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久し振りの二人だけの時間①

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 きっとアレンは、本当に優しい人なのだろう。
『優しく出来ない』と言いつつも、アレンとの神事は甘くてフワフワした……昔、母様から話を聞いた綿飴ってお菓子みたいだ。
綿飴って雲みたいで、食べると甘くて溶けるんだって。
アレンの触れ方は、本当に優しい。
まるで宝物のように、僕に触れてくれる。
「あっ……んっ……」
首筋に触れるキスも、僕の肌に触れる手も……、もどかしい位に優しいのだ。
時々、激情のままに求めて欲しいと思ってしまうけど、アレンは抱かれる側を知っているからこそ、僕の身体の負担を考えてしまうのかもしれない。
ゆっくりとアレンの唇が下りてきて、僕の胸元の小さな飾りに舌を這わせる。
「あっ……」
ビクリと身体が震え、声が漏れてしまい羞恥に顔が熱くなる。
口元に手を当てると
「亜蘭、声を聴かせて……」
掠れたアレンの声に身体が震える。
「だって……恥ずかしい……」
真っ赤になる僕の目元にキスを落とすと
「亜蘭、恥ずかしくないよ……。きみの声に、俺は煽られてばかりだよ」
苦笑いを浮かべ、熱くなったアレン自身を僕自身にグリっと押し付けた。
「あぅ……」
仰け反る僕の喉元に吸い付くと
「亜蘭……俺がこんな風になるのは、きみだけだよ」
そう囁かれて、僕は潤む視界でアレンを見上げた。
優しい黄金の瞳が、僕を愛おしそうに目を細めて見つめている。
僕は両手を広げて
「アレン、キスして……」
と、キスをねだる。
アレンの唇が重なり、キスが落とされる。
大好きなアレンの柔らかい唇が、ゆっくりと僕の身体を伝う。
唇が胸元に再び下りてきて、唇とアレンの細くて長い指が僕の胸に刺激を与える。
「あんっ……あっ……あっ……」
甘い声が漏れる中、胸に吸い付くアレンの唇が立てる音と与える快楽に溶かされて行く。
胸を左右堪能すると、アレンの唇がゆっくりと下へと下りて行き、僕のボトムを下着ごと脱がせた。
その時に上半身を起こし、アレンのシャツを脱ぎ捨てる。
顕になったアレンの鍛え上げられた上半身と、褐色の肌にアレンの情欲に濡れた瞳が匂い立つ色気を醸し出して、それだけでイきそうになる。
「アレン……」
手を差し出すと、アレンが僕の手を握り締め
「ん?」
と、甘い声で僕に微笑む。
この甘い空気だけで、溶けてしまいそうになる。
両手を握り締めた状態で、アレンが僕自身を口に含み刺激を始めた。
「あっ……ダメっ! 直ぐ出ちゃう!」
久し振り過ぎて、アレンの与える刺激に腰が勝手に動いてしまう。
ジュブジュブと音を立てながら吸い上げられ、身体がガクガクと震えて来る。
「アレン、離して! 出ちゃう、出ちゃうからァ~」
首を必死に左右に振って、与えられる刺激を散らそうとするけど、アレンはさらに攻め立てるように激しく刺激を与えて来て
「ダメダメダメ……もぅ……いっくぅ……」
身体を震わせ、アレンの口の中へと欲望を吐き出した。
握り締めた手に力を入れられ、逃げられない状態で欲望を吐き出すと、アレンは最後の一滴まで吸い尽くすように舌を絡めて刺激した。
「はぁはぁ……」
と、荒く呼吸をする僕の手を離すと、優しく抱き寄せて
「亜蘭、久し振りだから解しますね」
そう言って、香油を取り出して手のひらに落として行く。
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