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1000年桜と冬夜
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「吸血鬼ねぇ…」
興味無さそうに冬夜が呟くと、幸太が
「そして、変死体になって見付かった遺体の共通点がもう1つ判明したんです」
と話を続けてモニターの画面を切り替えた。
モニターに写し出されたイラストには、行方不明になって遺体で上がった人物が全員、生まれ付き左の首筋に噛まれた様なホクロが描かれていた。
遥と幸太の視線が冬夜の首筋に注がれ
「あ?」
冬夜が左首筋に触れる。
「お前……あるよな……」
遥は震えそうになる声を押さえて呟く。
冬夜の首筋に、縦に並んだ2つのホクロ。
一見、普通のホクロだが、牙を当てたらその位置に歯が食い込みそうな場所にある。
「やっぱり……この取材は危険だ!」
遥の言葉に冬夜が眉を寄せて
「くだらねえ……。それくらいの共通点で、まだ俺だと確信なんか無いだろうが」
と、遥の言葉に聞く耳を持たない。
「確かにそうですが……」
幸太はそう呟くと、唇をキュッと一度結んでからモニターを切り替えた。
「この写真、見覚え無いですか?」
幸太の言葉と一緒に、モニターに写し出されたのは1枚の写真。
それは、冬夜に送られて来た写真と同じ写真だった。
遥は思わず、椅子をひっくり返す勢いで立ち上がる。
「これ!」
遥の声に幸太が神妙な顔で頷き
「はい。冬夜さんの机に届く写真です。この事件で亡くなられた方々、全員に届いていたそうです」
そう続けた。
さすがの冬夜も、戸惑う顔でモニターを見つめる。
「僕が話したいのは、この後です」
幸太は深く深呼吸をすると
「亡くなられた方々の中には、このお祭りに行かないように抵抗した方もいらっしゃるようです。気味が悪いですからね。でも全員、ここで遺体となって発見されています。何故だと思いますか?」
そう呟いた。
「抗えない何かに引き寄せられる……」
遥がポツリと呟くと、幸太はゆっくりと頷いた。
「この写真が初めて送られて来た日以来、冬夜さんが何かに操られているような気がしてならないんです。普段は冷静沈着な冬夜さんが、此処を辞めてまで行くという考えを持つ事自体、僕には不思議で仕方なかったんです」
幸太はそう言うと
「抗えない運命なら、真っ向から戦えば良いじゃないですか!」
と続けた。
「お前……」
幸太の言葉に冬夜は小さく呟くと
「オカルトの話になると、急にイケメンになるなぁ~」
そう言って笑い出した。
「冬夜さん!茶化さないで下さい。僕、それで1000年桜の呪いについて調べてみたんです」
幸太はそう言うと
「簡単な動画を作りましたので、見て下さい」
続けてモニターを切り替えた。
興味無さそうに冬夜が呟くと、幸太が
「そして、変死体になって見付かった遺体の共通点がもう1つ判明したんです」
と話を続けてモニターの画面を切り替えた。
モニターに写し出されたイラストには、行方不明になって遺体で上がった人物が全員、生まれ付き左の首筋に噛まれた様なホクロが描かれていた。
遥と幸太の視線が冬夜の首筋に注がれ
「あ?」
冬夜が左首筋に触れる。
「お前……あるよな……」
遥は震えそうになる声を押さえて呟く。
冬夜の首筋に、縦に並んだ2つのホクロ。
一見、普通のホクロだが、牙を当てたらその位置に歯が食い込みそうな場所にある。
「やっぱり……この取材は危険だ!」
遥の言葉に冬夜が眉を寄せて
「くだらねえ……。それくらいの共通点で、まだ俺だと確信なんか無いだろうが」
と、遥の言葉に聞く耳を持たない。
「確かにそうですが……」
幸太はそう呟くと、唇をキュッと一度結んでからモニターを切り替えた。
「この写真、見覚え無いですか?」
幸太の言葉と一緒に、モニターに写し出されたのは1枚の写真。
それは、冬夜に送られて来た写真と同じ写真だった。
遥は思わず、椅子をひっくり返す勢いで立ち上がる。
「これ!」
遥の声に幸太が神妙な顔で頷き
「はい。冬夜さんの机に届く写真です。この事件で亡くなられた方々、全員に届いていたそうです」
そう続けた。
さすがの冬夜も、戸惑う顔でモニターを見つめる。
「僕が話したいのは、この後です」
幸太は深く深呼吸をすると
「亡くなられた方々の中には、このお祭りに行かないように抵抗した方もいらっしゃるようです。気味が悪いですからね。でも全員、ここで遺体となって発見されています。何故だと思いますか?」
そう呟いた。
「抗えない何かに引き寄せられる……」
遥がポツリと呟くと、幸太はゆっくりと頷いた。
「この写真が初めて送られて来た日以来、冬夜さんが何かに操られているような気がしてならないんです。普段は冷静沈着な冬夜さんが、此処を辞めてまで行くという考えを持つ事自体、僕には不思議で仕方なかったんです」
幸太はそう言うと
「抗えない運命なら、真っ向から戦えば良いじゃないですか!」
と続けた。
「お前……」
幸太の言葉に冬夜は小さく呟くと
「オカルトの話になると、急にイケメンになるなぁ~」
そう言って笑い出した。
「冬夜さん!茶化さないで下さい。僕、それで1000年桜の呪いについて調べてみたんです」
幸太はそう言うと
「簡単な動画を作りましたので、見て下さい」
続けてモニターを切り替えた。
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