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暴発した翌日は騒がしかった①
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目を覚ますと、自分の部屋で眠っていた。
「亜蘭、大丈夫か?」
心配そうな顔をした、デーヴィドが顔を出した。
「僕……」
「大丈夫だ。亜蘭は、何も心配しなくて良い」
そう言われて、頭を優しく撫でられた。
ぼんやりとした意識の中、ハッと我に返ってアレクサス王子を探した。
僕を心配してくれたのに、僕はパニックを起こして酷い事をしてしまった。
「デーヴィド、アレクサス王子は?」
部屋を見回しても、何処にも居ない。
「大丈夫だ。部屋で待機している」
「僕……謝らなくちゃ……」
ベッドから起き上がり、部屋から出ようとして目眩がする。
「亜蘭、落ち着いて聞いて」
フラフラする僕の身体を抱き留め、デーヴィドが呟いた。
「このままアレクサス王子と一緒に居たら、危険だ」
デーヴィドの言葉に、涙が込み上げて来た。
分かっていた。
多分、僕はエネルギー過多を起こして暴発したんだ。本来なら、デーヴィドが居れば暴発しない。
でも、アレクサス王子に欲情した感情を抑え込んだ事により、強いパワーが発生してエネルギー過多を起こしたのだろう。
今、鎮まっているって事は、デーヴィドが肩代わりしてくれたって事なんだろうと、ぼんやりと考えていた。
「デーヴィド、ごめんなさい」
ポツリと呟くと、デーヴィドは小さく笑い
「俺の事は気にするな。亜蘭は、自分で始末する方法をまだ知らないだろう?」
そう言って僕の頭を撫でた。
「暴発って、あんなに苦しいんだね」
ポツリと呟くと
「なあ! 俺もびっくりしたよ」
と、デーヴィドが笑っている。
「え? デーヴィドは経験無いの?」
驚いて聞くと、デーヴィドは少し考えてから
「無い……なぁ……」
と、答えた。
(なんですと? 経験が無い?)
どういう事なんだろう?と考えていると
「俺の場合、幼い頃からアイシャが側にいたからなぁ~」
そう言ってデーヴィドも考えている。
「父様に聞いた方が良いかなぁ?」
首を傾げたその時だった。
「亜蘭、大丈夫か!」
ドアを蹴破り、父様と…………父様にお姫様抱っこされた母様。
父様の艶々した肌と、それに反してヨボヨボの母様の姿に
(あぁ……あの後、盛り上がったのね……)
羨まし……ゲフンゲフン。
まぁ……僕の気持ちは置いといて、ベッドを横に移動して
「一先ず、母様は僕の隣に横になりなよ。身体、辛いんでしょう?」
と言うと、父様が母様を僕の隣にゆっくりと寝かせた後、枕を2つ母様の腰の所に当てて座らせた。
「亜蘭、ごめんね」
苦笑いをする母様に、僕と父様は同時に
「他の人の前では、アルコール絶対禁止!」
と叫んでいた。
「ごめんなさい」
母様が小さくなって謝罪していると
「え? 母様ってお酒飲めるの?」
デーヴィドが驚いた顔をした。
「飲めないよ。それなのにさぁ、ウィスキーを原液で一気飲み」
「うっわぁ~」
僕とデーヴィドで冷たい視線を送ると
「えぇっ!あれ、原液だったの!」
母様ビックリ顔していて、こっちがびっくりだよ。
「はぁ……」
母様以外、深い溜め息を吐くと
「分かった! 二度と酒は飲まない」
母様は握り拳を握り締め、高らかに宣言した。
「亜蘭、大丈夫か?」
心配そうな顔をした、デーヴィドが顔を出した。
「僕……」
「大丈夫だ。亜蘭は、何も心配しなくて良い」
そう言われて、頭を優しく撫でられた。
ぼんやりとした意識の中、ハッと我に返ってアレクサス王子を探した。
僕を心配してくれたのに、僕はパニックを起こして酷い事をしてしまった。
「デーヴィド、アレクサス王子は?」
部屋を見回しても、何処にも居ない。
「大丈夫だ。部屋で待機している」
「僕……謝らなくちゃ……」
ベッドから起き上がり、部屋から出ようとして目眩がする。
「亜蘭、落ち着いて聞いて」
フラフラする僕の身体を抱き留め、デーヴィドが呟いた。
「このままアレクサス王子と一緒に居たら、危険だ」
デーヴィドの言葉に、涙が込み上げて来た。
分かっていた。
多分、僕はエネルギー過多を起こして暴発したんだ。本来なら、デーヴィドが居れば暴発しない。
でも、アレクサス王子に欲情した感情を抑え込んだ事により、強いパワーが発生してエネルギー過多を起こしたのだろう。
今、鎮まっているって事は、デーヴィドが肩代わりしてくれたって事なんだろうと、ぼんやりと考えていた。
「デーヴィド、ごめんなさい」
ポツリと呟くと、デーヴィドは小さく笑い
「俺の事は気にするな。亜蘭は、自分で始末する方法をまだ知らないだろう?」
そう言って僕の頭を撫でた。
「暴発って、あんなに苦しいんだね」
ポツリと呟くと
「なあ! 俺もびっくりしたよ」
と、デーヴィドが笑っている。
「え? デーヴィドは経験無いの?」
驚いて聞くと、デーヴィドは少し考えてから
「無い……なぁ……」
と、答えた。
(なんですと? 経験が無い?)
どういう事なんだろう?と考えていると
「俺の場合、幼い頃からアイシャが側にいたからなぁ~」
そう言ってデーヴィドも考えている。
「父様に聞いた方が良いかなぁ?」
首を傾げたその時だった。
「亜蘭、大丈夫か!」
ドアを蹴破り、父様と…………父様にお姫様抱っこされた母様。
父様の艶々した肌と、それに反してヨボヨボの母様の姿に
(あぁ……あの後、盛り上がったのね……)
羨まし……ゲフンゲフン。
まぁ……僕の気持ちは置いといて、ベッドを横に移動して
「一先ず、母様は僕の隣に横になりなよ。身体、辛いんでしょう?」
と言うと、父様が母様を僕の隣にゆっくりと寝かせた後、枕を2つ母様の腰の所に当てて座らせた。
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苦笑いをする母様に、僕と父様は同時に
「他の人の前では、アルコール絶対禁止!」
と叫んでいた。
「ごめんなさい」
母様が小さくなって謝罪していると
「え? 母様ってお酒飲めるの?」
デーヴィドが驚いた顔をした。
「飲めないよ。それなのにさぁ、ウィスキーを原液で一気飲み」
「うっわぁ~」
僕とデーヴィドで冷たい視線を送ると
「えぇっ!あれ、原液だったの!」
母様ビックリ顔していて、こっちがびっくりだよ。
「はぁ……」
母様以外、深い溜め息を吐くと
「分かった! 二度と酒は飲まない」
母様は握り拳を握り締め、高らかに宣言した。
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