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新しい命とこれからのこと
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「だから俺、もう元の世界には帰れないんだわ」
そう言って微笑むと、シルヴァの綺麗なサファイアの瞳から涙が滝のように流れ出した。
「もう……二度と会えなんだと、そう思ってた」
「お前な、なんでも勝手に一人で決めるの良く無いよ!」
俺はシルヴァそう言うと、胸倉を掴み
「俺さ、まだ勝手に記憶消された事とか、元の世界に戻された事。怒ってるんだよね」
そう言って拳を振り上げた。
「これで許してやるから、二、三発殴らせろ!」
俺の言葉にシルヴァが目を閉じたのを見て、頭を抱き寄せてキスをした。
それも、激しいキスを……。
舌を絡め、互いを求めるような甘いキスを交わすと、シルヴァの身体がゆっくりと元に戻って行くのがわかった。
(あぁ……そういやぁ、俺って治癒の能力あるんだったな)
ぼんやりとそんな事を思い出して、そっと唇を離した。
「よぉ!久し振りだな、キラキラ王子」
身なりはボロボロでも、肌艶や体躯は元通りに戻っている。
シルヴァが驚いた顔で自分の身体を確認すると
「多朗……いつの間に?」
「さぁ?こっちに帰って来てから、いろんな能力が開花しちゃってさ」
そう言って笑う俺に、シルヴァが抱き締めて来た。
そしてなにやら不思議そうな顔をすると
「多朗……だよな?」
って俺をマジマジと見つめている。
「あぁ!あっちの世界で二年が経過してるから、シルヴァと別れた頃から二歳年を取ってるんだよ」
そう答えて
「迎えに来るの、遅くなってごめん」
と呟いた俺を抱き締めて、シルヴァが押し倒してキスをして来た。
「待て!待て!早まるな!」
ジタバタと暴れる俺に
「二歳年を重ねた多朗を、この目にする事が出来るなんて!」
と言って俺の衣類をひん剥こうとしている。
「止めろ!シルヴァ!お前はバカか!」
「なんで?久し振りに会った恋人が、する事は一つだよね!」
「時と場所を考えろ!」
そう叫んだ時だった。
『これだから、火の神の器も野蛮で嫌いなんだよ』
と呟く声が聞こえた。
俺の首筋に吸い付いて来たシルヴァの顔面を両手で抑え声の方を見ると、小さな緑色の竜がこっちを見ている。
「ぎゃ~!!」
半分剥かれた状態のシャツの前を合わせ、シルヴァの腹を蹴り込んで退かした。
「多朗……酷い……」
隣に倒れ込み咳き込むシルヴァを横目に、慌ててシャツのボタンを閉めて身なりを整える。
『こんにちは、新しいママ』
緑色の竜はそう言うと、僕にペコリと頭を下げた。
「きみは……?」
『僕の名前はマシュー。風の神だよ』
そう言って可愛らしい笑顔を浮かべた。
手を差し出すと、ちょこんと手のひらに乗っかって可愛い。
「マシュー、こんにちは」
「今日はお願いがあって此処に来たんだ」
「お願い?」
「そう。ママにしか出来ないお願い」
「俺にしか出来ないお願い?」
小さな竜と会話をしていると、シルヴァがゆっくりと起き上がって
「おい!竜神だからって、多朗を独り占めとか許さないぞ!」
と、俺の手から竜神をつまみ上げた。
「シルヴァ!止めろ!お前の子供なんだぞ!」
「はぁ?子供だろうと、俺と多朗の蜜月の時間を邪魔する……」
「うるさい!」
俺はチビ竜に文句を言っているシルヴァの頭を叩くと、シルヴァの手からチビ竜を奪い返し
「それで、お願いって?」
と聞くと
「お城の魔石に、土の神マテオが閉じ込められているんだ」
そう呟いた。
「どうか、マテオを助けて欲しい」
「助けるって……どうやって?」
『魔石は一体につき、一つの魔力しか吸収出来ないんだ。今、ママなら、一つの身体に二つの力を持っている。そしてパパと中和したら、ママの身体は三つの力を持つ身体になるんだ。そうしたら、石に閉じ込められたマテオを救い出す事が出来るから』
そう言われて、俺は隣で目をキラキラさせているシルヴァを見た。
「お前、なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
「え?いや、人助けならぬ神助け出来るなんてありがたいなぁ~って」
なんて言ってやがる。
俺が目を据わらせて居ると
『お願い、マテオを助けて!』
と真剣に言われてしまう。
「でもほら、妊娠中にするのって赤ちゃんに良く無いって言うよね?」
そう言うと
『僕はママの中で、二年間異世界で受精卵のままで眠っていたんだよ。この世界に戻って来て、これから細胞
分裂が始まって人体へと変わるんだ。だから、全然支障は無いよ。それに、マテオの器も必要になるからね』
と、可愛い笑顔で言われてしまった。
(俺……初産で双子のママになる訳ね)
ゲンナリした顔をして隣に居る、すっかりキラキラを取り戻した男を見た。
そう言って微笑むと、シルヴァの綺麗なサファイアの瞳から涙が滝のように流れ出した。
「もう……二度と会えなんだと、そう思ってた」
「お前な、なんでも勝手に一人で決めるの良く無いよ!」
俺はシルヴァそう言うと、胸倉を掴み
「俺さ、まだ勝手に記憶消された事とか、元の世界に戻された事。怒ってるんだよね」
そう言って拳を振り上げた。
「これで許してやるから、二、三発殴らせろ!」
俺の言葉にシルヴァが目を閉じたのを見て、頭を抱き寄せてキスをした。
それも、激しいキスを……。
舌を絡め、互いを求めるような甘いキスを交わすと、シルヴァの身体がゆっくりと元に戻って行くのがわかった。
(あぁ……そういやぁ、俺って治癒の能力あるんだったな)
ぼんやりとそんな事を思い出して、そっと唇を離した。
「よぉ!久し振りだな、キラキラ王子」
身なりはボロボロでも、肌艶や体躯は元通りに戻っている。
シルヴァが驚いた顔で自分の身体を確認すると
「多朗……いつの間に?」
「さぁ?こっちに帰って来てから、いろんな能力が開花しちゃってさ」
そう言って笑う俺に、シルヴァが抱き締めて来た。
そしてなにやら不思議そうな顔をすると
「多朗……だよな?」
って俺をマジマジと見つめている。
「あぁ!あっちの世界で二年が経過してるから、シルヴァと別れた頃から二歳年を取ってるんだよ」
そう答えて
「迎えに来るの、遅くなってごめん」
と呟いた俺を抱き締めて、シルヴァが押し倒してキスをして来た。
「待て!待て!早まるな!」
ジタバタと暴れる俺に
「二歳年を重ねた多朗を、この目にする事が出来るなんて!」
と言って俺の衣類をひん剥こうとしている。
「止めろ!シルヴァ!お前はバカか!」
「なんで?久し振りに会った恋人が、する事は一つだよね!」
「時と場所を考えろ!」
そう叫んだ時だった。
『これだから、火の神の器も野蛮で嫌いなんだよ』
と呟く声が聞こえた。
俺の首筋に吸い付いて来たシルヴァの顔面を両手で抑え声の方を見ると、小さな緑色の竜がこっちを見ている。
「ぎゃ~!!」
半分剥かれた状態のシャツの前を合わせ、シルヴァの腹を蹴り込んで退かした。
「多朗……酷い……」
隣に倒れ込み咳き込むシルヴァを横目に、慌ててシャツのボタンを閉めて身なりを整える。
『こんにちは、新しいママ』
緑色の竜はそう言うと、僕にペコリと頭を下げた。
「きみは……?」
『僕の名前はマシュー。風の神だよ』
そう言って可愛らしい笑顔を浮かべた。
手を差し出すと、ちょこんと手のひらに乗っかって可愛い。
「マシュー、こんにちは」
「今日はお願いがあって此処に来たんだ」
「お願い?」
「そう。ママにしか出来ないお願い」
「俺にしか出来ないお願い?」
小さな竜と会話をしていると、シルヴァがゆっくりと起き上がって
「おい!竜神だからって、多朗を独り占めとか許さないぞ!」
と、俺の手から竜神をつまみ上げた。
「シルヴァ!止めろ!お前の子供なんだぞ!」
「はぁ?子供だろうと、俺と多朗の蜜月の時間を邪魔する……」
「うるさい!」
俺はチビ竜に文句を言っているシルヴァの頭を叩くと、シルヴァの手からチビ竜を奪い返し
「それで、お願いって?」
と聞くと
「お城の魔石に、土の神マテオが閉じ込められているんだ」
そう呟いた。
「どうか、マテオを助けて欲しい」
「助けるって……どうやって?」
『魔石は一体につき、一つの魔力しか吸収出来ないんだ。今、ママなら、一つの身体に二つの力を持っている。そしてパパと中和したら、ママの身体は三つの力を持つ身体になるんだ。そうしたら、石に閉じ込められたマテオを救い出す事が出来るから』
そう言われて、俺は隣で目をキラキラさせているシルヴァを見た。
「お前、なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
「え?いや、人助けならぬ神助け出来るなんてありがたいなぁ~って」
なんて言ってやがる。
俺が目を据わらせて居ると
『お願い、マテオを助けて!』
と真剣に言われてしまう。
「でもほら、妊娠中にするのって赤ちゃんに良く無いって言うよね?」
そう言うと
『僕はママの中で、二年間異世界で受精卵のままで眠っていたんだよ。この世界に戻って来て、これから細胞
分裂が始まって人体へと変わるんだ。だから、全然支障は無いよ。それに、マテオの器も必要になるからね』
と、可愛い笑顔で言われてしまった。
(俺……初産で双子のママになる訳ね)
ゲンナリした顔をして隣に居る、すっかりキラキラを取り戻した男を見た。
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