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メイソンの視力回復の鍵
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アルトはメイソンの話を黙って聞くと
「じゃあ、今も左目は見えていないの?」
そっとメイソンの左目に触れて聞くと
「全く見えない訳では無いのですよ。ぼんやりと人影とかは見えますので」
苦笑いしてメイソンが答えた。
「ねぇ、メイソン。僕はその左目がほとんど見えなくなった理由を知っているんだ」
アルトはそう呟きながら、マリアンヌが描いた二次の作品を思い出す。
太陽の神子を守る騎士に選ばれると、その印が身体の何処かに現れる。
メイソンに現れたのは、左目だった。
騎士に選ばれると、人によっては死にそうな目に遭うと描かれていて、どうやらメイソンは左目……頭に近い位置に印が現れた為に、流行病のような症状が出たのだろう。その目を回復させるには、太陽の神子と契約しなければならない。
アルトは自分の作品をこんな風に変えてしまったマリアンヌを憎々しいと思いながらも、メイソンを救えるなら自分の処女くらいくれてやろうと考え出していた。
「メイソン。キミの左目はね、キミが太陽の神子を守る騎士に選ばれてしまった為に、証が刻まれてしまって見えなくなってしまったんだよ」
悲しそうに話すアルトの言葉に、メイソンは
「それは、あの本の作り話……」
と笑い飛ばそうとした。
でも、アルトはメイソンの頬を両手で覆い自分の方へと向けると
「メイソンだって分かってるんだよね?あの本が、予言書だって言っていたんだから」
そう叫んだ。
目を見開くメイソンに
「キミの目が見えるようになるなら、僕はキミに抱かれても構わない。その代わり、僕と契約をしたら、キミの家族に会わせてくれないか?僕なら、キミの家族の病を治すことが出来る筈だから」
と言って、アルトは優しく微笑んだ。
「どうして……?」
信じられないという顔で呟くメイソンに、アルトは小さく微笑むと
「だって……僕が死んでいたら、キミはそんな不幸にはならなかったんだよ」
そう答えた。
そう。アルトが死んで、アリアナが破滅する世界でのメイソンは、貧しい貴族出身の執事ではあったが、決して不幸な人物では無かった。
アルトが生還し、マリアンヌが創り出した世界になってしまったから、メイソンは不幸な人生を歩まなければならなくなってしまったのだろうとアルトは考えたのだ。
アルトの言葉にメイソンは
「そんな事はありません!私の人生がこうなってしまったのは、アルト様にはなんの責任もありませんから!」
そう叫んで否定した。
メイソンは悪ぶって見せても、本当は誰よりも優しい人だとアルトは知っている。
自分の生み出したキャラで、メイソンは一番優しいお兄さんキャラに描いた。
ツキナナでは、マリアンヌを愛しながらも、自分では幸せに出来ないと身を引いてしまうキャラだった。
アルトはそっとメイソンの左目にキスを落とすと
「メイソン、僕と契約を結ぼう。その代わり、二度と僕とは離れられなくなってしまうけれど……」
そう言うと、アルトは肩を窄めて小さく笑い、メイソンの頭を抱き締めた。
そんなアルトに、メイソンは涙を流しながら
「アルト様。私はこの命が尽きるまで、貴方をお守り致します」
そう言うと、メイソンはアルトの身体をそっと抱き締しめて誓いの言葉を口にした。
アルトがそっとメイソンの左目キスをすると、メイソンは自分の左目がゆっくりと視力を取り戻して行くのが分かった。
メイソンは、アルトの話が嘘では無く真実なのだと、否が応でも思い知らされてしまう。
あの日、病に倒れる前に、左目に激しい激痛が起こり、瞳に不思議な紋様が現れたのは見間違いでは無かったのだと……改めて教えられたような気分になった。
「じゃあ、今も左目は見えていないの?」
そっとメイソンの左目に触れて聞くと
「全く見えない訳では無いのですよ。ぼんやりと人影とかは見えますので」
苦笑いしてメイソンが答えた。
「ねぇ、メイソン。僕はその左目がほとんど見えなくなった理由を知っているんだ」
アルトはそう呟きながら、マリアンヌが描いた二次の作品を思い出す。
太陽の神子を守る騎士に選ばれると、その印が身体の何処かに現れる。
メイソンに現れたのは、左目だった。
騎士に選ばれると、人によっては死にそうな目に遭うと描かれていて、どうやらメイソンは左目……頭に近い位置に印が現れた為に、流行病のような症状が出たのだろう。その目を回復させるには、太陽の神子と契約しなければならない。
アルトは自分の作品をこんな風に変えてしまったマリアンヌを憎々しいと思いながらも、メイソンを救えるなら自分の処女くらいくれてやろうと考え出していた。
「メイソン。キミの左目はね、キミが太陽の神子を守る騎士に選ばれてしまった為に、証が刻まれてしまって見えなくなってしまったんだよ」
悲しそうに話すアルトの言葉に、メイソンは
「それは、あの本の作り話……」
と笑い飛ばそうとした。
でも、アルトはメイソンの頬を両手で覆い自分の方へと向けると
「メイソンだって分かってるんだよね?あの本が、予言書だって言っていたんだから」
そう叫んだ。
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「キミの目が見えるようになるなら、僕はキミに抱かれても構わない。その代わり、僕と契約をしたら、キミの家族に会わせてくれないか?僕なら、キミの家族の病を治すことが出来る筈だから」
と言って、アルトは優しく微笑んだ。
「どうして……?」
信じられないという顔で呟くメイソンに、アルトは小さく微笑むと
「だって……僕が死んでいたら、キミはそんな不幸にはならなかったんだよ」
そう答えた。
そう。アルトが死んで、アリアナが破滅する世界でのメイソンは、貧しい貴族出身の執事ではあったが、決して不幸な人物では無かった。
アルトが生還し、マリアンヌが創り出した世界になってしまったから、メイソンは不幸な人生を歩まなければならなくなってしまったのだろうとアルトは考えたのだ。
アルトの言葉にメイソンは
「そんな事はありません!私の人生がこうなってしまったのは、アルト様にはなんの責任もありませんから!」
そう叫んで否定した。
メイソンは悪ぶって見せても、本当は誰よりも優しい人だとアルトは知っている。
自分の生み出したキャラで、メイソンは一番優しいお兄さんキャラに描いた。
ツキナナでは、マリアンヌを愛しながらも、自分では幸せに出来ないと身を引いてしまうキャラだった。
アルトはそっとメイソンの左目にキスを落とすと
「メイソン、僕と契約を結ぼう。その代わり、二度と僕とは離れられなくなってしまうけれど……」
そう言うと、アルトは肩を窄めて小さく笑い、メイソンの頭を抱き締めた。
そんなアルトに、メイソンは涙を流しながら
「アルト様。私はこの命が尽きるまで、貴方をお守り致します」
そう言うと、メイソンはアルトの身体をそっと抱き締しめて誓いの言葉を口にした。
アルトがそっとメイソンの左目キスをすると、メイソンは自分の左目がゆっくりと視力を取り戻して行くのが分かった。
メイソンは、アルトの話が嘘では無く真実なのだと、否が応でも思い知らされてしまう。
あの日、病に倒れる前に、左目に激しい激痛が起こり、瞳に不思議な紋様が現れたのは見間違いでは無かったのだと……改めて教えられたような気分になった。
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