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ハルさんの言葉
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「ケーキ……美味しいです」
呟いた俺に、ハルさんは微笑んで
「本当に?蓮も健人君も友也君も、このケーキを食べて大きくなったからね」
3人に微笑むハルさんは本当に綺麗で、そんな時は父親でもあり母親みたいな顔になる。
「蓮もこの子達みたいな時があったのになぁ~」
あっという間にケーキを食べてしまった子供達を見て呟いたハルさんに、蓮君がハルさんの手を握り真顔で
「いつでも子作りOKだぞ!」
と言って、友也と健人に
「子供達の前で、下品な発言禁止!」
って殴られてる。
すると男子チームが目を輝かせて
「下品!下品!」
と言いながら、蓮君を指差して笑ってる。
「お前ら!指さすな!」
そう叫び、子供達と追い掛けっこを始めた。
「キャー!」
と叫びながらはしゃぐ子供を、蓮君は捕まえた子から高く抱き上げる。
いつの間にか子供達と打ち解けて
「家の中じゃ、物を壊しちゃうから外に行こう!」
と叫ぶと、子供達が
「おー!」
って叫んで外に飛び出して行った。
「じゃあ、俺も付き合ってくるから、後片付け任せて良い?」
玄関で靴紐を結ぶ友也に、ハルさんは笑顔を浮かべて
「はしゃぎすぎて、怪我しないようにな!」
と、ケーキ皿を片付けながら答えた。
俺とハルさんが食器を片付けていると、ちょうど爺ちゃんが猟から戻って来た。
あんなに片足を引きずっていたのに、子供達が来てからすっかり元気になってしまい、お医者さんもびっくりしていた。
「あ!初めまして。小野瀬健人です」
俺達の手伝いをしていた健人君が、爺ちゃんに挨拶をすると
「あぁ!あんたが!」
そう言って微笑んだ。
健人君は、爺ちゃんが仕留めた鹿やイノシシを買ってお店で出してくれているのだ。
今日、ここに来たのも、本当は健人君が爺ちゃんと今後の話をする為だった。
そのついでに、うちの畑で採れた野菜や果物を、健人君やハルさんのお店で買ってもらっているので、婆ちゃんが泊まりに来いと誘って、みんなが遊びに来たのだ。
俺とハルさんで洗い物をしている間に、婆ちゃんは夕飯の下ごしらえをしている。
外からは子供達のはしゃぐ声に、蓮君と友也の笑い声が聞こえる。
創さんはその間に、残っている仕事を片付けに離れに戻った。
俺達は台所で片付けを終えると、ハルさんは優しい笑顔を浮かべ
「熊さんが、何で優しいのか分かった気がするよ」
と、ポツリと呟いた。
「こんな自然豊かな場所で、お爺様とお婆様の愛情に育まれて育ったから、誰に対しても真っ直ぐで優しいんだね」
そう言うと
「創先生が、あんなに表情豊かで穏やかな顔になったのも、理解出来るよ」
と言って微笑んだ。
俺はハルさんの言葉に、なんか熱いモノが込み上げて来て泣きそうになった。
創さんは俺との生活を守る為に、クリニックを閉じて爺ちゃんが通う総合病院の心療内科医になった。
片道1時間の通勤も、決して嫌がらずに通ってくれている。
仕事が大変だろうに、家の事も子供達の事も一緒にやってくれる。
時々、こんなに幸せで良いのだろうか?と考えてしまう。
呟いた俺に、ハルさんは微笑んで
「本当に?蓮も健人君も友也君も、このケーキを食べて大きくなったからね」
3人に微笑むハルさんは本当に綺麗で、そんな時は父親でもあり母親みたいな顔になる。
「蓮もこの子達みたいな時があったのになぁ~」
あっという間にケーキを食べてしまった子供達を見て呟いたハルさんに、蓮君がハルさんの手を握り真顔で
「いつでも子作りOKだぞ!」
と言って、友也と健人に
「子供達の前で、下品な発言禁止!」
って殴られてる。
すると男子チームが目を輝かせて
「下品!下品!」
と言いながら、蓮君を指差して笑ってる。
「お前ら!指さすな!」
そう叫び、子供達と追い掛けっこを始めた。
「キャー!」
と叫びながらはしゃぐ子供を、蓮君は捕まえた子から高く抱き上げる。
いつの間にか子供達と打ち解けて
「家の中じゃ、物を壊しちゃうから外に行こう!」
と叫ぶと、子供達が
「おー!」
って叫んで外に飛び出して行った。
「じゃあ、俺も付き合ってくるから、後片付け任せて良い?」
玄関で靴紐を結ぶ友也に、ハルさんは笑顔を浮かべて
「はしゃぎすぎて、怪我しないようにな!」
と、ケーキ皿を片付けながら答えた。
俺とハルさんが食器を片付けていると、ちょうど爺ちゃんが猟から戻って来た。
あんなに片足を引きずっていたのに、子供達が来てからすっかり元気になってしまい、お医者さんもびっくりしていた。
「あ!初めまして。小野瀬健人です」
俺達の手伝いをしていた健人君が、爺ちゃんに挨拶をすると
「あぁ!あんたが!」
そう言って微笑んだ。
健人君は、爺ちゃんが仕留めた鹿やイノシシを買ってお店で出してくれているのだ。
今日、ここに来たのも、本当は健人君が爺ちゃんと今後の話をする為だった。
そのついでに、うちの畑で採れた野菜や果物を、健人君やハルさんのお店で買ってもらっているので、婆ちゃんが泊まりに来いと誘って、みんなが遊びに来たのだ。
俺とハルさんで洗い物をしている間に、婆ちゃんは夕飯の下ごしらえをしている。
外からは子供達のはしゃぐ声に、蓮君と友也の笑い声が聞こえる。
創さんはその間に、残っている仕事を片付けに離れに戻った。
俺達は台所で片付けを終えると、ハルさんは優しい笑顔を浮かべ
「熊さんが、何で優しいのか分かった気がするよ」
と、ポツリと呟いた。
「こんな自然豊かな場所で、お爺様とお婆様の愛情に育まれて育ったから、誰に対しても真っ直ぐで優しいんだね」
そう言うと
「創先生が、あんなに表情豊かで穏やかな顔になったのも、理解出来るよ」
と言って微笑んだ。
俺はハルさんの言葉に、なんか熱いモノが込み上げて来て泣きそうになった。
創さんは俺との生活を守る為に、クリニックを閉じて爺ちゃんが通う総合病院の心療内科医になった。
片道1時間の通勤も、決して嫌がらずに通ってくれている。
仕事が大変だろうに、家の事も子供達の事も一緒にやってくれる。
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