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二人のダンピールのハンターとそれを巡る関係
淫魔の罠
しおりを挟むディストとアレフィードはその日同じ場所で同じ依頼を受けていた。
まだ未熟なアレフィードを気にしてディストは同じ依頼を受けることにした。
一緒に行こうとしたクロウは、難易度の高い緊急の依頼六件をマリーに提示されて一緒に行くことができなくなった。
そういう事もあり、そして何だかんだでマリーに頭が上がらない二人はそれを了承し、魔族退治向かった。
ゾンビや骸骨といったような存在の姿をした魔族が存在しており、二人は剣で魔族たちを浄化していく。
骸骨のような魔物は骨を一刀両断し、そのまま塵に返し浄化させる。
ゾンビのような魔物は頭を銃か剣で潰し、塵に返し浄化させた。
魔物がいなくなると、浄化の術をディストがかけようとした時、甘い匂いが漂ってきた。
脳を痺れさせるような甘い香り、ディストは急いで口元に浄化の術がかかったマスクをつけるが、未熟なアレフィードは判断が遅れてしまった。
甘い香りの所為でぼんやりとしているアレフィードにディストは彼に浄化の術がかかったマスクをして抱えて逃亡しようとしたが、遅かった。
「おやおや、極上が二人も」
愉快そうな男の声が響いてきた。
「淫魔か……」
「おやご存じで、インキュバスとか言うと思ったのですが……」
「お前たちはどっちにもなれる、自分たちが好きな時好きなようにな」
男――淫魔はにたりと笑って指を動かすと、何もない空間から無数の美しい女たちが現れてきた。
「上級か……」
ディストは逃亡を試みるが、足にいつの間にか鎖がついていた。
淫魔が鎖を使ってディストを引きずり倒すと黒い穴が地面にでき、ディストとアレフィードを飲み込んだ。
柔らかなベッドの上に体が沈み込んだのがディストには分かった。
問題なのは先ほどまで抱えていたアレフィードの姿が見えないことと、武器が手元から消えていることだった。
その上両腕は強く拘束されており、抜け出すのには時間がかかりそうだった。
「一緒にいた方が心配ですか? そちらの方なら、その方が望むような快楽を今私の配下たちが与えている最中ですのでご安心を」
していたマスクもなくなっており、甘い香りに頭が焼けるようだった。
「私は極上の快楽を提供するのが好きなだけなのでご安心を命を取ることなど野蛮なことはしないとも、安心しなさい」
「悪いが俺はそういうのとは無縁だ他を当たれ」
「そうですか――これでも?」
淫魔の姿が、クロウの姿に変わる。
ディストの目にわずかに動揺の色が走ったのを、淫魔は見逃さなかった。
「ディストどうした?」
淫魔はいつものクロウの口調で、クロウがする笑みを浮かべて、ディストの服に手をかけた。
ディストは抵抗するが、クロウの姿の所為でそれがうまくできなかった。
クロウの姿をした淫魔が唇を口づけで塞いできた。
酷く甘い液体が口内に注がれる、吐き出せと精神が命じても、体は勝手に飲み込んでしまう。
ぐちゅぐちゅと後孔をほぐされ、中に液体を注がれる。
腸内は入ってきた粘質な液体に媚、既に快楽を享受し始めていた。
――違う、姿がクロウなだけだ、何故こうなる?――
後孔に淫魔の男根が押し付けられる。
押し込まれ、ばちゅんばちゅんと突かれる。
ソコの形まで本人そっくりに再現してしまっていたのか、肉体は完全に勘違いを起こして絶頂に達した。
ぎゅうぎゅうと淫魔の男根を締め付けてしまう。
口を開放されるが、体は発情して媚びてしまっていた。
「いい子だ……」
ばちゅんばちゅんと奥を突かれ、のけ反る。
結腸部を責められ、腹の奥にひどい快感が走る。
シーツを掴んで、口を閉ざして抵抗にならない抵抗をする。
奥に大量の熱が吐き出されると、腸壁が淫魔の男根に絡みつくように締め付けてしまう。
ごぷりと後孔から精液が零れる。
女なら孕んでしまいそうに感じる熱と量だった。
淫魔はそれでも突き続け、ディストを絶頂に上らせ続けた。
ディストの腹がわずかに膨らみ、体が汚れた状態になり、ディスト自身も疲弊してきたころ、淫魔はずるりと、男根を抜き、姿を遭遇時の姿に戻す。
「さて、ここからが本番ですよ」
淫魔がそういうと、同じく白い液体でどろどろになったアレフィードが姿を見せた。
淫魔の配下たちが微笑みながら彼を歩かせ、ディストの元に連れてくる。
「ディスト……ディスト……」
蕩けた表情で、アレフィードはベッドに乗っかり、舌でディストの体を舐める。
そして、どろどろと淫魔の精液を垂らす後孔に、自身の男根を突っ込んだ。
「っ……!!」
粘質的な音が響き、淫魔の精液で腹の中に入ったものは受け入れてしまう。
いつもなら締め付けないソレですら締め付け、媚びてしまうようになっていた。
「あいしてる……あいしてる……!!」
無我夢中で突き上げ、言葉を投げかける。
淫魔の術中にはまってしまっているのが目に見えた。
そして自分も、肉体が完全に術中にはまっているのが非常に苦痛だった。
「足りないみたいですよ、ほら、手伝ってあげますから」
淫魔がアレフィードの背後に回る。
「うぁあ゛!!」
アレフィードが声を上げた直後、腹の中に熱が放たれた感触がしてぎゅうと締め付けてしまう。
「あ、う、あああ!!」
淫魔が後ろからアレフィードの後孔を突いてるのだ、その衝撃がディストにも伝わってきた。
熱が腹の中に注がれ、後孔から入りきらなかったものが泡立ちながら零れていく。
アレフィードが縋り付くように口づけてきた。
口内を舌で犯されるが、どうしても拒否ができずされるがままだった。
どろどろの熱に解かされながら、ディストの意識は暗転していった。
「だー!! なんでこんな時に限って魔樹が五本も六本も生えるんだよ!!」
クロウは緊急の依頼に追われて、ディストの救難の合図になかなか駆けつけることができなかった。
そしてようやく到着したのだが――
「ディスト!? あとアレフィード?!」
二人とも地面に倒れこんでいた、見たところ外傷はなかった。
しかし、嫌な予感がすると感じたクロウはディストのズボンを下着ごと少し脱がせた、すると――
どろりとした液体が零れた。
「だー!! 畜生!! これ淫魔か!! あの連中本当好き勝手やってくれる!!」
コンクリートの地面を力の限り叩いてヒビを入れていたが、それを気にせず二人を抱きかかえる。
「これ、後でマリーから謝罪もらうよな絶対……あいつ結構色んな意味で責任感じるからなぁ……」
そういいながらその場を後にする。
マリーの仲介屋につくと、足で扉を蹴った。
「おらマリー!! お前んとこの坊ちゃんだ受け取れ!!」
マリーが受け止めれるようにアレフィードをクロウは放り投げた。
「アレフィード君?! どうしたんですか?!」
マリーは驚きの表情をして、ぐったりとしたアレフィードを見る。
「二人そろって突然出没した淫魔にやられたんだよ!! かなり上級クラスのな!! おかげでハニーもこのざまだ!!」
「……あの、もしかして助けにいけなかったのは……」
マリーが気まずそうな顔をする。
「……言いたくねぇけど、お前からの緊急依頼六件が原因だ……」
マリーは短い髪をわしゃわしゃと掻いた。
「あ゛ー!! 私の馬鹿ー!!」
「……まぁ、とりあえず俺帰って、ディストの事洗うわ。アレフィードは目覚めたら洗わせろ、さすがに女性に体洗われるのは恥ずかしいだろうし」
「……わかりました……よし、薬草入りのお風呂沸かさなきゃ」
マリーはそう言うと分身を作って、分身に店番は任せ、アレフィードを抱えて店の奥へと行った。
クロウはそれを見送ると、ディストを抱えて自宅へと戻った。
自宅に戻り、ディストの服をすべて脱がすとバスルームへと向かった。
シャワーを流しながら、ディストの後孔の精液をかき出す。
「ふ……あ……」
かき出していると、ディストの口から短い喘ぎ声が上がりはじめた。
最初は我慢していたが、こうなった状況とディストの艶っぽさに我慢ができなくなった。
「悪い、ディスト」
クロウはそう言うと自身の男根を出し、柔らかくなっているディストの後孔に押し当て、挿れた。
「あ――……」
びくびくとディストの体が震える。
ばちゅんばちゅんと音を立てて突き上げる。
柔らかくなっている腸壁はクロウの男根に絡みつき、形づくられていた。
奥をがつがつと突き上げ、口づけをして口内を舌で味わいながらクロウはディストを抱いた。
何度も何度も欲を吐き出し、犯されたのを塗り替えるように抱いた。
ディストが目を覚ますと、見慣れたクロウの部屋の天井が目に入った。
横を見ればクロウが自分の事を抱きしめながら眠っている。
普段あまり見ることのない光景だった。
体がだるく、腹の奥がまだ少しうずいていた。
昨晩の事を思い出して、色々複雑な気分になっていた。
淫魔だが、クロウの姿と声とか普段の口調になった途端体は悦んで受け入れて、発情しきった状態でアレフィードに抱かれてぐちゃぐちゃにされて、腹のナカは淫魔の精液とアレフィードの精液で満たされ、精神もどろどろに快楽でとろけそうになる前に暗転したということがあった。
しかし、今はそれがないという事は――
隣で眠っているクロウが処理しているということだ。
しかし、まだ違和感は少し残っている、これは自分が意識を飛ばしている最中クロウが自分を抱いたのではないかという考えが浮かんだ。
だが、残念ながらクロウのように情報を把握する能力などないダンピールのディストには推測しかできなかった。
普段寝ている自分を起こそうとしないクロウを、ディストは起こしてよいものかと悩んだ。
腕の中から抜け出そうとした時――
「おはよう、ハニー。どうしたんだ?」
「……起きようとしている」
「昨日ロクでもないめにあったんだ、ゆっくり休め」
「……見たのか」
「傷一つ無い状態で、ぐったりしてるの見たら何が原因か知りたくなっちまうからな、死ぬ毒とか喰らって動けないんだったらやばいしな」
そう言うと、クロウはディストの額に口づけを落とした。
「まぁ、俺の真似した上突っ込んで汚い体液ぶちまけるわ、アレフィードを思考汚染してハニーに突っ込ませるわで、正直その淫魔見つけたら破壊してやる気まんまんなんだけどな」
「……」
粉々になるまで破壊してほしいと心の底から思ったが、口には出さなかった。
「つーわけで、今日は俺と大人しくしていような」
「……尻にあたってるのだが?」
「はは、バレたか? いやか?」
「……勝手にしろ」
「では好きなようにさせてもらうか」
クロウはディストの服を脱がせて、取り出したローションをディストの腹の中に注入する。
ぐちゅぐちゅと指でほぐしていく。
「っ……う……」
「なぁ、ハニー」
指を動かしながらクロウはディストの耳元で言う。
「自分でいれてくれないか?」
「……」
「いつも頑張ってる俺にご褒美だと思って、な?」
「……普段から俺を好き勝手抱いてるのにか?」
「だけどもいいだろう、ハニーからご奉仕なんてしてくれないんだし」
クロウがそう言うと、ディストは呆れのため息をついた。
「いれるだけだぞ……」
「よっしゃ!」
クロウが喜び寝っ転がると、ディストは再度呆れのため息をついて、クロウの勃起した男根を自分の後孔に当たるようにする。
後孔にあたると、何とかいれようとするがうまくいかない。
ディストは仕方なさそうに、後孔を自分の指で広げ、クロウの男根を腹のナカに収めていく。
「……っ」
ディストは熱っぽい息を吐き出した。
クロウはそれを眺める、まともに動けなくなっているであろうディストを。
みっちりと腸内を広げ、今までよりも深く入っているクロウの男根が与える圧迫感と弱くも確かにある快感にディストは動けなくなっていた。
入れるだけ、としか言ってないからそれでいいのだが、動けなくなるのは想定外だった。
下から突かれると、声にならない声を上げて、ディストは体を震わせた。
「……っう、あ……」
入っているだけえ弱い快感が走っているのに、突かれたり、揺さぶられたりすると快感が来てたまったものではない。
ディストは、だたナカに収まった状態のまま、自身の男根からとろとろと白く濁った液体をこぼしながら弱い絶頂を繰り返す。
突きあげられると、シーツを掴み、のけ反って強い絶頂を感じクロウの男根を締め付けてしまう。
腹の奥に熱を帯びた液体が注がれる感触にまた絶頂する。
クロウはディストを時々突きあげながら様子を見ていた。
無意識に腰を動かし、快感を得ようとしているさまが酷く淫靡に見えた。
普段ストイックな分、例外もあるが基本自分が抱くときだけ無意識に快楽に溺れる姿を見るのが非常に好きだった。
ディストに恋慕の情を抱いているアレフィードには悪いが譲るつもりは全くない。
ディストは自分のだと言わんばかりに、ディスト腹の奥に熱を吐き出すのを繰り返した。
アレフィードは浄化の薬草が浮いた湯舟に浸かってじっとしていた。
水が苦手なダンピール用に調整されたものの為、苦痛は感じない。
ただ、アレフィードは別の意味で苦痛を感じていた。
思考がぼやけて、視界もぼやけてよく見えない、ただ声が聞こえたのだ。
ディストの声が、言うはずのない言葉が。
残ったわずかな理性がこれは違うと叫んでも、求めてもやまない感情がそれに溺れてしまった。
貫かれて、吐き出されて、貫いて、それを繰り返してどろどろに犯された。
そこから先、何かとんでもないことをしてしまったのではないかという記憶だけがある。
愛の言葉を告げて、抱いて、何かに後ろから犯されて、唇にすがった、そんな記憶だ。
もしこれが本人にしてしまったのなら――
アレフィードは体を抱きしめた。
とんでもないことをした、と。
あんな美しい存在に自分はなんてことをしたんだと恐ろしくなった。
次顔を合わせた時、なんといえばいいのかわからない、嫌われてしまったのではないかと、恐ろしさがこみあげてきた。
ディストには、あの人には嫌われたくない。
そんな感情がこみあげてきていた。
自分のしたことが恐ろしくて、アレフィードはすすり泣いた。
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