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契約⑩
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「アルト様、大丈夫ですか?」
ゆっくりとアルトの頬に触れて声を掛けると
「うん、凄く気持ち良かったよ。痛くなかった」
笑顔で言われ、メイソンはいつものアルトだとホッと溜め息を吐いた。
まだ挿入たままなのに気付き、ゆっくりとアルトの中から引き抜こうとすると、アルトがメイソンの身体を抱き締めて
「あの……ね、もう少しだけこうしてて良い?」
そう言ってから、真っ赤に顔を赤らめた。
「アルト様?」
「うわ!恥ずかしい事言ってるよね?」
両手で顔を隠して言うと
「でもね、こうしていると……メイソンと繋がってるんだ…………って実感出来て幸せなんだ」
と呟いたアルトの言葉に、メイソンはドクリと心臓が高鳴った。
するとアルトがピクリと身体を震わせ
「メイソン……又、硬くなった。もう、メイソンのえっち…………」
上目遣いで言われて、本人の意志とは裏腹に、メイソンのメイソンが元気に復活!!
(だから、煽るなと言っているのに……)
困った顔をしたメイソンに
「あっ…………」
アルトは身体を少し身じろがせると、そっとメイソンの頬に触れて
「幾ら抱いても良いよ……。メイソンなら…………」
頬を赤らめて、恥じらいながら言われてメイソンは困ってしまう。
自分は性に対して、淡白だと自負していた。今まで、一度果てればもう無理だった。
(好きな相手を抱くというのは、皆、こんな風になるのか?はたまた、太陽の神子と騎士だからこうなるのか?)
まだ、やっと互いの感情に気付いたばかりのメイソンには、分からない事だらけだった。
「メイソン?」
黙って考え込むメイソンを、不安な眼差しで見上げるアルトの視線に気付き、メイソンは優しくアルトの頬にキスを落とし
「アルト様、信じて頂けるのかわかりませんが……」
そう呟くと、アルトはメイソンの唇に人差し指を当てて
「メイソン、覚えていて欲しい事があるんだ。もし、世界中の誰もがメイソンを嘘つきだと言っても、僕だけはきみを信じるよ。だから『信じてもらえるのか分からない』という言葉は僕には不要だよ。メイソン、僕はきみの全てを信じるし、きみだけを愛してる」
真っ直ぐに見つめられて言われ、メイソンは胸は軋むように傷んだ。
まだあどけなさの残る少年の言葉に、メイソンは自分をそっくりそのまま受け入れられたような気持ちになった。
ずっと一人で、誰も信じずに生きて来た。
領地を、家族を、領民を守る為だけに自分自身さえも売って来た。
そんな自分を、無条件で両手を広げて受け止めてくれたアルトに堪らなく切なくなった。
「メイソン?何で泣いてるの?」
驚いた顔でアルトに言われ、メイソンはその時に初めて自分が泣いてるのに気付いた。
「すみません」
慌てて拭おうとしたメイソンの頭を抱き寄せると、アルトは
「謝らなくて良い。メイソン、忘れないでくれ。僕はどんな時もきみの味方だし、きみを愛しているよ」
そう囁いた。
「アルト様……」
「二人の時は、様は無し……」
アルトの言葉にメイソンは泣き笑いを浮かべると
「アルト、愛しています」
「メイソン、僕も愛してる」
手を握り合い、キスを重ねる。
額と鼻先を重ねると、メイソンが鼻先を自分の鼻先で撫でるように顔を左右に振る。
「ふふふ…………メイソン、幸せってくすぐったいんだね」
ふわりと笑うアルトに、メイソンは手を握り締めて
「ふふふ…………そうですね」
と微笑み返した。
キスを交わし、アルトがメイソンの背中を抱き締めると
「アルト…………折角のムードを壊して悪いのだが…………」
と、言いずらそうにメイソンが口ごもる。
疑問の視線をアルトが向けると、唇にキスを落としながら
「限界なので、抜くか動いて良いか?」
そう言われて、アルトは吹き出すと
「メイソン…………来て。僕は、何度でもきみになら抱かれたいって思うよ」
と答えてキスを返した。
唇を重ねる、メイソンの腰がゆっくりと動き出す。
「あっ…………メイソン…………」
しがみつき、頬を赤らめて気持ちよさそうな表情のアルトを確認すると、メイソンはそのまま腰を激しく動かした。
(さっき二度目を吐き出したばかりなのに、我ながらとんだ性欲魔人になったな……)
と苦笑いを浮かべると、メイソンはアルトの身体を抱き締めた。
例えこの身を犠牲にしても、腕の中の愛おしい人を守ると決意しながら…………。
ゆっくりとアルトの頬に触れて声を掛けると
「うん、凄く気持ち良かったよ。痛くなかった」
笑顔で言われ、メイソンはいつものアルトだとホッと溜め息を吐いた。
まだ挿入たままなのに気付き、ゆっくりとアルトの中から引き抜こうとすると、アルトがメイソンの身体を抱き締めて
「あの……ね、もう少しだけこうしてて良い?」
そう言ってから、真っ赤に顔を赤らめた。
「アルト様?」
「うわ!恥ずかしい事言ってるよね?」
両手で顔を隠して言うと
「でもね、こうしていると……メイソンと繋がってるんだ…………って実感出来て幸せなんだ」
と呟いたアルトの言葉に、メイソンはドクリと心臓が高鳴った。
するとアルトがピクリと身体を震わせ
「メイソン……又、硬くなった。もう、メイソンのえっち…………」
上目遣いで言われて、本人の意志とは裏腹に、メイソンのメイソンが元気に復活!!
(だから、煽るなと言っているのに……)
困った顔をしたメイソンに
「あっ…………」
アルトは身体を少し身じろがせると、そっとメイソンの頬に触れて
「幾ら抱いても良いよ……。メイソンなら…………」
頬を赤らめて、恥じらいながら言われてメイソンは困ってしまう。
自分は性に対して、淡白だと自負していた。今まで、一度果てればもう無理だった。
(好きな相手を抱くというのは、皆、こんな風になるのか?はたまた、太陽の神子と騎士だからこうなるのか?)
まだ、やっと互いの感情に気付いたばかりのメイソンには、分からない事だらけだった。
「メイソン?」
黙って考え込むメイソンを、不安な眼差しで見上げるアルトの視線に気付き、メイソンは優しくアルトの頬にキスを落とし
「アルト様、信じて頂けるのかわかりませんが……」
そう呟くと、アルトはメイソンの唇に人差し指を当てて
「メイソン、覚えていて欲しい事があるんだ。もし、世界中の誰もがメイソンを嘘つきだと言っても、僕だけはきみを信じるよ。だから『信じてもらえるのか分からない』という言葉は僕には不要だよ。メイソン、僕はきみの全てを信じるし、きみだけを愛してる」
真っ直ぐに見つめられて言われ、メイソンは胸は軋むように傷んだ。
まだあどけなさの残る少年の言葉に、メイソンは自分をそっくりそのまま受け入れられたような気持ちになった。
ずっと一人で、誰も信じずに生きて来た。
領地を、家族を、領民を守る為だけに自分自身さえも売って来た。
そんな自分を、無条件で両手を広げて受け止めてくれたアルトに堪らなく切なくなった。
「メイソン?何で泣いてるの?」
驚いた顔でアルトに言われ、メイソンはその時に初めて自分が泣いてるのに気付いた。
「すみません」
慌てて拭おうとしたメイソンの頭を抱き寄せると、アルトは
「謝らなくて良い。メイソン、忘れないでくれ。僕はどんな時もきみの味方だし、きみを愛しているよ」
そう囁いた。
「アルト様……」
「二人の時は、様は無し……」
アルトの言葉にメイソンは泣き笑いを浮かべると
「アルト、愛しています」
「メイソン、僕も愛してる」
手を握り合い、キスを重ねる。
額と鼻先を重ねると、メイソンが鼻先を自分の鼻先で撫でるように顔を左右に振る。
「ふふふ…………メイソン、幸せってくすぐったいんだね」
ふわりと笑うアルトに、メイソンは手を握り締めて
「ふふふ…………そうですね」
と微笑み返した。
キスを交わし、アルトがメイソンの背中を抱き締めると
「アルト…………折角のムードを壊して悪いのだが…………」
と、言いずらそうにメイソンが口ごもる。
疑問の視線をアルトが向けると、唇にキスを落としながら
「限界なので、抜くか動いて良いか?」
そう言われて、アルトは吹き出すと
「メイソン…………来て。僕は、何度でもきみになら抱かれたいって思うよ」
と答えてキスを返した。
唇を重ねる、メイソンの腰がゆっくりと動き出す。
「あっ…………メイソン…………」
しがみつき、頬を赤らめて気持ちよさそうな表情のアルトを確認すると、メイソンはそのまま腰を激しく動かした。
(さっき二度目を吐き出したばかりなのに、我ながらとんだ性欲魔人になったな……)
と苦笑いを浮かべると、メイソンはアルトの身体を抱き締めた。
例えこの身を犠牲にしても、腕の中の愛おしい人を守ると決意しながら…………。
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