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太陽神とフランシスの契約
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「願い?」
『そう。この者の心も、そなたにくれてやる』
そう言われて、フランシスは目を見開いた。
『我との契約は絶対。メイソンは、それを己の感情で破りおった。さぁ、どうする?』
太陽神の言葉に、フランシスは自分の欲望を最奥の蕾に当てがい
「お望みならば、この身体をいかようにもお使い下さい」
そう答えて一気に挿入した。
『あぁっ!』
歓喜の声を上げ、フランシスの激しい動きに揺すられながら
『快ぃ…………。フランシス、やはり王族の者は分かっているな……』
太陽神は身体を震わせ、歓喜の声を上げ続けた。
幼い頃から、太陽神の神子が現れたら恥じぬ行動をするように躾られて来た。
そして又、太陽神を満足させるだけのベッドテクニックも、精通した頃から様々な高級娼婦達により学んできた。
太陽神との性交は、ただの行為で無いことは学んで来た。
出来るだけ発散させなければ、神子本体の生命の危機になる事も……。
(これだけエネルギーを溜め込んで、本人もかなり辛かったのでは無いだろうか?)
フランシスは、自分の体内に流れ込む力の勢いにアルトの事を思った。
空が白けた頃、ようやく太陽神からアルトの身体に入れ替わった。
ぐったりしたアルトの身体を抱き抱え、フランシスは浴室に運んだ。
身体を綺麗にしている間に、部屋を綺麗にしておくように命じておいたので、アルトの身体を綺麗にして戻ると、ベッドは何事も無かったかのように綺麗になっていた。
そっとアルトをベッドに寝かせると、肌艶が良くなっているアルトの頬を撫でた。
「きみは……何も知らない方が良い……」
フランシスはそう言うと、そっとアルトの頬にキスを落とした。
メイソンは、太陽神の事も……その神子の事も何も知らない。
だから、感情のままに行動してしまうのは仕方の無い事なのかもしれない。
しかし、それがアルトの寿命を縮めている事に気付かない馬鹿では無い筈だ。
フランシスは溜め息を吐き、ゆっくりとアルトの眠るベッドの隣にあるもう一つのベッドに腰掛けた。
王族は他人から見たら、羨む位置に居るのだろう。
しかし、民の為。ひいては国の為に、知らなくても良いことを知らなければならない。己の感情を捨てて、国の為に尽力しなければならない。
アルト本人も知らない、太陽神と神子の秘密。
いずれフランシスも、アルトの為に他の騎士と身体を重ねる事を許さなければならない。それが、この国の秩序を守る為だと分かっていた。
自分の首に薄い痣を持って生まれた時から、フランシスはいずれ太陽の神子と月の巫女を娶らねばならないと覚悟はしていた。
月の巫女は、あくまでも太陽の神子が亡くなった時の担保的な存在だ。
月の女神の庇護があるだけで、太陽の神子のように体内に神を宿している訳では無い。力も、太陽の神子に比べたら圧倒的に弱い。しかし、太陽の神子は諸刃の剣だった。生存確率は低く、ほとんどが5歳までは生きられ無い。
太陽の神子が亡くなると、騎士に選ばれた人間の痣が消える。
1度は、間違い無く消えた筈だった。
しかしその後、前よりも色濃く現れて、小さく薄かった痣は、後ろ首全体に表れた。
その瞬間、フランシスの王位継承は決定された。
しかし、神子と契約をしない限り、人より少しばかり魔力が強い程度しか力は持てない。だから、月の巫女と婚姻して巫女の力が必要だった。
特に武力も無いこの国を守るには、絶対的な力が必要だった。
だから、国を動かし、万物を動かす為には契約が必要なのだ。
でもフランシスは、代々、太陽の神子を娶って来た王達同様、太陽の神子であるアルト自身を深く愛していた。
それが故に、代々、先王達が苦しんだ苦しみを味合わなければならない。
誰が好き好んで、愛する人を他の男に触れさせたいと思うだろうか?
しかし、そうしなければ太陽の神子は死んでしまう。
神事の時、神子は身体を太陽神に乗っ取られているから、神子本人は複数と身体を重ねているのを知らない。
騎士達も、神子を愛しているが故に、決して口には出さなかった。
神子に選ばれる者は純粋な魂の持ち主ばかりで、恐らく、複数人と関係を持つなんて耐えられない人間ばかりだった。
神事の前に、必ず神子を眠らせる役割が王の役目だった。
自分を信じ、気持ちを委ねきった相手を裏切る行為は、身を切るより辛かっただろうとフランシスは考えていた。
そっとアルトの額に触れ
「アルト……。昨日から今夜にかけて起こった事は、全てきみの夢の中の出来事だよ。きみは楽しく馬車に揺られ、この宿まで辿り着いた。僕との事は……全て夢だと忘れておくれ……」
そう囁いて、フランシスはアルトの記憶を改ざんした。
アルトとキスをした時、首の後ろに激痛が走った。
あの時、自分に力が与えられたのを感じていた。
王族には、代々太陽の神子を護ってきた代わりに、他の騎士よりもたくさんの能力を与えられる。
その一つが、記憶の改ざんなのもフランシスは知っていた。
『そう。この者の心も、そなたにくれてやる』
そう言われて、フランシスは目を見開いた。
『我との契約は絶対。メイソンは、それを己の感情で破りおった。さぁ、どうする?』
太陽神の言葉に、フランシスは自分の欲望を最奥の蕾に当てがい
「お望みならば、この身体をいかようにもお使い下さい」
そう答えて一気に挿入した。
『あぁっ!』
歓喜の声を上げ、フランシスの激しい動きに揺すられながら
『快ぃ…………。フランシス、やはり王族の者は分かっているな……』
太陽神は身体を震わせ、歓喜の声を上げ続けた。
幼い頃から、太陽神の神子が現れたら恥じぬ行動をするように躾られて来た。
そして又、太陽神を満足させるだけのベッドテクニックも、精通した頃から様々な高級娼婦達により学んできた。
太陽神との性交は、ただの行為で無いことは学んで来た。
出来るだけ発散させなければ、神子本体の生命の危機になる事も……。
(これだけエネルギーを溜め込んで、本人もかなり辛かったのでは無いだろうか?)
フランシスは、自分の体内に流れ込む力の勢いにアルトの事を思った。
空が白けた頃、ようやく太陽神からアルトの身体に入れ替わった。
ぐったりしたアルトの身体を抱き抱え、フランシスは浴室に運んだ。
身体を綺麗にしている間に、部屋を綺麗にしておくように命じておいたので、アルトの身体を綺麗にして戻ると、ベッドは何事も無かったかのように綺麗になっていた。
そっとアルトをベッドに寝かせると、肌艶が良くなっているアルトの頬を撫でた。
「きみは……何も知らない方が良い……」
フランシスはそう言うと、そっとアルトの頬にキスを落とした。
メイソンは、太陽神の事も……その神子の事も何も知らない。
だから、感情のままに行動してしまうのは仕方の無い事なのかもしれない。
しかし、それがアルトの寿命を縮めている事に気付かない馬鹿では無い筈だ。
フランシスは溜め息を吐き、ゆっくりとアルトの眠るベッドの隣にあるもう一つのベッドに腰掛けた。
王族は他人から見たら、羨む位置に居るのだろう。
しかし、民の為。ひいては国の為に、知らなくても良いことを知らなければならない。己の感情を捨てて、国の為に尽力しなければならない。
アルト本人も知らない、太陽神と神子の秘密。
いずれフランシスも、アルトの為に他の騎士と身体を重ねる事を許さなければならない。それが、この国の秩序を守る為だと分かっていた。
自分の首に薄い痣を持って生まれた時から、フランシスはいずれ太陽の神子と月の巫女を娶らねばならないと覚悟はしていた。
月の巫女は、あくまでも太陽の神子が亡くなった時の担保的な存在だ。
月の女神の庇護があるだけで、太陽の神子のように体内に神を宿している訳では無い。力も、太陽の神子に比べたら圧倒的に弱い。しかし、太陽の神子は諸刃の剣だった。生存確率は低く、ほとんどが5歳までは生きられ無い。
太陽の神子が亡くなると、騎士に選ばれた人間の痣が消える。
1度は、間違い無く消えた筈だった。
しかしその後、前よりも色濃く現れて、小さく薄かった痣は、後ろ首全体に表れた。
その瞬間、フランシスの王位継承は決定された。
しかし、神子と契約をしない限り、人より少しばかり魔力が強い程度しか力は持てない。だから、月の巫女と婚姻して巫女の力が必要だった。
特に武力も無いこの国を守るには、絶対的な力が必要だった。
だから、国を動かし、万物を動かす為には契約が必要なのだ。
でもフランシスは、代々、太陽の神子を娶って来た王達同様、太陽の神子であるアルト自身を深く愛していた。
それが故に、代々、先王達が苦しんだ苦しみを味合わなければならない。
誰が好き好んで、愛する人を他の男に触れさせたいと思うだろうか?
しかし、そうしなければ太陽の神子は死んでしまう。
神事の時、神子は身体を太陽神に乗っ取られているから、神子本人は複数と身体を重ねているのを知らない。
騎士達も、神子を愛しているが故に、決して口には出さなかった。
神子に選ばれる者は純粋な魂の持ち主ばかりで、恐らく、複数人と関係を持つなんて耐えられない人間ばかりだった。
神事の前に、必ず神子を眠らせる役割が王の役目だった。
自分を信じ、気持ちを委ねきった相手を裏切る行為は、身を切るより辛かっただろうとフランシスは考えていた。
そっとアルトの額に触れ
「アルト……。昨日から今夜にかけて起こった事は、全てきみの夢の中の出来事だよ。きみは楽しく馬車に揺られ、この宿まで辿り着いた。僕との事は……全て夢だと忘れておくれ……」
そう囁いて、フランシスはアルトの記憶を改ざんした。
アルトとキスをした時、首の後ろに激痛が走った。
あの時、自分に力が与えられたのを感じていた。
王族には、代々太陽の神子を護ってきた代わりに、他の騎士よりもたくさんの能力を与えられる。
その一つが、記憶の改ざんなのもフランシスは知っていた。
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