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フランシス乱入
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「今回の事は不問にしてやるが、2度目は無いと思え」
フランシスに言われて、サミュエルが
「なぁ!なんで太陽の神子の件を隠したがるのに、アルトを自由にしているんだ?隠したいなら、教会で匿うなり王室で囲えば良いんじゃねぇの?」
と質問するが、フランシスは怒りを押し殺した表情で
「聞こえなかったのか?2度目は無いと言った筈だ」
そう呟き、サミュエルの胸ぐらを掴んだまま歩き出した。
図書室前の衛兵に
「こいつを二度と、ここに立ち入らせるな!良いな!」
とキツイ口調で言うと
「お前も、強制帰還させられたく無かったら、三年間大人しくしていろ!」
そう言い残すと、足早に寮へと歩き出した。
一方、その頃のアルトとメイソンは
「あっ……あっ……メイ……ソン……っ。もう、イクっ!」
「アルト様、そんなに締め付けられたら……っ!」
「あっ……あっ……アァっ!!」
「くっ……」
互いの熱を吐き出し、荒い呼吸を整えるように呼吸しながら唇を重ねた。
握り締めた手をゆっくりと離し、メイソンがアルトから腰を引いて引き抜くと
「あっ……んっ……」
アルト唇から、喪失感を訴える声が漏れた。
ゆっくりとアルトを抱き上げ
「身体を綺麗にしましょうね」
そう言って、浴室でアルトの身体を綺麗にして部屋着に着替えさせた時だった。
部屋のドアを荒々しく叩く音がして、アルトとメイソンは顔を見合わせた。
新しい執事の制服に着替えていたメイソンは、ドアを開けてフランシスの顔を確認すると
「フランシス様、いかがなさいましたか?」
よそ行きの笑顔を浮かべてドアの前に立ちはだかった。
「メイソン、貴様……」
いきなり胸ぐらを捕まれて言われ、メイソンは営業スマイルを浮かべて
「フランシス様、突然、どうなさいましたか?」
と、平常心を装い訊ねた。
「まぁ良い。お前とアルトに話しがある」
真顔で言われ
「では、少しお待ち頂けますか?今、アルト様は部屋着になられております。まさか、突然押し掛けて、このまま強引に中に押し入りませんよね?」
嫌味タップリの言葉にフランシスが胸ぐらを掴んでいた手を離し
「分かった」
そう答えると、メイソンは一礼をして
「すみませんが、少々、こちらでお待ち下さい」
と言い残し、部屋に戻ると
「アルト様、フランシス様が私とアルト様にお話があるとお見えになりました。お着替え願えますか?」
そう言われて、アルトは小さく頷いて寝室へと歩き出した。
メイソンは直ぐに部屋のドアを開けて、ダイニングへとフランシスを通した。
「ただいま、お茶を入れて参ります」
恭しく一礼してメイソンがダイニングを後にすると、入れ替わりに外出着を着たアルトが現れた。
「フランシス様、こんな時間にどうしたの?」
時計を見ると、まだ午後の授業が残っている時間にアルトが驚いた声を上げた。
フランシスに言われて、サミュエルが
「なぁ!なんで太陽の神子の件を隠したがるのに、アルトを自由にしているんだ?隠したいなら、教会で匿うなり王室で囲えば良いんじゃねぇの?」
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「聞こえなかったのか?2度目は無いと言った筈だ」
そう呟き、サミュエルの胸ぐらを掴んだまま歩き出した。
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とキツイ口調で言うと
「お前も、強制帰還させられたく無かったら、三年間大人しくしていろ!」
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一方、その頃のアルトとメイソンは
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「くっ……」
互いの熱を吐き出し、荒い呼吸を整えるように呼吸しながら唇を重ねた。
握り締めた手をゆっくりと離し、メイソンがアルトから腰を引いて引き抜くと
「あっ……んっ……」
アルト唇から、喪失感を訴える声が漏れた。
ゆっくりとアルトを抱き上げ
「身体を綺麗にしましょうね」
そう言って、浴室でアルトの身体を綺麗にして部屋着に着替えさせた時だった。
部屋のドアを荒々しく叩く音がして、アルトとメイソンは顔を見合わせた。
新しい執事の制服に着替えていたメイソンは、ドアを開けてフランシスの顔を確認すると
「フランシス様、いかがなさいましたか?」
よそ行きの笑顔を浮かべてドアの前に立ちはだかった。
「メイソン、貴様……」
いきなり胸ぐらを捕まれて言われ、メイソンは営業スマイルを浮かべて
「フランシス様、突然、どうなさいましたか?」
と、平常心を装い訊ねた。
「まぁ良い。お前とアルトに話しがある」
真顔で言われ
「では、少しお待ち頂けますか?今、アルト様は部屋着になられております。まさか、突然押し掛けて、このまま強引に中に押し入りませんよね?」
嫌味タップリの言葉にフランシスが胸ぐらを掴んでいた手を離し
「分かった」
そう答えると、メイソンは一礼をして
「すみませんが、少々、こちらでお待ち下さい」
と言い残し、部屋に戻ると
「アルト様、フランシス様が私とアルト様にお話があるとお見えになりました。お着替え願えますか?」
そう言われて、アルトは小さく頷いて寝室へと歩き出した。
メイソンは直ぐに部屋のドアを開けて、ダイニングへとフランシスを通した。
「ただいま、お茶を入れて参ります」
恭しく一礼してメイソンがダイニングを後にすると、入れ替わりに外出着を着たアルトが現れた。
「フランシス様、こんな時間にどうしたの?」
時計を見ると、まだ午後の授業が残っている時間にアルトが驚いた声を上げた。
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