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マリアンヌの正体
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納得出来ないアルトは、入学式が終わり、教室へと向かう人ごみの中でマリアンヌを探していた。
(絶対、偽物だ!マリアンヌは絶世の美少女の筈なのだから)
そう思いながら、アルトは校舎の裏側にある裏庭で鳥や猫などの動物と戯れるマリアンヌを見つけ出した。
しかし……その美しい光景の真ん中に居るのは、個性的な女性であるマリアンヌだった。
走り回っていたアルトが息を整えながら近付くと
「まぁ!アルト様」
驚いた顔をしたマリアンヌが声を上げた。
その声は鈴の音のように美しい。
「きみは……本当にマリアンヌなのか?」
そう聞いたアルトに、マリアンヌはゆっくりと立ち上がり
「はい。私はマリアンヌです」
と答えて微笑んだ。
アルトが牛乳瓶の底眼鏡を奪うと、美しいブルートパーズの瞳が現れた。
しかも、だ。
頬のそばかすを擦ってみたら、落ちるではないか。
「アルト様!何をなさるのですか!」
慌てるマリアンヌのボサボサな水分の無さそうな髪の毛を引っ張ると汚い髪の毛はカツラで、中から美しいブロンドの髪の毛が現れた。
「やっぱり。僕の知っているマリアンヌは絶世の美少女だったから、おかしいと思ったんだよ」
思わず呟いてしまったアルトに
「え?アルト様は、何故本当の私の容姿をご存知なのですか?」
驚いた顔をしたマリアンヌに視線を逸らし
「嫌……なんとなく?」
と誤魔化したが、疑いの眼差しを向けられてしまう。
するとマリアンヌは
「もしかして、アルト様も転生者なのですか?」
と聞いてきた。
アルトが驚いてマリアンヌを見ると、マリアンヌは嬉しそうに手を叩き
「私もなんです!私は前世で漫画家をしていて、趣味でツキナナの二次創作していたら、まさか自分が二次創作していた世界に転生するなんて」
と言い出したのだ。
思わずアルトは
「あんたか!あんな鬱漫画書いたのは!!僕の作品をBLにしやがって!」
思わず叫んでしまう。
するとマリアンヌはキラキラした瞳でアルトを見つめ
「もしかして……前世はツキナナの作者、七緒夢先生ですか!」
と叫んだのだ。
(終わった……)
そう思ったアルトに、マリアンヌは夢見る乙女ポーズで
「なんて事でしょう!推しのアルトきゅんに、憧れの七緒夢先生が転生なさるなんて」
と言ってうっとりしている。
「で、あなたがこの世界の作者なら、アルトがどうなるのか知って居るんだろう?」
そう聞くと、マリアンヌはにっこりと微笑み
「大好きなアルトきゅんが、私の作り出したオリキャラのルースだけでなく、七人の騎士とやりまくるお話なんです。私、壁になりたくて姿を隠していたのに……」
そう言われて、アルトは顔面蒼白になり
「な、な、なんだって!!!」
と叫んだのは言うまでもない。
(絶対、偽物だ!マリアンヌは絶世の美少女の筈なのだから)
そう思いながら、アルトは校舎の裏側にある裏庭で鳥や猫などの動物と戯れるマリアンヌを見つけ出した。
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「まぁ!アルト様」
驚いた顔をしたマリアンヌが声を上げた。
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「きみは……本当にマリアンヌなのか?」
そう聞いたアルトに、マリアンヌはゆっくりと立ち上がり
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しかも、だ。
頬のそばかすを擦ってみたら、落ちるではないか。
「アルト様!何をなさるのですか!」
慌てるマリアンヌのボサボサな水分の無さそうな髪の毛を引っ張ると汚い髪の毛はカツラで、中から美しいブロンドの髪の毛が現れた。
「やっぱり。僕の知っているマリアンヌは絶世の美少女だったから、おかしいと思ったんだよ」
思わず呟いてしまったアルトに
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と誤魔化したが、疑いの眼差しを向けられてしまう。
するとマリアンヌは
「もしかして、アルト様も転生者なのですか?」
と聞いてきた。
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「私もなんです!私は前世で漫画家をしていて、趣味でツキナナの二次創作していたら、まさか自分が二次創作していた世界に転生するなんて」
と言い出したのだ。
思わずアルトは
「あんたか!あんな鬱漫画書いたのは!!僕の作品をBLにしやがって!」
思わず叫んでしまう。
するとマリアンヌはキラキラした瞳でアルトを見つめ
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と叫んだのだ。
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そう聞くと、マリアンヌはにっこりと微笑み
「大好きなアルトきゅんが、私の作り出したオリキャラのルースだけでなく、七人の騎士とやりまくるお話なんです。私、壁になりたくて姿を隠していたのに……」
そう言われて、アルトは顔面蒼白になり
「な、な、なんだって!!!」
と叫んだのは言うまでもない。
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