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アリアナ同盟結成
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「それにしても、そんなに凄い能力が必要なんて、その漫画?というのは凄い物なんだろうな……」
何も知らないロベルタが関心しているのを横目に、アルトが腐女子を睨むと、マリアンヌは涼しい顔をして
「アルト様には献本させていただきましたので」
と微笑んだ。
「そんな本、要らん!」
思わず叫んだアルトに、アリアナは怒った顔をして
「もう!アルトったらどうしたの?女性には誰よりも優しいあなたが、マリアンヌだけにキツく当たったりして……」
と言いかけて、ハッとした顔をすると
「アルトったら、そうでしたの……」
ポッと頬を染め、アリアナが呟いた。
背筋がゾワっと冷たくなったアルトは
「違う違う!誤解しないでくれ!」
そう叫んでみても、何も知らないアリアナは
「アルトったら、浮いた噂が無いと思ったら……」
と、思わぬ勘違いにアルトは失神しそうになる。
よりによって、こんな悪魔……いや、マリアンヌの所業を考えると、悪魔の方が優しいのかもしれないとアルトは考えた。
とにかく話を逸らしたいアルトは
「で、何がきっかけで仲良くなったの?漫画は見せてもらえなかったんだろう?」
そう話を逸らすと、アリアナは手を叩き
「そうでしたわ!それがね、仲良くなったきっかけはアルトの似顔絵を描いて頂いたの」
と、アリアナが得意げにアルトに腐女子が描いたイラストを手渡した。
そこには、かなり美化された凛々しいアルトと、最近すっかり着なくなったフワフワとしたレースをふんだんに使ったドレスを着たアリアナが描かれていた。
「わぁ!やっぱり、アリアナはお姫様みたいなドレスが良く似合う」
アルトがそう叫ぶと、アリアナは悲しそうに顔を歪ませた。
「ねぇ、アリアナ。最近、ずっとAラインやマーメイドタイプのドレスを着るのはなんでなの?」
ずっと気になっていたアルトが質問すると、アリアナは制服のスカートをギュッと握り締めて
「似合わないもの……」
と、ポツリと呟いたのだ。
「似合わない?何を言っているんだい?こんなに可愛らしく似合っているじゃないか」
手渡されたイラストを見つめて言うアルトに、アリアナは
「それはイラストだもの……」
と悲しそうに笑った。
「何を言っているんだよ!こんなにアリアナにそっくりに描かれていてこんなに可愛らしいのだから、アリアナが着たらもっと可愛らしいよ!」
力説するアルトに、腐女子も頷き
「アリアナ様は美しくもあり、可愛らしくもあります。どんなドレスでも、お似合いになられると思いますよ」
と続けた。
(おぉ!腐女子、アリアナたんの事では気が合うな!!)
そう思って頷くアルトに、アリアナは悲しそうに微笑んだまま
「先日、ポータム夫人のお茶会で、私のような気の強い顔には、可愛らしいドレスは似合わないと言われてしまいましたの」
と答えたのだ。
アリアナの言葉を聞き、アルトとマリアンヌは一斉に
「可愛い可愛いアリアナたんに、そんな事を言ったのは何処のどいつだ!」
声を揃えて叫んだのだ。
アリアナが驚いた顔をして2人を見ると
「腐女子、アリアナたんを守る為なら、僕は悪魔にでも魂を売るよ」
アルトが呟くと、マリアンヌも頷き
「気が合うわね!アルトきゅん」
そう答えた。
「アルトきゅん言うな!」
「あら!アルトきゅんはアルトきゅんだわ!」
と答えたマリアンヌに、アルトはガックリと肩を落とし、アリアナ同盟を組んだ相手を間違えたと心から後悔したのだった。
何も知らないロベルタが関心しているのを横目に、アルトが腐女子を睨むと、マリアンヌは涼しい顔をして
「アルト様には献本させていただきましたので」
と微笑んだ。
「そんな本、要らん!」
思わず叫んだアルトに、アリアナは怒った顔をして
「もう!アルトったらどうしたの?女性には誰よりも優しいあなたが、マリアンヌだけにキツく当たったりして……」
と言いかけて、ハッとした顔をすると
「アルトったら、そうでしたの……」
ポッと頬を染め、アリアナが呟いた。
背筋がゾワっと冷たくなったアルトは
「違う違う!誤解しないでくれ!」
そう叫んでみても、何も知らないアリアナは
「アルトったら、浮いた噂が無いと思ったら……」
と、思わぬ勘違いにアルトは失神しそうになる。
よりによって、こんな悪魔……いや、マリアンヌの所業を考えると、悪魔の方が優しいのかもしれないとアルトは考えた。
とにかく話を逸らしたいアルトは
「で、何がきっかけで仲良くなったの?漫画は見せてもらえなかったんだろう?」
そう話を逸らすと、アリアナは手を叩き
「そうでしたわ!それがね、仲良くなったきっかけはアルトの似顔絵を描いて頂いたの」
と、アリアナが得意げにアルトに腐女子が描いたイラストを手渡した。
そこには、かなり美化された凛々しいアルトと、最近すっかり着なくなったフワフワとしたレースをふんだんに使ったドレスを着たアリアナが描かれていた。
「わぁ!やっぱり、アリアナはお姫様みたいなドレスが良く似合う」
アルトがそう叫ぶと、アリアナは悲しそうに顔を歪ませた。
「ねぇ、アリアナ。最近、ずっとAラインやマーメイドタイプのドレスを着るのはなんでなの?」
ずっと気になっていたアルトが質問すると、アリアナは制服のスカートをギュッと握り締めて
「似合わないもの……」
と、ポツリと呟いたのだ。
「似合わない?何を言っているんだい?こんなに可愛らしく似合っているじゃないか」
手渡されたイラストを見つめて言うアルトに、アリアナは
「それはイラストだもの……」
と悲しそうに笑った。
「何を言っているんだよ!こんなにアリアナにそっくりに描かれていてこんなに可愛らしいのだから、アリアナが着たらもっと可愛らしいよ!」
力説するアルトに、腐女子も頷き
「アリアナ様は美しくもあり、可愛らしくもあります。どんなドレスでも、お似合いになられると思いますよ」
と続けた。
(おぉ!腐女子、アリアナたんの事では気が合うな!!)
そう思って頷くアルトに、アリアナは悲しそうに微笑んだまま
「先日、ポータム夫人のお茶会で、私のような気の強い顔には、可愛らしいドレスは似合わないと言われてしまいましたの」
と答えたのだ。
アリアナの言葉を聞き、アルトとマリアンヌは一斉に
「可愛い可愛いアリアナたんに、そんな事を言ったのは何処のどいつだ!」
声を揃えて叫んだのだ。
アリアナが驚いた顔をして2人を見ると
「腐女子、アリアナたんを守る為なら、僕は悪魔にでも魂を売るよ」
アルトが呟くと、マリアンヌも頷き
「気が合うわね!アルトきゅん」
そう答えた。
「アルトきゅん言うな!」
「あら!アルトきゅんはアルトきゅんだわ!」
と答えたマリアンヌに、アルトはガックリと肩を落とし、アリアナ同盟を組んだ相手を間違えたと心から後悔したのだった。
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