表情を見せるようになった。
友也や健人君。ハルさんや蓮君も、それぞれ左薬指にペアリングをはめている。
俺と創さんは、同じ籍になったから必要無いと言えば必要無いんだけど……。
こうして見ていると、羨ましいなぁ~って思ってしまう。
人間って欲深い生き物なんだな…って、自嘲気味に苦笑いをして、俺は夜空一面を埋め尽くす満天の星空へと視線を戻した。
男子ヤンチャチームと、爺ちゃんが作った露天風呂に向かう友也と蓮君を見送り、俺とハルさん。健人君で婆ちゃんと夕飯の支度をしたり、子供達の部屋に寝床の用意をした。
子供達は爺ちゃんと俺で作った屋根裏部屋に寝るのだが、何故か蓮君と友也がそこで寝る事になったらしい。
「はじめ先生も、今日はこっちで一緒に寝よう!」
と誘われ、恐る恐る創さんの顔を見ると
「じゃあ、今日はみんなで寝るか!」
って、屋根裏部屋に布団ぎっちり敷いて雑魚寝が決定。
子供達が大喜びして
「はじめ先生、はじめ先生は美咲の隣」
って、美咲ちゃんに手を引かれる。
すると友也が
「え~、美咲ちゃん。俺と寝ないの?」
と、美咲ちゃんの高さになるように座って聞くと
「じゃあ、友也は反対側に寝て良いよ!」
って答えている。
すると友也が
「俺は寝て良いんだって」
と苦笑いして、俺の顔を見た。
「明日は、みんなで高台にお弁当持って遊びに行こうか?」
珍しく創さんが提案すると、子供達は大はしゃぎ。
「じゃあ、そうと決まったら早く寝ないとね」
ハルさんが微笑んで言うと、数人の男子がモジモジしながら、ハルさんの左右に寝床をキープしていた。
「子供……侮れないな」
目を座らせて呟いた蓮君に、創さんが目を輝かせて
「だろう!」
って叫んでる。
さすがなのは健人君。
すっかり小学生女子コンビを手懐けている。
2人は健人君を間に挟み、寝床を確保。
実は小学生女子コンビの会話が聞こえて来たのだが
「健人兄ちゃんは、絶対女子に優しいよ」
「蓮兄ちゃん、イケメンだけど硬派よね」
「分かる~!しかもさ、ハル兄ちゃんに近付くと睨むのよ!」
「分かる~!創先生と同類よね~」
「友也お兄ちゃんはわんこ系だから、年上が良いと思うの~」
という会話をしていた。
小さくても、女の子なんだなぁ~と苦笑いして聞いていたのだが。
どうやら標的を健人君に絞ったらしい。
前に友也から聞いた話では、友也と付き合う前は彼女を取っかえ引っ変えしていたそうだ。
まぁ、確かにイケメンで物腰が柔らかいとなると、そうなるか……。
子供達はひとしきりはしゃいで、一人、また一人と眠りの中に誘われて行く。
全員が寝静まった頃、俺達は寝室から抜け出して、夜の散策に駆り出した。
初めて創さんを連れて来た時に感動していた場所へと4人を連れて行き、みんなで満天の星空を見上げた。
俺の大好きな人達に、俺が大好きな場所を紹介出来る幸せを噛み締めていると
「きっと……創先生は熊さんを下山させないと思うから、俺達が遊びに来るね」
空を見上げていた友也が、ゆっくり俺に視線を移して笑顔を浮かべた。
「うん、いつでも遊びに来いよ」
そう言って笑い合う。
友也には、たくさんお世話になった。
それなのに不義理している俺を、こうして今でも友達だと慕ってくれている事に感謝しかない。
そんな友也も、随分見ないうちに穏やかな表情を見せるようになった。
友也や健人君。ハルさんや蓮君も、それぞれ左薬指にペアリングをはめている。
俺と創さんは、同じ籍になったから必要無いと言えば必要無いんだけど……。
こうして見ていると、羨ましいなぁ~って思ってしまう。
人間って欲深い生き物なんだな…って、自嘲気味に苦笑いをして、俺は夜空一面を埋め尽くす満天の星空へと視線を戻した。
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