星を取りに行こう!

古紫汐桜

文字の大きさ
上 下
10 / 11

お家に帰ろう

しおりを挟む
しばらくこの景色を見た後、チィはニィの顔を見上げると
「今度は、トトとカカも一緒だと良いね」
そう言って、チィは笑顔を浮かべました。
チィは、今のこの気持ちを、大好きなトトとカカに話したくなったのです。
すると急に、家に帰りたくなりました。
「ニィ……、お家に帰りたい」
そう呟いたチィに、ニィはチィの手を握り締めて
「そうだね。トトとカカが待つお家に帰ろう!」
そう叫びました。
するとルゥはそんな二人に再び背中に乗るように言うと
「帰りは送って行くよ。ボクの背中なら、ひとっ飛びだからね」
と微笑みました。
一度、二人はお礼を言う為に、ドンやシュウ達が待つ森の入り口に立ち寄ります。
「綺麗なお星様を見せてくれて、本当にありがとう」
チィはそう言うと、星の住む泉のある森の住人や、シュウに頭を下げました。
「ドンも、ここまで連れて来てくれてありがとう」
ニィがドンにお礼を言うと
「今度は、トトとカカと一緒においで」
優しく笑うドンにニィとチィは笑顔を返します。
みんなにお礼を言って、再びルゥの背中に乗ると
「ニィ、チィ……又、遊びに来い」
シュウが照れくさそうにそう呟いたのです。ニィとチィは顔を見合わせると、ルゥの背中から飛び降りて、モフモフとしたシュウのたてがみに抱き着きました。
「うん! 絶対に又来るよ!」
そう叫ぶ二人に、シュウは照れた顔をすると
「気安くモフるな!」
と叫んで照れ隠しをしています。
そんなシュウを微笑ましく眺めていた星の住む泉のある森の住人達も、口々に
「気を付けて帰るんだよ」
と微笑んで見送ってくれています。
ニィとチィは、優しくしてくれたみんなにお礼を言ってお別れをしました。
ルゥは二人がお別れの挨拶を終えたのを確認すると、一鳴きしてからゆっくりと翼を広げると走り出しました。
光の速さで走るルゥは、2回翼をバサッバサッっとはためかせると、ゆっくりと空へと飛んで行きます。
「わぁ~!」
チィとニィは、濃紺の空に輝く星に手が届くのではないかと思う程、空の近くを飛んでいるルゥに
「ルゥ、ありがとう」
と、再びお礼を言いました。
ルゥはそんな二人に微笑み返すと
「しっかり捕まってろよ!ニィとチィの家まで、あと少しだ!」
そう言ってルゥはプラチナ色に輝く羽を広げました。
ルゥの背中に乗っていると、星の住む泉が近くに感じてしまう程に早くて、ニィとチィは頬に感じる風の早さや、ビュンビュンと変わる景色を楽しみました。
やがてチィとニィの家がある森が見えて来ました。
ルゥはゆっくりと地上に降りて行きます。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

もふもふ公園ねこ物語~愛と平和のにくきゅう戦士にゃんにゃん~

菜乃ひめ可
児童書・童話
たくさんの猫仲間が登場する、癒やしコメディ。  のんびり天真爛漫なキジトラ子猫が、みんなに助けられながら「にゃっほーい♪」と成長していく物語です。   自称『にくきゅう戦士』と名乗るキジトラ子猫のにゃんにゃんは、果たして公園の平和を守れるのか!?  「僕はみんなの味方ニャ!」  読んでいるときっと。 頭もココロもふわふわしてきますよぉ〜(笑) そう! それはまるで脳内お花(◕ᴗ◕✿)?

雲のトイレ

すずもと
児童書・童話
「ねえママ、なんで雨が降るの?」 スズちゃんはまだ3歳。なんで雨が降るのか知りません。

おねしょゆうれい

ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。 ※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

日本ボカシ話

昆布海胆
児童書・童話
むか~しむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが暮らしておりました。 「また都に鬼が出たそうじゃ」 「あら怖いですね~」 仲の良いお爺さんとお婆さんはいつもの世間話をした後、支度をして出発しました。 お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ選択に行きました。 お婆さんが川で選択をしていると上流から大きな昆布が・・・ こんぶらこ・・・ひっきこもり・・・こんぶらこ・・・ひっきこもり・・・ と流れてきました。 お婆さんは目に装着していた装置のボタンを押します。 ピピピピピ・・・ピー! 「戦闘能力たったの5か・・・ゴミめ」 昆布はそのまま川を流れて行きました。 昆布が川を下っていると一緒に1つのお椀が流れているのに気が付きます。 良く見るとお椀の中には身の丈1寸程の男の子が入っていました。 「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」 昆布は喰われてなるものかと逃げるように川を更に下流へと流れていきました。 やがて昆布は海へと辿り着き海岸へ流れ着きました。 するとそこには海を眺めながら唖然と立ち尽くす青年の姿があります。 青年は脇に抱えた玉手箱をゆっくりと下へ降ろしてその封を切ります。 するとその玉手箱からは突如白い煙が発生し青年の体を包み込みます。 「ばけらった!」 その白い煙に包まれた青年は叫び声と共にその姿を老人へと変貌させました。 老人はプルプルした手付きで海岸に打ち上げられた昆布を手にし家へと帰りました。 そしてお爺さんはそのまま帰らぬ人となりました。 昆布がその家で乾燥させられている間に夫婦と兄妹がその家に住み着きました。 ですがその家族は貧乏で明日食べる食料にも困る生活を送っておりました。 ある日、子供たちが寝静まった頃に母親は言いました。 「二人を山へ捨てましょう・・・」 翌日、兄妹を連れて山へ出かけた家族。 兄は母親の言動に違和感を覚えていました。 その為に兄は帰り道が分からなくならない様に家にあった昆布を持ち出して少しずつ千切って道標に残していきました。 その昆布の欠片を道標に兄妹は無事に家へと帰宅します。 その兄妹の名前は・・・ 「その妹があの歌手なのさ」 テレビに映るグレイと言うグループの歌手を指差して王子様は姫に教えます。 どう見ても男にしか見えないその人物とは・・・ グレイのテルであったとさ・・・ めでたしめでたし・・・

ハロウィーンは嫌い?

青空一夏
児童書・童話
陽葵はハロウィーンの衣装をママに作ってもらったけれど、芽依ちゃんのようなお姫様じゃないじゃないことにがっかりしていた。一緒にお姫様の衣装にしようと約束していた芽依ちゃんにも変な服と笑われて‥‥でも大好きな海翔君の言葉で一変した。

【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~

丹斗大巴
児童書・童話
 どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!? *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*   夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?  *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* 家族のきずなと種を超えた友情の物語。

ものかたりーわらしべ風味の宝太郎ー

叶 望
児童書・童話
なぜか桃団子を持たされて鬼退治の旅に出る事になった宝太郎。 行く先々で仲間を見つけて進んでいくのだが、集まる仲間は何だか変な奴ばかり。 ※小説家になろうにも投稿しています

処理中です...