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突然の別れ
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その日は突然やって来た。
バイト中、お店の電話に爺ちゃんが危篤だと電話が入った。
俺は地元の病院へ向かう為、友也に創さんへ田舎へ一時帰宅すると伝言を頼み、蓮とハルさんにも俺の留守の間、創さんをお願いしますと伝言を付け加えて飛び出した。
どうやら、猟の最中に山の斜面で足を滑らせて落ちたらしい。
一命は取り留めたが、もう猟は出来ないと医師から言われてしまう。
爺ちゃんが留守の間、畑を婆ちゃん一人に任せるわけにもいかない。
俺は覚悟を決めて、大学を中退する事にした。元々、何かを目指していた訳では無かったし、大学へは知識を学びに行っていたというだけだったから未練は無かった。
ただ…創さんの事だけが心残りだった。
病院から創さんに連絡すると
「僕の心配は良いから、お爺様とお婆様の力になってやれ」
と言われたきり。
爺ちゃんと婆ちゃんが住む家は、まさにテレビでやっているポツンとなんとかって番組状態なもんで、スマホは電波が届かない。
固定電話はあるものの、創さんは知らない番号の電話には絶対に出ないから連絡出来ないままひと月が経過した。
大学の退学届けを出しに1度戻らないといけないと思いながら、荷物を取りに創さんの家にも行かないと……って考えていた。
とはいえ、創さんの家にある荷物は衣類と大学で使う教科書類のみ。
……でも、それを引き取ってしまったら、創さんとも終わってしまいそうで怖かった。
元々、「愛してる」とかそんな甘い言葉を交わした関係では無いし、少しずつ好意は感じ始めては居たけど……創さんの気持ちと俺の気持ちが、同じとは限らない。
もう、諦めろという神様からの啓示なのかもしれないと思い始めていた。
バイト中、お店の電話に爺ちゃんが危篤だと電話が入った。
俺は地元の病院へ向かう為、友也に創さんへ田舎へ一時帰宅すると伝言を頼み、蓮とハルさんにも俺の留守の間、創さんをお願いしますと伝言を付け加えて飛び出した。
どうやら、猟の最中に山の斜面で足を滑らせて落ちたらしい。
一命は取り留めたが、もう猟は出来ないと医師から言われてしまう。
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……でも、それを引き取ってしまったら、創さんとも終わってしまいそうで怖かった。
元々、「愛してる」とかそんな甘い言葉を交わした関係では無いし、少しずつ好意は感じ始めては居たけど……創さんの気持ちと俺の気持ちが、同じとは限らない。
もう、諦めろという神様からの啓示なのかもしれないと思い始めていた。
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