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4つの宝石と3匹の竜
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「シルヴァ、そういう事だから。お前はまだ休んでいろ。俺は残りの儀式を終わらせて来る」
俺が腰に抱き着いているシルヴァの腕に手を当てて呟くと、シルヴァは唇を尖らせて俺の身体を離すと
「分かった。体力が戻ったら、僕も行くよ」
そう言ってゆっくりと立ち上がり俺を抱き締めると
「無理だけはするな」
と言って頭にキスを落とした。
俺もシルヴァの背中に手を回し
「あぁ、約束するよ」
と答えて、触れるだけのキスを交わす。
ゆっくりと唇が離れると
「でも、やっぱり心配だよ。多朗」
そう言ってオロオロするシルヴァに
「お前は戦いに備えて大人しく寝てろ」
と言って頬にキスをした。
「良い子にしていたら、夜はたっぷり抱かれてやるから」
耳元に囁くと、シルヴァはキラキラの笑顔を浮かべ
「多朗~!」
と抱き着こうと両手を広げて走り寄って来たので、顔面を手で押さえ
「シルヴァ、お前は大人しく寝てろ!」
そう言って蹴り離し、俺はリアムを連れて外へと歩き出した。
「多朗~~!!」
悲痛なシルヴァの叫びを背に、俺とリアムは湖へと向かった。
「しかし……あのシルヴァ王子が……」
お化けでも見たような顔をするリアムを見ると
「俺達が知っているシルヴァ王子は、完璧で一部の隙もない人だったのですが……」
と呟いた。
「はぁ?隙だらけじゃねぇかよ!」
「というか、あんな……なんと言いますか……」
言い辛そうにするリアムに
「あんなガキ臭い行動するのに驚いたか?」
って笑って答えた。
「あれがアイツの素なんじゃねぇのかな?」
「えっ!」
「嫉妬深いし、独占欲強いし、あと精力魔人な」
「……良いとこ無しじゃないですか」
「はぁ……」と溜め息を吐いて呟くリアムに
「アホ言うな!あんなに全身で大好きって訴えられたら、絆されちまうだろう?」
と言って笑った。
「だから、あいつの子供なら産もうと思えたんだよ」
そっと腹に触れて言うと
「あなたは、シルヴァ王子の話をしていると綺麗な表情をなさるんですね」
そう言われて、思わず苦笑いを浮かべた。
「そうか?」
と苦笑いしながらリアムに視線を向けると、ふいに頬に触れられて
「えぇ、シルヴァ王子に嫉妬するくらいに」
なんて真顔で言われて、思わず固まった。
(はぁ?今、なんて?)
リアムの言葉の意味を理解出来ずに固まっていると
「朝、川で水浴びをしていたあなたも、シルヴァ王子に抱かれていたあなたも……、思わず触れてみたくなる程に美しかった」
と言われて、リアムの親指が俺の唇を撫でた。
その瞬間、ハッと我に返り
「待て!!リアム、気でも狂ったか?俺相手に、何言ってやがる!!」
そう言って、リアムから一歩後ず去ろうとした時に足を滑らせてしまい、後頭部から倒れそうになった俺の腕を掴んで身体を抱き寄せた。
「勇者様……」
強く抱き締められ、切なそうに囁かれた瞬間
「はい!そこまで!」
と叫ぶサシャの声と一緒に、リアムの身体が離れた。
俺が腰に抱き着いているシルヴァの腕に手を当てて呟くと、シルヴァは唇を尖らせて俺の身体を離すと
「分かった。体力が戻ったら、僕も行くよ」
そう言ってゆっくりと立ち上がり俺を抱き締めると
「無理だけはするな」
と言って頭にキスを落とした。
俺もシルヴァの背中に手を回し
「あぁ、約束するよ」
と答えて、触れるだけのキスを交わす。
ゆっくりと唇が離れると
「でも、やっぱり心配だよ。多朗」
そう言ってオロオロするシルヴァに
「お前は戦いに備えて大人しく寝てろ」
と言って頬にキスをした。
「良い子にしていたら、夜はたっぷり抱かれてやるから」
耳元に囁くと、シルヴァはキラキラの笑顔を浮かべ
「多朗~!」
と抱き着こうと両手を広げて走り寄って来たので、顔面を手で押さえ
「シルヴァ、お前は大人しく寝てろ!」
そう言って蹴り離し、俺はリアムを連れて外へと歩き出した。
「多朗~~!!」
悲痛なシルヴァの叫びを背に、俺とリアムは湖へと向かった。
「しかし……あのシルヴァ王子が……」
お化けでも見たような顔をするリアムを見ると
「俺達が知っているシルヴァ王子は、完璧で一部の隙もない人だったのですが……」
と呟いた。
「はぁ?隙だらけじゃねぇかよ!」
「というか、あんな……なんと言いますか……」
言い辛そうにするリアムに
「あんなガキ臭い行動するのに驚いたか?」
って笑って答えた。
「あれがアイツの素なんじゃねぇのかな?」
「えっ!」
「嫉妬深いし、独占欲強いし、あと精力魔人な」
「……良いとこ無しじゃないですか」
「はぁ……」と溜め息を吐いて呟くリアムに
「アホ言うな!あんなに全身で大好きって訴えられたら、絆されちまうだろう?」
と言って笑った。
「だから、あいつの子供なら産もうと思えたんだよ」
そっと腹に触れて言うと
「あなたは、シルヴァ王子の話をしていると綺麗な表情をなさるんですね」
そう言われて、思わず苦笑いを浮かべた。
「そうか?」
と苦笑いしながらリアムに視線を向けると、ふいに頬に触れられて
「えぇ、シルヴァ王子に嫉妬するくらいに」
なんて真顔で言われて、思わず固まった。
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「朝、川で水浴びをしていたあなたも、シルヴァ王子に抱かれていたあなたも……、思わず触れてみたくなる程に美しかった」
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そう言って、リアムから一歩後ず去ろうとした時に足を滑らせてしまい、後頭部から倒れそうになった俺の腕を掴んで身体を抱き寄せた。
「勇者様……」
強く抱き締められ、切なそうに囁かれた瞬間
「はい!そこまで!」
と叫ぶサシャの声と一緒に、リアムの身体が離れた。
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