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契約
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「アルト様、本当に良いのですね?」
メイソンの言葉に、アルトはゆっくりと頷く。
優しくベッドに寝かされ、アルトはこれから起こる事への期待と恐怖に心臓が壊れそうな程バクバクと鳴っている。
そんなアルトの足元で、アルトに跨り上着を脱ぎ捨てるメイソンが視界に入って心臓が更に跳ね上がる。
しかし、メイソンの均整の取れた美しい身体に、アルトは思わずこれから起こる事を忘れて魅入っていた。
顔立ちも然ることながら、メイソンは男として体躯も美しかった。
(こんだけ綺麗な身体をしていたら、そりゃ~、ガチムチのオネェ様も抱かれたくなるよね)
そんな事を考えていると、メイソンがゆっくりとアルトに覆い被さり
「なるべく優しくしますが、絶対に煽らないで下さいよ」
と釘を刺された。
「煽るって……僕はそんな事しないよ」
プクッと頬を膨らませて抗議するアルトの頬に触れると、メイソンは困ったように苦笑いをして
「そういう所ですよ……」
と囁き唇を重ねる。
優しく触れるだけのキスを何度か繰り返しながら、アルトの指に指を絡めてメイソンが手を重ねる。
重なり合った身体の中心に、メイソンの硬くなったモノが当たってアルトが思わず赤面してしまうと
「ほら、その表情も……堪らなく俺を煽るんですよ。少し自覚を持って下さい!」
そう言われてしまい、アルトは納得いかないという顔をして唇を尖らせている。
そんなアルトにメイソンは小さく笑うと、額、瞼、頬に唇を当てて行く。
アルトが小さく身体を震わせると、メイソンはアルトの震えが止まるまで優しく抱き締めながら、髪の毛を撫でて待っていてくれる。
そんなメイソンの優しさに、アルトは涙が出そうになるのは何故なのだろう?と考えた。
そしてメイソンが触れる場所から、電気が走るような感覚が全身を駆け巡り不快感が全く無いのも不思議だった。
きっとメイソンが気を遣ってくれているからだ……と思っているのだが、この時のアルトには、まだ芽生えたばかりの自分の感情がわかる程、恋愛に対して慣れていなかった。
何度も説明して申し訳無いが、アルトは前世からキスは愚か男性と付き合った事がない。
なので、これが恋なのだと気付く経験値が足りなさ過ぎたのだ。
しかもこの時は、全てをすっ飛ばして初体験をしなければならないのでいっぱいいっぱいだったのも、アルトが自分の気持ちに気付かなかった要因の1つだろう。
メイソンの唇がアルトの首筋に触れる頃には、アルトは既に失神寸前になっていた。
メイソンもまた、全く不慣れなアルトのガチガチの身体に触れながら、まだ出会って間も無いこの少年に、何故、こんなにも惹かれてしまうのか不思議で仕方なかった。
今までたくさん美しい女性や、それこそアルトと同じようなタイプの男性とも出会い身体を重ねて来た。しかし、こんなにも激しく求めてしまう相手は初めてだった。
もしかしたら、これが太陽の神子とその神子の騎士として選ばれた人間の、呪いにも似た絆なのかもしれないと、メイソンも又、恋愛を知る前に肉欲の世界に身を落とした弊害だったのだろう。
アルトへの感情に気付いていなかった。
メイソンの言葉に、アルトはゆっくりと頷く。
優しくベッドに寝かされ、アルトはこれから起こる事への期待と恐怖に心臓が壊れそうな程バクバクと鳴っている。
そんなアルトの足元で、アルトに跨り上着を脱ぎ捨てるメイソンが視界に入って心臓が更に跳ね上がる。
しかし、メイソンの均整の取れた美しい身体に、アルトは思わずこれから起こる事を忘れて魅入っていた。
顔立ちも然ることながら、メイソンは男として体躯も美しかった。
(こんだけ綺麗な身体をしていたら、そりゃ~、ガチムチのオネェ様も抱かれたくなるよね)
そんな事を考えていると、メイソンがゆっくりとアルトに覆い被さり
「なるべく優しくしますが、絶対に煽らないで下さいよ」
と釘を刺された。
「煽るって……僕はそんな事しないよ」
プクッと頬を膨らませて抗議するアルトの頬に触れると、メイソンは困ったように苦笑いをして
「そういう所ですよ……」
と囁き唇を重ねる。
優しく触れるだけのキスを何度か繰り返しながら、アルトの指に指を絡めてメイソンが手を重ねる。
重なり合った身体の中心に、メイソンの硬くなったモノが当たってアルトが思わず赤面してしまうと
「ほら、その表情も……堪らなく俺を煽るんですよ。少し自覚を持って下さい!」
そう言われてしまい、アルトは納得いかないという顔をして唇を尖らせている。
そんなアルトにメイソンは小さく笑うと、額、瞼、頬に唇を当てて行く。
アルトが小さく身体を震わせると、メイソンはアルトの震えが止まるまで優しく抱き締めながら、髪の毛を撫でて待っていてくれる。
そんなメイソンの優しさに、アルトは涙が出そうになるのは何故なのだろう?と考えた。
そしてメイソンが触れる場所から、電気が走るような感覚が全身を駆け巡り不快感が全く無いのも不思議だった。
きっとメイソンが気を遣ってくれているからだ……と思っているのだが、この時のアルトには、まだ芽生えたばかりの自分の感情がわかる程、恋愛に対して慣れていなかった。
何度も説明して申し訳無いが、アルトは前世からキスは愚か男性と付き合った事がない。
なので、これが恋なのだと気付く経験値が足りなさ過ぎたのだ。
しかもこの時は、全てをすっ飛ばして初体験をしなければならないのでいっぱいいっぱいだったのも、アルトが自分の気持ちに気付かなかった要因の1つだろう。
メイソンの唇がアルトの首筋に触れる頃には、アルトは既に失神寸前になっていた。
メイソンもまた、全く不慣れなアルトのガチガチの身体に触れながら、まだ出会って間も無いこの少年に、何故、こんなにも惹かれてしまうのか不思議で仕方なかった。
今までたくさん美しい女性や、それこそアルトと同じようなタイプの男性とも出会い身体を重ねて来た。しかし、こんなにも激しく求めてしまう相手は初めてだった。
もしかしたら、これが太陽の神子とその神子の騎士として選ばれた人間の、呪いにも似た絆なのかもしれないと、メイソンも又、恋愛を知る前に肉欲の世界に身を落とした弊害だったのだろう。
アルトへの感情に気付いていなかった。
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