転生したら首が揺れる系ヒロインだったので、首を揺らすのを止めたら溺愛が待っていた!

古紫汐桜

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悪役令嬢レミリア登場

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この女神は、なんで緊張感が無いのかしら?
私はそんな女神を訝しがりながら
「なんでそんなにしてくれるのよ」
と聞くと
「貴女は本来、婚約者と結婚して幸せになる筈だったのです。それを、元ソフィアである彼女のせいで……」
女神はそこまで言うと、突然、涙を流し始めた。
「えぇっ! 泣きたいのはこっちなのに!」
そう叫ぶ私に
「あんな女に、好き勝手させたままで居たくないのです! 貴女には、この世界で幸せになって欲しいのです!」
女神の真剣な訴えに、私は頬をかきながら
「ありがとう。女神様の気持ち、受け取らせて頂くわ」
そう言って微笑んだ。
「大丈夫! 貴女なら、絶対に絶対に幸せな未来を掴めますから!」
なんて言われて、その気になってはみたものの……。

 学園に到着すると、女子からは遠巻きに白い目で見られて、ヒソヒソ話をされている針のむしろ状態。
彼女は、良くこんな生活で平気だったなぁ~。
ある意味、図太い神経をしてるわよね。
そんな事を考えながら歩いていると
「あら! 今日は他の殿方をはべらせていらっしゃらないのですね」
漫画版きみせかのヒロイン、悪役令嬢のレミリア様が登場した。
気の強そうな吊り目がちな目に、真紅の髪の毛にルビーの瞳。
そう、まさに真紅の薔薇の如き美しいレミリア様に思わず感動。
しかもレミリア様
「あら、あなた。今日は首が揺れていませんのね」
と、私の変化に気付いてくれたのだ。
そう。実は私、あの後、女神に頼んで首が揺れないようにしてもらったの。
首が小刻みに揺れるのは、赤べこだけで充分よ!
しかも、ユラユラしていて酔いそうだもの。
そして女神様の力で首が揺れなくなった自分を、馬車の窓に映して見て
(うん! 揺れてない!)
と一人喜んでいたのに。
それを、レミリア様が気付いて下さるなんて!
そんな事を考えていると
「髪型も……変えたのですわね。その方が、スッキリして宜しいのではなくて?」
嫌いであろう私なんぞさえ、褒めてくれる優しさ。
マジ、天使!
「ありがとうございます」
キラキラした目でレミリア様を見つめていると
「レミリア! 貴様、又、ソフィアを虐めているのか!」
レミリアの婚約者、バカ王子のクリフォードが叫びながらこちらに向かって来る。
(嫌、無理無理無理! 顔だけのバカって、私、生理的に無理!)
近付く分だけ後退る私に、バカ王子クリフォードが不思議そうな視線を向けている。
「愛しのソフィア、どうしたんだい?」
両手を広げ、こちらにまだ近寄って来やがる。
「ご……ごめんなさい! 生理的に無理!」
そう叫んで逃げ出した私を、レミリア様とクリフォード王子が唖然と見ていたのは言うまでも無い。
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