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これからの俺たち
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俺は創さんの言葉に耳を疑った。
(夢?……まさか又、都合の良い夢をみているのだろうか?)
ぼんやりしている俺に、創さんが不安そうな瞳で俺をみつめる。
「それとも、もうはじめは僕に気持ちは無いのか?」
悲しそうに呟かれて
「そんな訳、無いじゃないですか!」
思わず叫んで創さんを抱き締めようとした瞬間
「はじめ! ご飯用意出来たよ」
って、婆ちゃんが母屋から叫んだ。
「おばあ様が呼んでるから、行こうか」
そう言って立ち上がった創さん。
タイミングが最悪過ぎで、抱き締めようとした手が空振りしてしまう。
どうして俺って、いつもタイミングが掴めないんだろうって落ち込んでいると
「はじめ! 聞こえたかい?」
ばあちゃんが離れのドアを開けて入って来た。
「すみません、今、伺います」
ばあちゃんに笑顔で答える創さんに、ばあちゃんは微笑んで
「近くで見ると、本当に良い男だよね」
って呟いた。
創さんが驚いた顔をしてばあちゃんを見ると
「はじめは、昔から面食いだったからね」
と、意味深な言葉を吐いてから
「冷める前に、早く来てちょうだいよ」
そう言い残して母屋へと戻って行った。
創さんが驚いた顔のまま
「はじめ……まさか、僕の話をおばあさまに……?」
と呟いた言葉をかき消すように
「言う訳ないじゃないですか!」
って、思わず叫んでしまった。
創さんはどう受け取ったのか、少し傷付いたような笑顔を浮かべて
「そうだよね、ごめん」
と言ってドアに向かって歩き出そうとした。
このまま誤解させたままじゃダメだって思って、慌てて創さんの腕を掴んだ。
「誤解しないで下さい。俺が創さんを好きだって気持ちを誰に知られたって構わないって思ってます。ただ、それで創さんに迷惑をかけたくないだけで……」
そう呟いた俺に、創さんは小さく微笑み
「はじめは……本当に優しいよね」
って呟いた。
まだ誤解したままなんじゃないかって不安でいると、創さんは俺の手をゆっくりと外して
「早く母屋へ行こう。おばあ様が作ってくださった食事が冷めちゃうよ」
と言って俺に背を向けた。
俺はゆっくりと立ち上がり、靴を履く創さんの後を着いて行った。
(夢?……まさか又、都合の良い夢をみているのだろうか?)
ぼんやりしている俺に、創さんが不安そうな瞳で俺をみつめる。
「それとも、もうはじめは僕に気持ちは無いのか?」
悲しそうに呟かれて
「そんな訳、無いじゃないですか!」
思わず叫んで創さんを抱き締めようとした瞬間
「はじめ! ご飯用意出来たよ」
って、婆ちゃんが母屋から叫んだ。
「おばあ様が呼んでるから、行こうか」
そう言って立ち上がった創さん。
タイミングが最悪過ぎで、抱き締めようとした手が空振りしてしまう。
どうして俺って、いつもタイミングが掴めないんだろうって落ち込んでいると
「はじめ! 聞こえたかい?」
ばあちゃんが離れのドアを開けて入って来た。
「すみません、今、伺います」
ばあちゃんに笑顔で答える創さんに、ばあちゃんは微笑んで
「近くで見ると、本当に良い男だよね」
って呟いた。
創さんが驚いた顔をしてばあちゃんを見ると
「はじめは、昔から面食いだったからね」
と、意味深な言葉を吐いてから
「冷める前に、早く来てちょうだいよ」
そう言い残して母屋へと戻って行った。
創さんが驚いた顔のまま
「はじめ……まさか、僕の話をおばあさまに……?」
と呟いた言葉をかき消すように
「言う訳ないじゃないですか!」
って、思わず叫んでしまった。
創さんはどう受け取ったのか、少し傷付いたような笑顔を浮かべて
「そうだよね、ごめん」
と言ってドアに向かって歩き出そうとした。
このまま誤解させたままじゃダメだって思って、慌てて創さんの腕を掴んだ。
「誤解しないで下さい。俺が創さんを好きだって気持ちを誰に知られたって構わないって思ってます。ただ、それで創さんに迷惑をかけたくないだけで……」
そう呟いた俺に、創さんは小さく微笑み
「はじめは……本当に優しいよね」
って呟いた。
まだ誤解したままなんじゃないかって不安でいると、創さんは俺の手をゆっくりと外して
「早く母屋へ行こう。おばあ様が作ってくださった食事が冷めちゃうよ」
と言って俺に背を向けた。
俺はゆっくりと立ち上がり、靴を履く創さんの後を着いて行った。
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